SUPER GT 2014年 第5戦 富士
決勝
台風による天候急変に翻弄されセーフティカー先導でレース終了
中嶋一貴/ジェームス・ロシター組LEXUS RC Fが追い上げ5位
10日(日)は朝方四国に上陸した台風11号の影響もあり、富士スピードウェイも朝から降ったり止んだりの天候。そんな中でも、2万6千人以上のレースファンが熱いバトルを満喫すべく、サーキットへと足を運んだ。
午後3時の決勝レーススタート時には、雨は止んでいたものの、路面はヘビーウェット、気温25度と夏らしくないコンディションで、セーフティカーの先導の下でスタートが切られた。
2周のセーフティカーランを経て、3周目に水煙を上げて本格戦が開始された。5番手スタートのDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車がひとつポジションを落とし、これに7番手スタートのPETRONAS TOM'S RC F 36号車が続く展開。
レースが8周目を過ぎたあたりで降り始めた雨は、あっという間に強さを増し、土砂降り状態に。そんな中、果敢に先行車を攻めた39号車のオリバー・ジャービスは、競り合う2台の中に割って入り、3ワイドの中で5位へとポジションアップ。翌周には36号車のジェームス・ロシターもひとつポジションを上げた。
しかし、更に雨が強くなり、レース続行は危険という判断からセーフティカーが導入。その直後にはGT300の車両が数台スピンを喫するような状態となった。
隊列を整え、セーフティカー先導での周回を続けたが、状況はなかなか回復せず、17周終了時点でレースは一旦赤旗中断となった。
30分ほどの中断を経て、セーフティカー先導で走行が再開され、20周目に再スタート。6位につけていた36号車は好ダッシュを見せひとつ順位を上げたが、これがスタート違反と見なされ、ドライブスルーペナルティを受けることとなってしまった。
中盤戦に入ると徐々にドライバー交代のためのピットが始まったが、上位勢はピット作業を引っ張り、40周目過ぎから各車ピットへ。
全車がピットを終えた時点で石浦宏明に代わった39号車は7位、ペナルティを受け後退していた36号車は、固めのレインタイヤを選択していたこともあり、タイヤ無交換という作戦に出た。これが功を奏し、中嶋一貴が39号車よりも前でコースに復帰。アウトラップでかわされたものの、39号車と共に、僅差の4位争いグループに加わった。
残りが20周ほどになると、路面の一部には乾いた場所が出来始めた。このため、この時点で立川祐路が14位を走行していたZENT CERUMO RC F 1号車は急遽ピットインしスリックタイヤに交換。立川はファステストラップをマークしながら追い上げを開始した。
36号車の中嶋一貴は未交換のタイヤながら、見事な追い上げを続け、残り10周で5位に浮上。
激しいバトルで一時は6位に上がった石浦の39号車だったが、乾いていく路面でペースが落ち、残り10周でスリックタイヤに交換するためにピットイン。同様にソフトのレインタイヤで12位を走行していたENEOS SUSTINA RC F 6号車 国本雄資もスリックへと交換した。
しかし、その直後に再び雨が降り始め、LEXUS RC F勢のスリックへの交換作戦は裏目に。雨は一気に強さを増し、残り8周で再びセーフティカーが導入されることとなった。
そのまま周回が重ねられたが、天候の回復はならず、30分ほどの赤旗中断を含んで、トータル3時間にも及んだレースは、最後はセーフティカー先導でチェッカーフラッグ。LEXUS RC Fは中嶋/ロシター組の36号車が最上位の5位フィニッシュ。36号車同様に、堅めのタイヤで無交換作戦を採り、14番手スタートから追い上げた伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組 KeePer TOM'S RC F 37号車は9位に入り、2ポイントを追加。ドライバーとチームのランキングでは首位を守っている。
PETRONAS TOM'S RC F 36号車 ドライバー 中嶋一貴:
「ウェットの中、ペースも悪くなかったし、タイヤ選択も正解だったと思う。ペナルティを受けたのは残念だったが、結果として次のレースで燃料リストリクターを着けずに済むため、大きなポイントを狙えればとポジティブに捉えている。ホームの富士で勝てなかったことで、ドライバー、チーム、LEXUS Racing全体で頑張らなくてはならないと強く感じた」
PETRONAS TOM'S RC F 36号車 ドライバー ジェームス・ロシター:
「クルマの仕上がりもとても良く、常に速かったが、期待に応えることが出来なかった。再スタートでミスし、チャンスを逃してしまった。その分、(中嶋)一貴が挽回してくれた。良い戦いが出来ていただけに、申し訳なく思っている。次の鈴鹿では、絶対表彰台に上がりたい」
SUPER GT 2014年 第5戦 富士 決勝レース結果:GT500
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | ベストラップ | 所要時間/差 | タイヤ | ウエイト |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 18 | ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 山本 尚貴 F.マコヴィッキィ | 66 | 1'41.542 | 2:56'20.543 | MI | 28 |
2 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 66 | 1'41.748 | 2.129 | MI | 54 |
3 | 32 | Epson NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 中嶋 大祐 ベルトラン・バゲット | 66 | 1'41.173 | 3.570 | DL | 2 |
4 | 17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 塚越 広大 金石 年弘 | 66 | 1'42.287 | 5.106 | BS | 32 |
5 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F LEXUS RC F / RI4AG | 中嶋 一貴 ジェームス・ロシター | 66 | 1'41.577 | 5.775 | BS | 32 |
6 | 46 | S Road MOLA GT-R NISSAN GT-R / NR20A | 本山 哲 柳田 真孝 | 66 | 1'41.927 | 6.804 | MI | 40 |
7 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 小暮 卓史 武藤 英紀 | 66 | 1'41.581 | 8.081 | BS | 14 |
8 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / NR20A | 安田 裕信 J.P.デ・オリベイラ | 66 | 1'42.208 | 11.510 | BS | 88 |
9 | 37 | KeePer TOM'S RC F LEXUS RC F / RI4AG | 伊藤 大輔 アンドレア・カルダレッリ | 66 | 1'42.019 | 13.663 | BS | 98 |
10 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | V.リウッツィ 松浦 孝亮 | 66 | 1'42.163 | 16.878 | BS | 6 |
11 | 19 | WedsSport ADVAN RC F LEXUS RC F / RI4AG | 脇阪 寿一 関口 雄飛 | 65 | 1'44.537 | 1Lap | YH | 14 |
12 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F LEXUS RC F / RI4AG | 石浦 宏明 オリバー・ジャービス | 65 | 1'42.290 | 1Lap | BS | 36 |
13 | 6 | ENEOS SUSTINA RC F LEXUS RC F / RI4AG | 大嶋 和也 国本 雄資 | 65 | 1'42.304 | 1Lap | BS | 68 |
14 | 1 | ZENT CERUMO RC F LEXUS RC F / RI4AG | 立川 祐路 平手 晃平 | 65 | 1'39.125 | 1Lap | BS | 70 |
15 | 24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / NR20A | ミハエル・クルム 佐々木 大樹 | 65 | 1'39.371 | 1Lap | YH | 18 |