メニュー

2014年注目ドライバー インタビュー
石浦宏明 〜技巧派ドライバーの仕事術〜 前編(2/3)

前編「18歳からでもトップドライバーになれる」

選考のやり直しでF3開幕の2週間前にTDPに決まった

--そうして4輪にステップアップしました。

カート選手権でスタートを待つ石浦宏明選手 「2001年にカートの地方選手権でチャンピオンを獲って、出場資格も持っていたので全日本選手権に出たかったんですけど、全日本って当時でも400万円とか500万円ぐらいかかるので普通のサラリーマンの家には無理だと。それでいろいろ調べて、ZAP SPEEDとFTRS(フォーミュラトヨタ・レーシングスクール)、フォーミュラドリームと3つのオーディションを受けたんです。それまでは家族も中途半端になられたら困るからと反対していましたけど、全部1位だった時に、初めて協力してくれることになりました。
 フォーミュラトヨタに出た3年間、最後の年はポールポジションをいっぱい獲っていたんですけどスタートがヘタで(笑)、シリーズ3位だったかな? ランキングの2位までがスカラシップで翌年のF3に出られるんだったんですけどね。僕は3位でした。

 親から提供してもらった資金もなくなり、もう契約済みで体制も決まっていると言われました。"これはもう終わりだな"と思っていたら、父親が最後の100万円を出してくれて、トリイ(現・ハナシマ)レーシングさんとINGING(インギング)さんがタダでエンジンとF3を貸してくれて......。開幕前の岡山での合同テストに参加できることになったんです。シリーズエントリーもしていない僕が勝手にテストに乗り込んで、TOM'Sより上の最終的には3番手ぐらいのタイムを出した。そうしたらナウモータースポーツ(当時)の(藤田)直廣さんと関谷(正徳FTRS校長)さんがそれを見て、急遽、オーディションをやり直すと。開幕戦の2週間前に突然、TDP(トヨタ・ヤングドライバーズ・プログラム)ドライバーに抜擢されたんです」

--たくさんの方の助けを借りて、今もドライバーとして活躍されているわけですね。

2006年 開幕戦に突然、TDPドライバーに抜擢。ナウモータースポーツから全日本F3に出場した 「そうですね。ハナシマレーシングとか、そのテストの時にタイヤやホイールを貸してくれたZAP SPEEDとか、その1回のテストのためにみんなが協力してくれました。Team Naoki(服部尚貴氏のチーム)の後輩の吉田(広樹)とか白坂(卓也)もメカニックとして手伝ってくれましたしね。だから、そのテストの時のことを知っている人たちからは、その協力してくれた人たちに一生感謝しなさいと言われてます。あと、今はプロのドライバーとして納得できる契約を結んでいただいています。おかげさまで、両親にもお金は返せました(笑)。ありがとうございます」