スーパー耐久2013

シリーズ最長、酷暑の7時間耐久!霊峰富士のふもとで行われた夏祭りレースに、18,200人のクルマ好きの笑顔があふれた!スーパー耐久シリーズ2013 第4戦 、富士スーパー耐久7時間レース 2013年8月10日(土)・11日(日) 富士スピードウェイ

前戦もてぎから3週間。戦いの舞台は名うての高速コース、富士スピードウェイに移った。酷暑の真夏に行われるシリーズ最長の7時間レースに合わせて参戦を決めた87号車GAZOO Racing 86を含め、8台がスポットでエントリー。合計53台のマシンで決勝レースが行われた。

序盤はポールポジションからスタートした81号車GTNET ADVAN NISSAN GT-R(星野一樹/青木孝行/尾本直史)が幻のポールとなった開幕戦(菅生大会は大雪のため決勝レースが中止された)のうっぷんを晴らすかのような快走を見せる。2番手は24号車スリーボンド日産自動車大学校GT-R(GAMISAN/佐々木大樹/千代勝正/藤井誠暢)とGT-R勢のワン・ツーだが、すぐ後方には前戦のウィナー、1号車PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3(Dominic Ang/谷口信輝/Melvin Moh)が虎視眈々と前を狙う。

レースが動いたのは21周目。アクシデントによりセーフティカー(SC)が導入され、SCによる先導走行が3周ほど続く。81号車GT-Rを筆頭に、続々とピットインするマシンたち。順位がめまぐるしく入れ替わる。

各車1回目のピットインを終えた頃には81号車GT-Rが再びトップの座に。その後方では28号車と1号車のSLS AMG勢がまたも浮上するが、28号車はペナルティで後退。

レース中盤を過ぎたあたりで、トップ争いは81号車GT-Rと1号車SLS AMGに絞られた。途中、天候の急変もあったが、この2台は相変わらずのマッチレースを展開。81号車は最後のドライバー交代を終えて2位に下がるが、アンカーを務める星野一樹がここから猛烈な追い上げを見せ、1号車SLS AMGとの差を急激に詰めていく。しかし終盤残りわずか15分、左リアから煙を上げスローダウンし、万事休す。

7時間の苛酷なレースのトップチェッカーを受けたのは、前年チャンピオン1号車SLS AMG。もてぎ大会に続き2連勝を飾った。

ST-2のウィナーは59号車STURM・MOTUL.EDインプレッサ(大澤学/吉田寿博/松田晃司)、ST-3のウィナーは80号車PETORONAS TWS GS350(佐藤晋也/吉本大樹/脇阪薫一)で、どちらももてぎ2連勝となった。

セーフティカーや雨が演出したレース。雨が激しく降り出しても、来場者は帰らず、レースを見守った。
セーフティカーや雨が演出したレース。雨が激しく降り出しても、来場者は帰らず、レースを見守った。
総合力の1号車SLS AMGに対し、速さを誇る81号車GT-R。次戦以降も熾烈なバトルが続くか?
総合力の1号車SLS AMGに対し、速さを誇る81号車GT-R。次戦以降も熾烈なバトルが続くか?

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今後に期待を持たせる86号車のトップ快走! 87号車はいぶし銀の走り

17台がエントリーしたST-4クラスは風雲急を告げる!

GAZOO Racing SPIRITチームは、前戦もてぎでホンダ勢の一角を崩し、86勢トップとなるST-4クラス5位でチェッカーを受けが、ホームコースである富士では、86号車に加えて87号車を追加エントリー。長年ニュルブルクリンク24時間レースへの挑戦を通じ、GAZOO Racingが目指す「人とクルマを鍛える」活動の一環として、シリーズ最長の7時間レースで、満を持して表彰台を狙う。

86号車ドライバーは影山正彦選手、井口卓人選手、蒲生尚弥選手のおなじみのトリオ。井口選手は開幕戦以来の参戦だ。87号車 GAZOO Racing TOYOTA86のドライバーは、今年のニュルブルクリンク24時間で86をドライブした木下隆之選手、飯田章選手、佐藤久実選手という強力なラインアップ。ニュル24Hレースを何度も完走した強者達に、真夏の富士7時間は牙をむくか!!

マシンは今年の開幕戦までゼッケン86をつけていた2012年モデル。「ツーカー・エントリーにより、チームのモチベーションは高い。86勢のワン・ツーを獲りたい」と三塚監督は意気込む。

その意気込み通り、86号車が予選から印象的な走りを披露することになる。Aドライバー・影山選手が1分58秒882、Bドライバーの井口選手が1分58秒386をマークし、合算タイムでクラス3位に躍り出る。それまで張りつめていたピットの雰囲気が一気に和らぐ。Cドライバーの蒲生選手が決勝を想定したセットで走行し、ユーズドタイヤでもCドライバー唯一の58秒台をマークし、余裕のクラストップに。

「86にとって不利なコースである富士で3番手を獲れました。頑張った甲斐があったと思います」と三塚監督。87号車は、ベテランぞろいのトリオが着実に周回を重ね、クラス12位。チームの予想を超えるポジション獲得に、Aドライバーの木下選手も「クルマの性能は出し切った」と納得の表情。

決勝レース。86号車のスタートは最年少の蒲生選手が務める。その後、井口選手、影山選手とつないでいく作戦だ。

スタートは蒲生選手が期待通りクリーンスタートを決め、2番手でホームストレートに。「前に出て自分のペースで走りたかった」という蒲生選手はさらにプッシュし、4周目にはST-4グループのトップに!86号車のトップ快走に場内アナウンスも「86が早いぞ!」と絶叫!

蒲生選手はタイヤを労りながら2番手で井口選手にスイッチ。ところがその後、他車と接触してしまう。マシンにダメージを負い、さらにペナルティを受けたことでクラス12位まで順位を落とす。ピットでの修復の後、影山選手にスイッチし、後方からの追い上げを開始するが、スタートから4時間を経過時点で、エンジントラブルが発生。残念ながらリタイアとなった。

また、87号車は木下選手が順当なスタートを決め、佐藤選手、飯田選手の順番で着実に周回を重ねる。突然の雨にも動揺することもなくルーティンをこなし、終わってみればクラス6位入賞。

「あうんの呼吸で目標の完走をこなすことができました」と木下選手。目標だった86勢のワン・ツーはかなわなかったが、「86でここまでやれるところを見せられたのがよかった」と三塚監督。次戦、岡山ラウンドでのさらなる活躍を期待しよう。

86号車、87号車を中心に整列したGAZOO Racing SPIRIT。念願の表彰台はお預けとなったが、86のポテンシャルを見せた。
86号車、87号車を中心に整列したGAZOO Racing SPIRIT。念願の表彰台はお預けとなったが、86のポテンシャルを見せた。
スタート直後、先行する41号車S2000に襲い掛かる86号車(蒲生尚弥選手)。クラストップに立つ快走は大観衆を沸かせた。
スタート直後、先行する41号車S2000に襲い掛かる86号車(蒲生尚弥選手)。クラストップに立つ快走は大観衆を沸かせた。
予選日にはカレー、決勝日にはそうめんがチームの家族からチームスタッフにふるまわれた。ドライバーだけではなく、チーム全員が戦っている。
予選日にはカレー、決勝日にはそうめんがチームの家族からチームスタッフにふるまわれた。ドライバーだけではなく、チーム全員が戦っている。

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1年に1度の富士の夏祭り。来場者の笑顔がパドックにあふれる

富士スピードウェイの場内各所ではイベントが花盛り。グランドスタンド裏イベント広場では、お子様向けのウォーターアトラクション「パワーパドラー」や、ダカールラリーの悪路を再現したコースを走る「ダカールラリー体感試乗機」、パドック側では富士山の世界遺産登録を記念して富士スピードウェイとコラボレーションした横浜ゴムのブース&車両展示や、日産自動車大学校の教育プログラムなどなど。さながら富士スピードウェイの夏祭りという様相で、親子連れやカップルなどで賑わいを見せた。

また、スーパー耐久シリーズを古くから支えているNAPAC(日本自動車用品・部品アフターマーケット振興会)もブースを出展。NAPACが統括するASEA事業部に加盟しているメーカーは、ASEA基準をクリアしたスポーティングパーツを公認パーツとして、エントラントに供給しており、レースを開催する上で欠かせない存在となっている。ASEA事業部の会員企業であり、STO(スーパー耐久機構)のSTEL委員を務めるエンドレススポーツの花里功代表は「スーパー耐久は誰でも気軽に参加できるレース。そのためにも使用できるパーツの範囲を広げていくことがエントラントを増やすことにもつながると考えています」とコメント。特に86/BRZについては、より一層パーツ開発に力を入れ、レースを盛り上げたいと語ってくれた。

ダカールラリー体感試乗機を体験した安斉さん親子。「坂が怖いかなと思ったけど、意外と平気でした」。
ダカールラリー体感試乗機を体験した安斉さん親子。「坂が怖いかなと思ったけど、意外と平気でした」。
NAPACはスーパー耐久各レースで出展。クルマ好きを応援している。
NAPACはスーパー耐久各レースで出展。
クルマ好きを応援している。

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13号車エンドレス86が粘走。86勢トップ、ST4クラス5位に食い込む

GAZOO Racingをのぞく3台の86勢は、細かなアップデートをマシンに加え富士入り。3台とも金曜日から着実に練習走行をこなし、手ごたえは上々のようだ。GAZOO Racingを含めた86エントラント同士でマシンに関する情報を積極的に交換し合っており、その効果が出始めているようだ。ライバル同士が、マシンの情報を交換することは珍しいが、スーパー耐久シリーズでは、過去にも新型車が大量に参加した時によく見られたことだ。スーパー耐久が、草の根レースの最高峰として親しまれる所以である。86勢全体の底上げにより、シリーズ全体が盛り上がることを期待したい。

開幕以来、予選で速さを発揮しながらも、前回エンジントラブルで後方に沈んだ52号車埼玉トヨペットGB with Revo(大井貴之/番場琢/密山祥吾)。トラブルの原因も解決、ボディの軽量化にも取り組んできており、決勝での活躍を期待。また、13号車ENDLESS DIJON ADVAN SAYAMA(Takamori博士/村田信博/下田亮次)も駆動系と足まわりに変更を加えた。1スティントの走行距離に自信を持っており、長丁場の戦いに期待を寄せる。前戦惜しくもリタイアとなった18号車コスモソニック・FK・ings・FT86(浅野武夫/中島佑弥/笠原智行)も短いインターバルでマシンの修復を完成させてきた。

予選は13号車ENDLESS DIJON ADVAN SAYAMAがクラス8位、すぐ後ろの9位に18号車コスモソニック・FK・ings・FT86、52号車埼玉トヨペットGB with Revoはクラス16位からスタート。52号車はペナルティがなければもっと上の位置からスタートできたので、86勢のタイムは以前と比べてだいぶ拮抗してきたといえる。迎えた決勝。86クラスは大きなアクシデントもなく、1コーナーをクリア。86勢の3台はホンダ勢と力強いバトルを展開する。中でも13号車と後方からスタートした52号車は粘り強く順位を上げ、一時はトップ5圏内まで迫る。結果は13号車が86勢のトップとなる5位でチェッカー。52号車は残念ながらトラブルで完走はならなかったが、見せ場をつくった。また、18号車も10位でチェッカーを受けて、次戦への期待を持たせた。

ホンダ勢の背中が見えてきた86勢。互いに切磋琢磨して底上げを期待!
ホンダ勢の背中が見えてきた86勢。互いに切磋琢磨して底上げを期待!
86エントラント同士、底上げのためのコミュニケーションはしっかりとる。
86エントラント同士、底上げのためのコミュニケーションはしっかりとる。

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GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race関東シリーズ第3戦。チャンピオンの行方は?

GAZOO Racing Netz Cup Vitz Race 関東シリーズは、早くも第3戦。富士スピードウェイは各方面からの交通アクセスがよく、知名度が高いこともあって、50台ものエントリーを集めた。ここまで消化した2戦は、25号車水谷大介選手(ネッツ東京Vitz)の2連勝。水谷選手はかつてフォーミュラトヨタやスーパー耐久にも参戦したことがあるドライバーで、2011年の関東シリーズのチャンピオン。好調の理由について水谷選手は「チームの勝てる体制づくりに拠るところが大きいですね。チームの士気も高いです」とコメント。

ネッツトヨタ東京は社内チームを組織し、レースに参戦しており、その歴史は初代ヴィッツ登場時までさかのぼる。ネッツ東京レーシングチーム監督の二方治さんは「やる以上勝ちを狙って参戦していますが、ドライバーとメカニック、常に勉強です」と語る。

決勝(8周)はポールポジションからスタートした22号車北田和哉選手(N千葉シュポルトFTμVitz)を25号車水谷選手がスタート直後にパスし、そのまま後続を抑え切り3連勝を達成。ポイントランキング現在2位の峯選手(犬印NヤサカファクターVitz)が3位に入ったため、チャンピオンの決定は最終戦へと持越しとなった。

1年間のお休みを経て、再びヴィッツレースに参戦した水谷選手が3連勝!「常に全力を出し切るのが目標です」。
1年間のお休みを経て、再びヴィッツレースに参戦した水谷選手が3連勝!「常に全力を出し切るのが目標です」。
関東シリーズ第4戦(最終戦)の決勝は10月13日、ツインリンクもてぎで行われる。勝利の女神はどのドライバーにほほ笑む?
関東シリーズ第4戦(最終戦)の決勝は10月13日、ツインリンクもてぎで行われる。勝利の女神はどのドライバーにほほ笑む?

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86チューニングカーによる新レース、8Beat開幕

話題の86/BRZチューニングカーレース「8Beat」が開幕した。86/BRZのナンバー付き車両で行われるJAF公式レースだが、市販チューニングパーツの使用がレギュレーション範囲内で許されているのが特徴。まさにチューニングファン待望のレースといえるが、開幕に先立ち行われた「Fuji 86 Style with BRZ 2013」(8月4日)でのエキシビション戦では17台のエントリーを集め、オープニングラップからダンゴ状態のバトルを披露し、多くのファンからの喝采を浴びた。

8Beatを運営するのがT.C.A(チューニングカルチャーアソシエーション)の勝又智也代表。モータースポーツイベントのプロデュースや、サーキットでのMCなど、マルチな才能を発揮している。

「8Beatはドライバーたちの卓越したテクニックはもちろんですが、カッコよくカスタマイズされたマシンにも注目してほしいですね」と勝又代表。チューニングカーによるJAF公式レースという新テーマゆえに、関係各所の理解を得るのに苦労したというが、86/BRZレースの発展を願う者同士が集まり、さまざまな障壁を乗り越えることで、今回の開催に漕ぎ着けたという。

参加者の1人、UZURA(UZURA RACING 86)さんも「86でレースに出るのが夢でした。このレースにエントリーすることで、モータースポーツで遊ぶ同世代の仲間をどんどん増やしていきたいですね」と8Beat開催の喜びを語る。

開幕戦のエントリーは12台。8周の決勝レースは大井貴之選手(REVOLUTION86)が総合トップでチェッカーを受けた。第2戦は9月21日~22日に行われるアジアン・ル・マンでのサポートレースを予定している。

GAZOO Racingが主宰する86/BRZ Race(7月13-14日の富士開幕戦には82台がエントリー)とのダブルエントリーされるエントラントもおられ、相乗効果を期待したい。

「いつかは富士で、8Beatの世界戦を開催したい」と夢を語るT.C.A勝又代表。86、BRZでサーキットを走る台数は着実に増えている。
「いつかは富士で、8Beatの世界戦を開催したい」と夢を語るT.C.A勝又代表。86、BRZでサーキットを走る台数は着実に増えている。
珍しい「UZURA」という名前でライセンスを取得したこともあり、クルマ好きの輪が広がっているとUZURAさん。
珍しい「UZURA」という名前でライセンスを取得したこともあり、クルマ好きの輪が広がっているとUZURAさん。

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次戦の舞台は、岡山国際サーキット(3時間耐久レース)

スーパー耐久シリーズは次戦からいよいよ後半戦。第5戦(8月31日―9月1日)の舞台は岡山国際サーキット。8月後半の岡山ラウンドは例年厳しい残暑の中で行われ、3時間のスプリント・レースながら、コーナーの連続するレイアウトは、タイヤにもブレーキにも厳しい。
総合トップを争うメルセデスSLS AMG vs GT-Rの戦いの行方は?
また最大台数がひしめくST4クラスでは、86がホンダ勢の壁にどう挑むか、興味は尽きない。

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富士スーパー耐久7時間レース決勝結果

総合優勝

順位 Car No. 車両 ドライバー
1位 1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3 Dominic Ang/谷口信輝/Melvin Moh
2位 3 ENDLESS・ADVAN・PORSCHE YUKE TANIGUCHI/峰尾恭輔/TOSHI ARAI/山内英輝
3位 81 GTNET ADVAN NISSAN GT-R 星野一樹/青木孝行/尾本直史

各クラス優勝

クラス Car No. 車両 ドライバー
GT3 1 PETRONAS SYNTIUM SLS AMG GT3 Dominic Ang/谷口信輝/Melvin Moh
ST-1 9 Faust Racing BMW Z4 佐藤茂/山野直也/堀 主和ロバート
ST-2 59 STRUM・MOTUL.EDインプレッサ 大澤学/吉田寿博/松田晃司
ST-3 80 PETRONAS TWS GS350 佐藤晋也/吉本大樹/脇阪薫一
ST-4 41 TRACY SPORTS ings S2000 植松忠雄/井入宏之/筒井克彦
ST-5 17 DIXCELアラゴスタ・NOPROデミオ 谷川達也/小原健一/野上達也

GAZOO Racing SPIRIT結果

ST-4 6位

ST-4 87 GAZOO Racing TOYOTA86 木下隆之/飯田章/佐藤久実

ST-4 リタイア

ST-4 86 GAZOO Racing TOYOTA86 影山正彦/井口卓人/蒲生尚弥

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