量産モデルにこだわりながらも、毎年の進化・改良によって、そのパフォーマンスはFIA-GT3マシンに近いレベルに到達したLFA。しかし、昨年のマシンは速さがあったが乗りやすさへの課題が残されていた。そこで 2014年は“速さ”と“乗りやすさ”のバランスの適正化を目標に開発を行った。ドライバーは「速さは大きくレベルアップ、でも乗りやすさはクラス優勝した2012年のバランスに近い」と太鼓判を押す。まさにLFAの集大成と言っていいモデルだ。昨年に引き続きモリゾウ選手もドライバーとして参戦を行なった。
また、今年は新たな挑戦もスタートした。SP-PROクラスにエントリーしたLFA Code Xは、将来の“スポーツカー開発のための実験車両”と位置づけられたモデルである。外観はLFAの形をしているが、中身はフルカーボンフレーム、プッシュロッド式のサスペンション、5.3Lに変更されたV10エンジン、ツインクラッチ式トランスミッションなどを採用。LFAがそうだったように、次世代の技術開発のための挑戦だ。LFAの開発ではできなかったこと、現在トヨタ/レクサスのエンジニアが持っている技術を投入することで、どこまでのことができるかに挑戦したモデルである。ドライバーは「ポテンシャルはあるが、その実力は未知数。これから鍛え育てていくマシン」と語る。
予選はLFAがトップ30予選に出場、昨年の予選タイムを4秒近く上回るタイムで総合27位(SP8クラス1位)を獲得。LFA Code Xも初挑戦ながらも総合31位(SP-PROクラス2位)からのスタートとなった。決勝はスタートから荒れた展開でクラッシュが続出したが、LFA、LFA Code Xは安定したラップ順調に周回を重ねた。最終スティントも何事もなく走り切り無事にチェッカーを迎え、LFAは総合13位でSP8クラス優勝、LFA Code Xは総合11位でSP-PROクラス優勝。SP3クラスにエントリーのトヨタ86も総合54位でSP3クラス優勝だったため、GAZOO Racingとしては初の3クラス制覇となった。
LFAは、2012年に記録した総合順位と最多周回数を更新。これは2008年より継続してきた様々な進化や熟成の積み重ねによるものだろう。また、LFA Code Xは生まれたばかりのクルマでレース中に様々な課題も残したが、次を期待させる潜在能力も確認できた。