'14 - '15

LFA, an evolved vehicle through Nürburgring.
- LFAを鍛えたのはニュルブルクリンクだった -

2015.03.30 ニュルブルクリンクへの挑戦2015

2014年 seventh history LFAの「集大成」と、LFA Code Xによる「挑戦」

Nürburgring2014

量産モデルにこだわりながらも、毎年の進化・改良によって、そのパフォーマンスはFIA-GT3マシンに近いレベルに到達したLFA。しかし、昨年のマシンは速さがあったが乗りやすさへの課題が残されていた。そこで 2014年は“速さ”と“乗りやすさ”のバランスの適正化を目標に開発を行った。ドライバーは「速さは大きくレベルアップ、でも乗りやすさはクラス優勝した2012年のバランスに近い」と太鼓判を押す。まさにLFAの集大成と言っていいモデルだ。昨年に引き続きモリゾウ選手もドライバーとして参戦を行なった。

Nürburgring2014

また、今年は新たな挑戦もスタートした。SP-PROクラスにエントリーしたLFA Code Xは、将来の“スポーツカー開発のための実験車両”と位置づけられたモデルである。外観はLFAの形をしているが、中身はフルカーボンフレーム、プッシュロッド式のサスペンション、5.3Lに変更されたV10エンジン、ツインクラッチ式トランスミッションなどを採用。LFAがそうだったように、次世代の技術開発のための挑戦だ。LFAの開発ではできなかったこと、現在トヨタ/レクサスのエンジニアが持っている技術を投入することで、どこまでのことができるかに挑戦したモデルである。ドライバーは「ポテンシャルはあるが、その実力は未知数。これから鍛え育てていくマシン」と語る。

Nürburgring2014 予選はLFAがトップ30予選に出場、昨年の予選タイムを4秒近く上回るタイムで総合27位(SP8クラス1位)を獲得。LFA Code Xも初挑戦ながらも総合31位(SP-PROクラス2位)からのスタートとなった。決勝はスタートから荒れた展開でクラッシュが続出したが、LFA、LFA Code Xは安定したラップ順調に周回を重ねた。最終スティントも何事もなく走り切り無事にチェッカーを迎え、LFAは総合13位でSP8クラス優勝、LFA Code Xは総合11位でSP-PROクラス優勝。SP3クラスにエントリーのトヨタ86も総合54位でSP3クラス優勝だったため、GAZOO Racingとしては初の3クラス制覇となった。

LFAは、2012年に記録した総合順位と最多周回数を更新。これは2008年より継続してきた様々な進化や熟成の積み重ねによるものだろう。また、LFA Code Xは生まれたばかりのクルマでレース中に様々な課題も残したが、次を期待させる潜在能力も確認できた。

LEXUS LFA Code 53号車 総合11位 / SP-PROクラス優勝(151周) / LEXUS LFA 48号車 総合13位 SP8クラス優勝(148周)

2015年 eighth history LFA Code XとRCで「新たな味づくり」に挑戦

Nürburgring2015

GAZOO Racingは今年もニュル24時間耐久レースに挑戦を行なう。2015年はLF-Aとして参戦した2008年から続けてきたLFAの参戦に一区切りを付け、昨年デビューした「LFA Code X」に加えて、新たなニューマシン「RC」による参戦をスタートさせた。GAZOO Racingのニュル24時間耐久レースの原点である「もっといいクルマを作ろう」のキーワードの一つ、「世界一過酷なコースでクルマを鍛え上げる」という考えがより色濃くなったと言える。かつてLFAがそうだったように、この2台も将来の新車開発のための参戦なのだ。

Nürburgring2015

LFA Code Xは、昨年新しいボディ/サスペンション/パワートレインというパッケージで挑戦し結果は残したものの、そのポテンシャルの全てを引き出していたかと言うとそうではなかった。そこで良い所も悪い所も含めトヨタ/レクサスの知見としてフィードバック、昨年のモデルをベースしながらもボディも含めて大きくアップデートしている。今年もSP-PROクラスへの参戦となるが、昨年ステアリングを握った飯田章選手は「LFAよりも潜在能力は高く総合優勝を狙えるFIA-GT3マシンよりもポテンシャルはあると思っています」と語る。

Nürburgring2015

またRCも、量産モデルの技術向上のため、LFA Code Xと同じように、実験車両として市販モデルとは異なるエンジンやメカニズムを搭載し、WRX STIやアウディTTと同じSP3Tクラス(2.0~2.5Lのターボ車)にエントリーした。すでに車両は日本のサーキットでのテストを経てニュルブルクリンクへ到着。ニュルブルクリンクを占有してのテストも行なっている。その後3/28に行なわれるニュルブルクリンク耐久シリーズである「VLN1」と4/25に行なわれる「VLN2」に参戦し、車両の調整とクルーのスキルアップを行ない、5/16-17のニュル24時間耐久レースに臨むことになる。