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SUPER GT 2014年 第6戦 鈴鹿1000km
プレビュー

PETRONAS TOM'S RC F 36号車とKeePer TOM'S RC F 37号車

シリーズ最長の夏の耐久戦「鈴鹿1000km」
LEXUS RC Fは新規定最初の1000kmレース制覇を目指す

DENSO KOBELCO SARD RC F 39号車(石浦宏明/オリバー・ジャービス)  8月30日(土)、31日(日)の両日、三重県北部、鈴鹿市に位置する鈴鹿サーキットで、SUPER GT第6戦「43rd International SUZUKA 1000km」が開催される。
 伝統のレース「鈴鹿1000km」。夏の一大レースとして、50年近い歴史を持つ。現在シリーズの1戦として行われているSUPER GTではもちろん最長、これに次ぐ長さの第2戦富士の500kmの倍、通常のレースの約3倍という長丁場で行われる。
 今季は例年よりも2週間程開催が遅く、夏休みを締めくくる時期のレースとなる。暦の上では秋に入るとは言え、まだまだ暑さの残る中でのレースが予想される。特に、今シーズンは真夏の3連戦のうち、第4戦SUGO、第5戦富士共に天候に恵まれず、猛烈な暑さの中でのレースにはならなかった。それだけに、今大会が暑さの中でのレースとなれば、新規定シャシー&エンジンでの初の猛暑での戦い、それが1000kmにわたって繰り広げられることとなる。
 通常の倍から3倍という長さは、車両やエンジン、ブレーキ、そしてドライバーにも大きな負担を強いる。長いレースだけに、真夏ならではの天候の急変なども考えられる上に、ピット回数も多くなるため、ピットクルーや戦略など、チーム全体の力がいつも以上に重要なレースになる。
 また、シーズン全体を考えても、フルウェイトハンデでの最後の戦いとなるだけでなく、通常のポイントに加え、ボーナスポイントが加算されるため、チャンピオンシップ争いにとっても山場となる一戦だ。

チャレンジングでドライバーにも人気の高い国際サーキット

鈴鹿サーキット コースマップ  開幕戦が開催される鈴鹿サーキットは言わずと知れた日本を代表する国際サーキットの一つ。F1日本グランプリや二輪の8時間耐久レースの開催など、長い伝統を持ち、世界的にも有名なサーキットだ。
 シリーズでの鈴鹿戦は、2010年まで年2回行われていたが、2011年より夏の長距離戦のみの開催。伝統のコースで、数多くの名勝負が繰り広げられてきた。
 世界的に見ても珍しい、立体交差を持ち8の字状に周回するコースは、前半がS字コーナーなどのテクニカルセクション、後半はバックストレートから超高速コーナーの130Rへと続くハイスピードセクションとを併せ持つ、チャレンジングなレイアウトでドライバーの人気も高い。1周5.807kmは、日本のサーキットでは最長。

市街地に近く、アクセスは良好。遊園地も併設

 国内のサーキットでは珍しく、比較的市街地の近くに位置し、自家用車でも、公共交通機関でもアクセスは容易。特に公共交通機関では、近鉄名古屋線の白子駅から路線バスが出ている他、伊勢鉄道ではその名も鈴鹿サーキット稲生駅があり、徒歩でもアクセス可能だ。
 自家用車でのアクセスも東名阪自動車道鈴鹿IC、伊勢湾岸自動車道みえ川越IC、東名阪自動車道の亀山ICなどが利用できる。サーキットのHPでは推奨ルートや駐車場マップ、渋滞マップが用意されている他、モバイル駐車場情報も配信されているので、上手く利用したい。
 また、サーキット内に遊園地「モートピア」や温泉などのレジャーランドが併設されているのも特筆すべき点だ。ランドマークでもある観覧車からはサーキットが一望できる他、モータースポーツファンにはたまらない施設も。子供も一緒に楽しめる乗り物のアトラクションが数多く用意されている。

最大値となるウェイトハンデ、読めない天候、
何が起こるか分からないロングレースを制するのは?

2013年の鈴鹿1000kmで3位表彰台を獲得した中嶋一貴/ジェームス・ロシター  昨年の鈴鹿1000kmでは、前半戦でセーフティカーが導入され、順位が大きく入れ替わる波乱のレースとなったが、終盤追い上げを見せた中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のLEXUS SC430が3位表彰台を獲得した。
 LEXUS勢としては、鈴鹿戦では2009年以来勝利がないが、この最後の勝利は大嶋和也と石浦宏明のコンビによるもの。2012年には国本雄資とアンドレア・カルダレッリが2位表彰台を獲得。どちらも、今季はチーム/コンビこそ違えど、そのイキの良い走りは好成績を期待させるに充分だ。
 もちろん、ドライバーだけが勝利の要因ではない。ウェイトハンデは次戦で半減されるため、今大会は最大値を搭載してのレースとなる。ランキング首位につける伊藤大輔/カルダレッリ組のKeePer TOM'S RC F 37号車のウェイトハンデは、ついに上限の100kgに達した。他の車両もそれなりのウェイトを搭載することとなり、その影響がどのように出てくるか。加えて新型車両での鈴鹿の初レースという点、1000kmの長丁場と、長時間にわたることでの天候の変化など、予測不能な要素が多く、何が起こるか全く分からないレースと言って良いだろう。
 夏の鈴鹿戦は長距離のため、3人目のドライバーの追加が可能となっているが、GT500クラスは全車両レギュラーの2人のみエントリー。GT300クラスでは、OGT Panasonic PRIUS 31号車に、3年連続となる中山雄一が加わる。今季よりスーパーフォーミュラにデビューし、経験を積んでいる中山の走りにも注目だ。