スーパー耐久2013

雪が覆い尽くした各マシンの実力 決戦は第2戦以降に持ち越される スーパー耐久シリーズ2013 第1戦 2013年4月20日(土)・21日(日) スポーツランドSUGO

「スーパー耐久シリーズ2013第1戦 SUGOスーパー耐久3時間レース」は、降雪のために中止となった。決勝日朝からちらついていた雪が次第に積もりはじめ、お昼前にはサーキット全体がスキー場のゲレンデのように真っ白という状況に。開催に向けた関係者の努力も実らず、あえなく断念となった。

前日の13時に始まった予選には、SUGOフルグリッドの45台が参加。GT3クラスは、81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R(青木孝行/星野一樹/尾本直史)が接戦の末、合算タイム2分41秒770をマークし、ポールポジションを獲得した。
ST-1クラスは9号車Faust Racing Team(堀主和ロバート/佐藤茂/山野直也)、
ST-2クラスは強豪20号車RSオガワADVANランサー(大橋正澄/阪口良平/岸純一郎)、
ST-3クラスは77号車B-MAX・日本梱包資材・Z33(DRAGON/関口雄飛)。
ST-4クラスは95号車リジカラS2000(松井猛敏/中島保典)、
ST-5クラスは36号車エンドレスアドバントラストヴィッツ(後藤比東至/井尻薫)
がそれぞれクラストップとなった。

開幕戦のトピックは、なんと言っても4台の86の参戦だろう。86号車GAZOO Racing TOYOTA86(影山正彦/井口卓人/蒲生尚弥)は昨年のテスト参戦を経験済み。それ以外の3台は今回がデビュー戦となった。86勢のトップは、52号車埼玉トヨペットGB with Revo(大井貴之/服部茂章、クラス4位)、続いて13号車ENDLESS DIJON ADVAN SAYAMA(Takamori博士/村田信博/下田亮次、同7位)。そして86号車(同8位)、18号車コスモソニック・FK・ings・FT86(浅野武夫/中島佑弥/岡野陽朋、同11位)となった。

参戦2年目の86号車GAZOO Racing TOYOTA 86は、前週にドイツのニュルブルクリンク耐久選手権(VLN2)を戦った、影山、井口、蒲生の3名体制。エンジントラブルに見舞われ、タイムは伸び悩むが、「悪天候が予想されるので、チームの総合力で結果を残していきたい」(影山正彦)とポジティブ。三塚監督も「井口、蒲生で引っ張り、最後は影山にまとめてもらう」と意気込みを語る。

この勝負の行方は大雪にかき消されてしまったが、86の参戦によりパドックは確実にホットになっているのは間違いない。次戦以降での手に汗握るバトルを期待したい。

「練習走行の調子を維持できず、予選で空回りしてしまった」(三塚監督)悔しさは、次戦で晴らす。
「練習走行の調子を維持できず、予選で空回りしてしまった」(三塚監督)悔しさは、次戦で晴らす。
長くインテグラでS耐を戦っている浅野自動車もマシンを86にスイッチ。18号車で予選を戦った。
長くインテグラでS耐を戦っている浅野自動車もマシンを86にスイッチ。18号車で予選を戦った。

TOPに戻る

プロとアマチュアドライバーがコラボ! 2台のアバルトに注目せよ

パドックでひと際注目を集めたのがST-4クラスにエントリーした2台のFIAT アバルトの参戦。どちらもアバルトを愛してやまない伊藤精朗オーナーが代表を務めるMUSEO CINQUECENTO RACING TEAM(ムゼオ チンクエチェント レーシングチーム)からのエントリー。49号車がADFSアバルト695アセットコルセ(福山英朗/檜井保孝/大文字賢浩)、50号車がアバルト500アセットコルセ(鈴木隆司/齋藤多聞/大島正行)という布陣。
実はこの2台、49号車がプロドライバー、50号車がアマチュアドライバーで編成されている。それもそのはず、チームはフィアットクライスラージャパンが安全運転技術の習得と、アバルトのポテンシャルを体感するために主催する「アバルトドライビングファンスクール」のサポートを受けており、50号車はチームが実施する「ジェントルマンドライバー支援プログラム」の実施車両。

公募により選ばれた3人のアマチュアドライバーが50号車でレースに参戦し、49号車のプロドライバーはそれをサポートしているのだ。このプログラム、アバルト本社がイタリアで行っているものを日本流にアレンジしたもの。監督兼49号車Aドライバーの福山英朗さんは、GT300シリーズチャンピオン、ルマン24時間レースでクラス優勝も経験した大ベテラン。「私たちはアマチュアドライバーがレースを楽しむお手伝いをしているのです。まずは走り切ることが目標です」とコメント。
また、50号車の最年長ドライバー、65歳を迎える鈴木隆司さんは「12年ぶりのレース参戦」に意欲を燃やす。ST-4クラスのトップタイムの向上により50号車は予選の基準タイムをクリアすることができなかったが、ピットはいつも明るく、楽しそうな雰囲気に包まれていた。

マシンはイタリアで走っているカップカーがベース。イタリアのモードを取り入れたカラーリングがオシャレ。
マシンはイタリアで走っているカップカーがベース。イタリアのモードを取り入れたカラーリングがオシャレ。
アマチュアドライバーはレースの距離に応じて、人数を増やすとのこと。もてぎと富士では4名になる予定だ。
アマチュアドライバーはレースの距離に応じて、人数を増やすとのこと。もてぎと富士では4名になる予定だ。

TOPに戻る

52号車埼玉トヨペットGB with Revoの86が台風の目に

ここSUGOには86号車 GAZOO Racing TOYOTA86(影山正彦/井口卓人/蒲生尚也)を含め、4台の86がエントリーしたのは既報の通り。そのポテンシャルに注目が集まったが、特に好調だったのがグリーンのカラーリングが眩しい52号車の埼玉トヨペットGB with Revo(大井貴之/服部茂章)。SUGOに持ち込むギリギリまで改良を続けたのが功を奏し、合算タイムで3分7秒432をマークし86勢のトップに。Aドライバーを務めた大井選手曰く「想像以上の速さ。イイ状態」というほどの仕上がり。

実はこのチーム、埼玉トヨペットとレーシングガレージ、レボリューションのコラボチーム。埼玉トヨペットがお客様に向けた新しい提案の一環として、今年1月に立ち上げたモータースポーツ室が運営母体になっており、86登場直後からナンバー付き車両でノウハウ蓄積を行ってきたレボリューションとジョイントしたのだ。

チームには普段ディーラーでサービスエンジニアとして活躍しているスタッフ5名がメカニックとして参加。事前に本社でタイヤ交換や給油などのレースに特化した訓練を積んでおり、そのパフォーマンスはドライバーも太鼓判を押すほど。メカニックの1人、埼玉トヨペット上尾支店サービス課に勤める梅木裕次郎さんは「普段の仕事とは違うレースの緊張感に刺激を受けています」と充実の様子。メカニックもドライバーや監督と同様にレースを楽しんでいる。

速いだけではなく、運転していても楽しい(大井選手)という52号車。クラス優勝への手ごたえをつかんでいた。
速いだけではなく、運転していても楽しい(大井選手)という52号車。クラス優勝への手ごたえをつかんでいた。
今回SUGOに来た5名を含めて、14名がメカニックに立候補したとのこと。各地で奮闘する姿が見られるだろう。
今回SUGOに来た5名を含めて、14名がメカニックに立候補したとのこと。各地で奮闘する姿が見られるだろう。

TOPに戻る

GAZOO Ladyの登場で、パドックは華やかに

ここSUGOで、GAZOO Racing SPIRITチームの2013年GAZOO Ladyがお披露目。ちぃーちゃんこと小嶋千尋さんとSAYAさんのお2人。この2名は週末を通じて、朝からGAZOO Racingブースやピットウオークで大忙し。86号車の3人のドライバーによるワクドキトークショーのアシスタントや、ピットウォークでのファンサービスはもちろんのこと、写真撮影のリクエストをこなしていく。そして、初の試みとなるUstreamを使ってのパドックからのライブ中継にもレポーターとして参加。GAZOO Ladyは今後、スーパー耐久シリーズ各戦のパドックに登場する予定なので、そのキュートなルックスだけではなく、マルチな才能ぶりにも注目してほしい。

また、決勝日にはSUGOの西コースでGAZOO Racingの「ワクドキ!サーキットを走ろう!」を開催。1回目となる今回は初心者にピッタリな「ちょっとサーキットを走ろう!」プログラムで、参加費用2000円(ドライバー。同乗者は1000円※1名のみ)でトヨタ86かレクサスIS(どちらもAT車)に30分乗れてしまうというとってもお得なプランなのだ。ゲートオープンとともに当日受付を開始したGAZOO Racingブースには、早朝から多くの人が訪れていたが、8:00からの初回コース開始の為にお客様が86やレクサスISに乗り込んだところで雪が一段とひどくなり、残念ながら当日のプログラムは中止が決定。

GAZOO Racingでは、5月22日、23日にも菅生で「ワクドキ!サーキットを走ろう!」の別プログラムを開催予定。
詳細はこちら:http://toyotagazooracing.com/archive/gr/event/wakudoki/index.html#schedule

2013年GAZOO Ladyがお披露目。左が小島千尋さん、右がSAYAさんだ。
2013年GAZOO Ladyがお披露目。左が小島千尋さん、右がSAYAさんだ。
GAZOO Racingブースでは今年7月から7戦の開催が予定されている「GAZOO Racing 86/BRZ Race」の参戦マシンも展示された。
GAZOO Racingブースでは今年7月から7戦の開催が予定されている「GAZOO Racing 86/BRZ Race」の参戦マシンも展示された。

TOPに戻る

次回の予定

次回(第2戦)は5月25日(土)~26日(日)に行われる韓国ラウンド(Inje Autopia)。国内での開催は、7月20日(土)~21日(日)にツインリンクもてぎで開催される第3戦の5時間耐久レースまで待たなければならないが、決勝レースでの各チームの実力を初めて計る、重要な1戦になるのは間違いない。

予選総合トップタイムの81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R(青木孝行/星野一樹/尾本直史)を誰が追いかけるか!第2戦も混戦は必至!
予選総合トップタイムの81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R(青木孝行/星野一樹/尾本直史)を誰が追いかけるか!第2戦も混戦は必至!

TOPに戻る

予選結果

予選総合

順位 Car No. 車両 ドライバー
1位 81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R 青木孝行/星野一樹/尾本直史
2位 24 スリーボンド日産自動車大学校GT-R 藤井誠暢/千代勝正/GAMISAN
3位 28 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3 片岡龍也/Jono Lester/Fariqe Hairuman

予選クラス別

クラス Car No. 車両 ドライバー
GT3 81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R 青木孝行/星野一樹/尾本直史
ST-1 9 Faust Racing Team 堀主和ロバート/佐藤茂/山野直也
ST-2 20 RSオガワADVANランサー 大橋正澄/阪口良平/岸純一郎
ST-3 77 B-MAX・日本梱包資材・Z33 DRAGON/関口雄飛
ST-4 95 リジカラS2000 松井猛敏/中島保典
ST-5 36 エンドレスアドバントラストヴィッツ 後藤比東至/井尻薫

GAZOO Racing SPIRIT

総合 28位 GAZOO Racing TOYOTA86 影山正彦/井口卓人/蒲生尚弥
ST-4 8位

ページトップへ