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2014年注目ドライバー インタビュー
石浦宏明 〜技巧派ドライバーの仕事術〜 後編(2/3)

後編「車両開発と後輩指導に見せるこだわり」

アタッカー役を譲ると誤解されてしまうんです

--話は変わりますが、SUPER GTで苦労したり、難しいなと思うことはありますか?

2009年、KRAFT SC430 35号車の大澤尚輔監督、石浦宏明、大嶋和也 「KRAFT(2009年)の時の話なんですけど、その時は大嶋をアタッカーにして、僕は(アタックを)やらないって決めたんです。でもそれだと遅いんじゃないかと誤解されるから、普通は"(アタッカーを)やりたい"って主張するところなんですけど、同じ人がやっている方が成績が出ると思ったんです。その代わりセッティングは僕がするよと。
 でも、そうしたら本当に誤解されるんですよね(苦笑)。"なんで、アタックしないの?"って。でも2011年に僕がアタッカーをやったら3回ポールを獲りましたからね。それ以来、気にするのは止めようと思えるようになりました。これからも、役割が決まって僕がアタッカーをやることになればポールを獲りに行くし、他の人がアタッカーをやるなら我慢するし......それがSUPER GTかなと思ってます」

--それはファンの方たちには見えづらい部分だと思うんですけど?

「そこが一番ツライですよね(苦笑)。"地味キャラ"になるしかないですからね。だから、そういう意味では2011年は相当スカっとしました(笑)。決勝結果はリタイアが多くて成績はいまいちでしたけど、3回ポールを獲って速さをアピールできましたからね」

--一方で、スーパーフォーミュラの魅力はどこにあると思いますか?

2014年、P.MU/CERUMO・INGINGから3年ぶりに国内トップフォーミュラに復帰した 「スーパーフォーミュラって、すごく緻密なセッティングといろんな裏技があって、世界的に見ても相当細かいことをやっているカテゴリーだと思うんです。それなのに、それが外の人たちに全然伝わっていない。それは(トップカテゴリーに)乗っていなかった時に、外から見ていて思ったことです。
 これからはさらに細かいことを突き詰めていく領域に入っていくと思うので、それを自分がうまくチームとやっていければ、チーム自体が強くなって、常勝チームになれるかなと。チームからも"そういうチームにするために来てもらった"と言われているので、その期待に応えたいと思っています」