ニュルブルクリンクへの挑戦 2011
ニュルについて

2014.03.20 ニュルブルクリンクへの挑戦2011

世界一の草レース「ニュルブルクリンク24時間レース」

様々なタイプのマシンが24時間レースに挑む 一丸となって戦うチームスタッフに支えられてこそ、ドライバーもマシンも輝くことが出来る 自動車メーカーや部品メーカーは、24時間レースを“走る実験室”として参加の意義を見出している 『世界三大珍味』は、ご存じキャビア、フォアグラ、トリュフ。では『世界三大レース』とは? ………そう、F1モナコGP、インディ500、ル・マン24時間レース。 これらは世界的に知名度が高く、多くのファンが注目している。そして、この中で最も走行時間が長いのは? ル・マン24時間レースである。 現在、世界で開催されている24時間レースのビッグイベントは、ル・マン24時間レース(フランス)、スパ24時間レース(ベルギー)、 ニュルブルクリンク24時間レース(ドイツ)の3つ。
国内では、北海道の十勝で24時間レースが開催されているが、日本のモータースポーツ黎明期(1960年代後半)には、 富士スピードウェイでも24時間レースが開催され、67年の大会では、名車トヨタ2000GTが総合優勝を飾っている。 さて、24時間レースはレース前の準備やゴール後の片づけなどを入れると30時間は起き続けることになる。 体力的に非常に辛いレースである。ドライバーは交替して運転するので仮眠をとることも出来るが、近年は休憩中に栄養補給のために点滴を打ったり、 スポーツマッサージを受けたり、ドライバーのポテンシャルを最大限に引き出す工夫が取り入れられている。 24時間レースはマシンに高い性能と耐久性が求められるが、人間にとってもそれは同じ。まさに体力勝負の戦いなのである。
マシンにとってはさらに過酷とも言える。ドライバーとは違い、ピットに戻っての給油やタイヤ交換時以外は常にサーキットを走り続ける。 エンジン、トランスミッション、ブレーキ、タイヤ……その負担はすさまじい。 自動車メーカーや部品メーカーが開発の一環として24時間レースをとらえ、“走る実験室”として参加の意義を見出している所以である。

様々なタイプのマシンが24時間レースに挑む

一丸となって戦うチームスタッフに支えられてこそ、ドライバーもマシンも輝くことが出来る

自動車メーカーや部品メーカーは、24時間レースを“走る実験室”として参加の意義を見出している

開発車両の“聖地”

世界に名だたる数々のスポーツカーがそのポテンシャルを磨いてきた 山間部に位置するために起伏に富み、コース幅は狭い ドイツのニュルブルクリンク24時間レースは、全長20.8kmの北コース(=ノルドシュライフェ)が舞台。 ニュルブルクリンクといえば、自動車メーカーがスポーツモデルの開発車両などをテスト走行する“聖地”として知られ、 世界に名だたる数々のスポーツカーがそのポテンシャルを磨いてきた。近い将来デビューするトヨタの次世代スポーツカーも、 ここで最終段階のテストが実施されるに違いない。
山間部に位置するために起伏に富み、コース幅は狭く、路面には凸凹もあってお世辞にもコンディションが良いとは言えない。 さらに、先の見通せないブラインドコーナーが多く、ドライバーには卓越したテクニックはもちろんのこと強靭な精神力が要求される。 一周のラップタイムは市販車の場合9分~10分。これでも充分すぎるほど速いのだが、8分台に突入するとスポーツ性が高いマシンとして評価される。 レーシングカーでは6分台というレコードタイムが記録されている。その速さがどれほどのものか、想像するだけで身震いをおぼえる。昨今のエントリーは 200台を超え、DTM(ドイツツーリングカー選手権)顔負けのモンスターマシンやGTマシンといった本格的なレーシングカーを筆頭に、 レース参戦用に安全装備を取り付けただけというレベルのマシンが混在。それらを見ているだけでも楽しく、観客は20万人を数える。

世界に名だたる数々のスポーツカーがそのポテンシャルを磨いてきた

山間部に位置するために起伏に富み、コース幅は狭い

ニュルに根付く、過酷さと温かみ

コースサイドにはキャンピングカーが並ぶ 観客はキャンピングカーやワゴンでサーキットにやって来て、キャンプやバーベキューなど思い思いのスタイルで24時間を楽しむ ニュルブルクリンク24時間レースは“偉大なる草レース”と言われている。参戦条件が比較的緩く、 国際ライセンスとルールに沿ったマシン、情熱があれば、基本的には誰にでも参戦するチャンスが与えられる。 トップランナーのレベルは高いが、各国のトップドライバーと一緒にアマチュアも奮闘することができるのもニュルブルクリンク24時間レースの魅力。
観客はキャンピングカーやワゴンでサーキットにやって来て、キャンプやバーベキューなど思い思いのスタイルで24時間を楽しむ。 コースサイドでレースの運営を支えるオフィシャルスタッフが親子2代にわたって活躍するなど、それぞれが愛着を持って24時間レースに参加する。 あるドライバーは「焼き肉の香りがするコーナーで眠気が覚めた」、「毎年、同じコーナーで同じファミリーが振ってくれる国旗が励み」と語る。 ファンがドライバーを支え、ドライバーがファンにこたえ、地元のオフィシャルがレースを盛り立てる、好循環の地域密着型イベントである。
「箱根駅伝」や「東京マラソン」のレース版と言っても過言ではない、人の心を打つ過酷さと温かみがそこにある。

コースサイドにはキャンピングカーが並ぶ

観客はキャンピングカーやワゴンでサーキットにやって来て、キャンプやバーベキューなど思い思いのスタイルで24時間を楽しむ

最大高低差297.3m!他に類をみない過酷極まる魔のコース"

 

出典:『グランツーリスモ4ザ・バイブル(宝島社刊)』」
『グランツーリスモ4』:TM&(C)2004 Sony Computer Entertainment Inc. All rights reserved.
『グランツーリスモ』リシーズ公式webサイト「グランツーリスモ・ドットコム

モータースポーツを語るには違和感のある人も多いであろう、かのアドルフ・ヒトラーの命により1927年にドイツ北西の山間部に建設されたのがニュルブルクリンクである。一般にはF1の開催されるGPコースとしてお馴染みな南コースをイメージさせるが、本来は現在の北コースと呼ばれるロングコースがその正体だ。北コースはレーシングサーキットであると同時にその過酷極まるコース条件から、一般市販車、特にハイパワースポーツカーを開発するために世界中のメーカーがテストの場としてしのぎを削っている。

山間部の地形が上手に活用され、20kmを超す全長のトラックは、高低差が標高で300mもあり、最大で17%の勾配はマシンとドライバーの力量が常に試される場所である。170を超えるコーナーが待ち受け、それらは日本のサーキットでは考えられないバリエーションに富んでいる。その殆どはカーブの先が見えないブラインドコーナーで、高速走行では車体がジャンプしてしまうポイントもある。更にはコース幅も狭い為に、前走車を抜くにも高度な技術を要求されるので、その一瞬の判断が一周のタイムに大きく影響を与えてしまう。その厳しさは運転者の技術と度胸がなくては挑む事すら阻まれる程と言えるのだ。