SUPER GT 2014年 第6戦 鈴鹿1000km
決勝
中嶋一貴/ジェームス・ロシター組LEXUS RC Fがポール・トゥ・ウィン!
8月30日(土)、31日(日)にかけて鈴鹿サーキットでSUPER GT第6戦「鈴鹿1000km」が開催。長い1000kmのレースを、中嶋一貴/ジェームス・ロシター組のPETRONAS TOM'S RC F 36号車がポール・トゥ・ウィンで制し、今季初勝利を挙げた。
31日(日)は、午前中こそやや雲があったものの、スタート直前の昼頃には雲の間から日差しが顔を出し、SUPER GT真夏の3連戦は、最後となる鈴鹿戦でようやく夏らしい気候の下でのレースが行われることとなった。
午後12時15分、今大会、シリーズ初の試みとして、交通安全啓発のため三重県警の協力の下、白バイとパトカーがレーシングカーを先導してのパレードラップを1周行った後、通常通りのフォーメーションラップを実施。気温27度、路面温度31度というコンディションで長い1000km(173周)の決勝レースがスタートした。
今大会は燃料給油、ピットなどの戦略も重要。173周を6スティントに分け、約29周ごとでのピットインか、燃料消費を抑え、約35周ずつ、5スティントで走行するという2つのピット戦略に分かれた。6スティント(5回ピットイン)作戦は、燃料消費を気にすることなく常に全開で走ることが出来るが、レーストータルでは1回ピットが多くなる分、ピットでのロスタイムが長くなる。5スティント(4回ピットイン)作戦は、1回分のピットイン時間を節約出来るが、燃費を考慮した走りを余儀なくされるため、ラップタイムは遅くなる。
ポールポジションの36号車はロシターがスタートを担当。順当に首位を守ってスタートを切ったが、周回を重ね、周回遅れが現れてくると、追い上げるKEIHIN NSX CONCEPT-GT 17号車とのバトルが激化。10周目に周回遅れのGT300車両をかわそうとした隙を突かれ、首位を奪われてしまった。
一方で、12番手スタートのWedsSport ADVAN RC F 19号車は12周目にタイヤバースト、9番手スタートのZENT CERUMO RC F 1号車も21周目に周回遅れとの接触し車両前部にダメージを負うなど、波乱の幕開けに。
大きく離されることなく首位を追った36号車は、29周目にピットインし、中嶋一貴へと交代。11番手スタートから序盤の25周で6位まで順位を上げたDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車もピットへ向かい、共に6スティント作戦を採った。残るLEXUS RC F勢は35周目前後までピットを引っ張り、5スティント作戦に。
36号車は、5スティント作戦の車両が全車最初のピットを終え、首位でコースに復帰した17号車をアウトラップでパス。首位を奪還すると、その後は10秒以上の大差をつけ、独走態勢に入った。
首位の36号車はピットタイミングの違いにより、2回目のピットを終えた58周目には6位まで後退するも、5スティント作戦の車両がピットに向かった70周目に首位に復帰し、2位との差は約30秒に。
気温は30度、路面温度も40度を超える暑さとなる中、接触やコースオフ、トラブルなどで脱落する車両が続出。36号車と首位を争っていた17号車は、36号車が3回目のピットに向かった直後の88周目に高速130Rでコースオフし、クラッシュ。36号車と首位を争う相手は、MOTUL AUTECH GT-R 23号車のみとなった。また、ライバル勢の脱落もあり、39号車は3位へと浮上した。
36号車は、ライバルよりも1回多く必要なピット作業時間を稼ぐべく、ハイペースで周回。116周目、4回目のピットインを行った36号車は、共に残りピット回数が1回ずつとなる23号車の直前でピットアウト。中嶋一貴から交代したロシ
ターは、装着したばかりで温まっていないタイヤながら、23号車の猛追をかろうじて防ぎきり、首位をキープ。タイヤが温まってからは再びペースを上げ、2位を引き離していった。
145周を終了した時点で、36号車は最後のピットイン。中嶋一貴はドライバー交代の準備はしていたが、好調にハイペースなラップタイムを刻んでいるロシターが、交代せずそのまま最後まで走りきることに。2位の23号車にに40秒差をつけ、首位のままコースに復帰した。
147周目、3位を走行していた39号車が最後のピット作業を終え、表彰台へ向け、最後のスティントへ石浦宏明のドライブでコースへ復帰。しかし、デグナーカーブ通過時に、左リアタイヤがまさかの脱落。39号車はそのままコース脇に車両を止め、残り1時間での痛恨のリタイアとなってしまった。
首位を行く36号車のロシターは、暗くなっていくコースでも、後続との差をキープしたまま着実に周回。スタートからフィニッシュまで手綱を緩めることなく、中嶋一貴とロシターが全開で走り続けた36号車は、2位に50秒近い大差をつ
け、トップでチェッカー。今季初、昨年の第7戦以来となる勝利を飾った。
ENEOS SUSTINA RC F 6号車が5位、KeePer TOM'S RC F 37号車が7位、1号車が8位に入り、貴重なポイントを獲得した。
PETRONAS TOM'S RC F 36号車 ドライバー 中嶋一貴:
「長いレースということもあり、昨日予選が終わった時点では、またこの会見場に戻って来られるとは思っていなかったが、結果としてこうして優勝者の記者会見に出席出来て良かった。予選でのポールポジション獲得も驚きだったが、今日
の優勝も正直なところ予想以上の結果だ。ペースもとても良かったし、要所要所でジェームス(ロシター)が良い仕事をしてくれたおかげで、二人で力を合わせて優勝出来た。LEXUS RC F勢が苦労する中でこういう結果を出すことが出来たので、これを弾みに残り2戦も頑張りたい」
PETRONAS TOM'S RC F 36号車 ドライバー ジェームス・ロシター:
「最高の気分だ。最初のスティントでは少しトラフィックに引っかかったが、首位に立ってからはずっと全開でギャップを築くことが出来た。クルマの状態は最後まで完璧だった。努力を続けてくれたチームや関係者の皆さんに感謝したい」
SUPER GT 2014年 第6戦 鈴鹿1000km 決勝レース結果:GT500
順位 | No. | 車名 | ドライバー | 周回 | ベストラップ | 所要時間/差 | タイヤ | ウエイト |
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1 | 36 | PETRONAS TOM'S RC F LEXUS RC F / RI4AG | 中嶋 一貴 ジェームス・ロシター | 173 | 1'51.732 | 5:37'27.911 | BS | 44 |
2 | 23 | MOTUL AUTECH GT-R NISSAN GT-R / NR20A | 松田 次生 ロニー・クインタレッリ | 173 | 1'52.374 | 50.549 | MI | 84 |
3 | 18 | ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 山本 尚貴 F.マコヴィッキィ | 172 | 1'52.750 | 1Lap | MI | 68 |
4 | 8 | ARTA NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | V.リウッツィ 松浦 孝亮 | 172 | 1'52.465 | 1Lap | BS | 8 |
5 | 6 | ENEOS SUSTINA RC F LEXUS RC F / RI4AG | 大嶋 和也 国本 雄資 | 171 | 1'54.210 | 2Laps | BS | 68 |
6 | 100 | RAYBRIG NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 小暮 卓史 武藤 英紀 | 171 | 1'52.752 | 2Laps | BS | 22 |
7 | 37 | KeePer TOM'S RC F LEXUS RC F / RI4AG | 伊藤 大輔 アンドレア・カルダレッリ | 171 | 1'54.498 | 2Laps | BS | 100 |
8 | 1 | ZENT CERUMO RC F LEXUS RC F / RI4AG | 立川 祐路 平手 晃平 | 170 | 1'53.982 | 3Laps | BS | 70 |
9 | 24 | D'station ADVAN GT-R NISSAN GT-R / NR20A | ミハエル・クルム 佐々木 大樹 | 168 | 1'52.933 | 5Laps | YH | 18 |
10 | 12 | カルソニックIMPUL GT-R NISSAN GT-R / NR20A | 安田 裕信 J.P.デ・オリベイラ | 165 | 1'52.617 | 8Laps | BS | 94 |
11 | 39 | DENSO KOBELCO SARD RC F LEXUS RC F / RI4AG | 石浦 宏明 オリバー・ジャービス | 146 | 1'52.688 | 27Laps | BS | 36 |
12 | 32 | Epson NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 中嶋 大祐 ベルトラン・バゲット | 126 | 1'53.432 | 47Laps | DL | 24 |
19 | WedsSport ADVAN RC F LEXUS RC F / RI4AG | 脇阪 寿一 関口 雄飛 | 100 | 1'53.121 | 73Laps | YH | 14 | |
17 | KEIHIN NSX CONCEPT-GT Honda NSX CONCEPT-GT / HR-414E | 塚越 広大 金石 年弘 | 88 | 1'51.752 | 85Laps | BS | 48 | |
46 | S Road MOLA GT-R NISSAN GT-R / NR20A | 本山 哲 柳田 真孝 | 14 | 1'52.568 | 159Laps | MI | 50 |