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SUPER GT 2014年 第8戦(最終戦)もてぎ
プレビュー

2連勝で最終戦に挑むPETRONAS TOM'S RC F 36号車

「新生」SUPER GTのシーズン最終戦
LEXUS RacingはデビューイヤーのRC Fで2年連続のタイトルを狙う

ランキング2位のKeePer TOM'S RC F 37号車  11月15日(土)〜16日(日)の両日、栃木県芳賀郡茂木町のツインリンクもてぎでSUPER GTの第8戦(最終戦)「MOTEGI GT 250km RACE」が開催される。
 3メーカー全車が全く新しい車体に、新型のエンジンを搭載して戦われることとなった2014年シーズンのSUPER GTも最終戦を迎えた。注目のタイトル争いは、LEXUS Racingの2台を含めた、5台が可能性を残して最後の戦いに望む。
 今大会は全車ウェイトハンデ無しの真っ向勝負。SUPER GTでは短い250kmで争われ、比較的追い抜きの難しいもてぎということもあり、予選から熱いバトルとなるだろう。
 「新生」SUPER GT初年度のチャンピオン獲得を目指し、紅葉に囲まれたもてぎで、熱い戦いが繰り広げられることは間違いない。

珍しいオーバル併設のテクニカルコース

ツインリンクもてぎ コース図  1997年オープンと比較的新しい施設であるツインリンクもてぎは、1.5マイル(約2.4km)のオーバルコースと4.801kmのロードコースが併設された、世界でも珍しいサーキット。メインストレートはオーバルのストレートと並行し、コース途中2回にわたってトンネルでオーバルコースの下をくぐる。
 ロードコースではSUPER GTやスーパーフォーミュラといった4輪のトップカテゴリーレースの他、二輪の世界選手権日本グランプリも開催されている。比較的タイトなコーナーやヘアピンでストレートが結ばれた、ストップ&ゴーが繰り返されるタイプのサーキットなため、ブレーキやタイヤ、ドライバーへの負担も大きい。
 観戦ポイントは数多く、後半セクションはコースの比較的近くで観戦できる他、オーバルコース脇は高さがあり、コースの広い範囲を見渡すことも出来るなど、バリエーションに飛んでいる。

施設、周辺観光や宿泊も充実

 栃木県と茨城県の県境に近い山中に位置するため、基本的には自動車でのアクセスとなるが、週末のみJR東北新幹線の宇都宮駅、JR常磐線の水戸駅の両方からサーキット行きの路線バスが出ている。但し本数が限られているので注意。また、最寄り駅である真岡鐵道の茂木駅からタクシーなら15分ほど。
 自家用車では常磐道の水戸から30km、東北道の宇都宮から40km程となっており、定番のアクセスルートだったが、近年は北関東道の開通や、水戸北スマートICからのアクセス(ETCが必要)など、更に便利になっている。但しサーキット周辺の渋滞は考慮したい。
 ツインリンクもてぎ内には、子供向けの様々なアトラクションが用意されており、家族連れでも楽しめる。特に、昨年オープンしたメガジップラインつばさは、森からサーキットへとダイナミックな空中散歩が体験できるアトラクション。モータースポーツファンには、ホンダコレクションホールも見逃せない。
 宿泊は、サーキット内にホテルがある他、キャンプも可能。近隣茂木町内の宿泊施設や、水戸、宇都宮まで入れれば、宿泊に困ることはないだろう。
 近隣駅である茂木駅は第3セクターの真岡鐵道の駅。この路線はSL(蒸気機関車)の運行でも有名で、そちらを観光に組み込むのも良いだろう。

新規格車両での初代チャンピオンに輝くのは?

ポイントランキングで首位につけているジェームス・ロシターとチームメイトの中嶋一貴  最終戦を前に、ポイントランキングで首位につけているのは、前々戦鈴鹿1000km、前戦タイと終盤の2連勝で一気に浮上したPETRONAS TOM'S RC F 36号車のジェームス・ロシター(中嶋一貴は第2,第3戦欠場のため単独5位でタイトルの可能性は無し)。そしてこれを3ポイント差で追うのがチームメイトであるKeePer TOM'S RC F 37号車の伊藤大輔/アンドレア・カルダレッリ組。
 しかし、首位ロシターとは6ポイント、7ポイント差で日産勢の2台、14ポイント差でホンダ勢が追っており、優勝で20ポイント獲得可能なSUPER GTではこの5組が最終戦でタイトルを争うこととなる。
 開幕戦で勝利を挙げた37号車は、36号車とは逆に、第4戦でも2位表彰台を獲得するなど前半戦で大きくポイントを稼ぎ、後半戦はウェイトハンデと燃料リストリクター規制に苦しんだ。しかし、最終戦はノーハンデであり、本来の速さが復活するはずだ。
 トムスは前週閉幕したスーパーフォーミュラでもドライバーズとチームのダブルタイトルを獲得しており、SUPER GTも制すれば、国内モータースポーツのトップカテゴリー両制覇という最高の結果でチーム設立40周年を迎えた今年を締めくくることとなる。
 また、LEXUS Racingにとっても、昨年SC430のラストイヤーにタイトルを獲得し、今年、デビューイヤーのRC Fで2年連続、新規格車両の初代タイトルは絶対に欲しいところだ。
 タイトル争いからは脱落したものの、ランキングで少しでも上位を狙いたい他のチームも最終戦での好結果は狙ってくるはず。1勝を含む表彰台2回を獲得しながらも浮き沈みの激しいシーズンとなったディフェンディングチャンピオンのZENT CERUMO RC F 1号車、大嶋和也/国本雄資の若手コンビが昨年の最終戦もてぎで初優勝を飾ったENEOS SUSTINA RC F 6号車、そして、速さを見せながらも結果に繋がらず不満の残るシーズンとなったDENSO KOBELCO SARD RC F 39号車もその雪辱を果たすべく最終戦に賭けてくるだろう。