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Kamui's Race Diary 2015
スーパーフォーミュラ 第2戦 岡山

Kamui's Race Diary 2015 スーパーフォーミュラ 第2戦 岡山

鈴鹿、岡山と2レースを終えて、
やはり予選が大事だなとあらためて感じています

みなさん、こんにちは小林可夢偉です。スーパーフォーミュラ第2戦岡山、無事に表彰台を獲得できました。沢山の応援ありがとうございました。さっそくですが岡山での週末を振り返りたいと思います。

開幕戦の鈴鹿から1カ月の間に岡山イオンさんや岡山トヨペットさんでのトークショーや、ワールドランというランニングイベントに参加しました。また、ベルギーのスパ・フランコルシャンでWECのトヨタLMP1車両もテストしたりとけっこう忙しくて、岡山入りする前日の木曜日に日本に帰ってきました。
 金曜日は朝の便で岡山入りして、サーキットに着いてからはさっそく前回の鈴鹿のレースのレビューをチームと行い、いろいろと意見交換をしました。開幕戦はチームルマンで戦う初めてのレースだったので、チームも僕もお互いまだ探り探りの状況だったと思います。どんな内容を話したかは守秘義務もあるので、公開できませんが、レース週末の組み立て方から、レース中の無線を使ったコミュニケーションの取り方など細かいところまで話しあうことができ、岡山での結果はその効果もあったと思います。

 実際の走行の面では、初めて僕がSF14に乗った12月のテストも岡山だし、その後合同テストもあり、このクルマで一番走っているサーキットなので、土曜日朝のフリー走行を走り始める時点から、クルマに対して心配はありませんでした。 フリー走行では中古のタイヤしか履いていませんが、クルマの状態としてはちょっとアンダーステアが強かったので、ニュータイヤを想定して足回りのセッティングなどで対策をして、予選を迎えました。
 その予選、Q1は中古のタイヤでバランスを確認したあと、新品タイヤでアタック。Q2はバランスをさらにアジャストしていいリズムでアタックできていました。ただアタックラップでセクター1,セクター2といい感じだったときに赤旗が出て、そこで若干リズムが狂ったのかなとは思います。赤旗後のアタックはタイヤがすでに結構タレている状態でした。Q3に向けては微調整したのですが、結果4番手。たぶん削れてもあとコンマ数秒だったし、石浦選手のポールタイムは本当に素晴らしいものだったと思います。

 そして迎えた翌日の日曜日、雨という予報もあったんですが、朝から晴天。夏みたいに暑かったです。午前中のフリー走行はレースを想定した走行内容でデータ取りを行いました。予選とは違うセッティングなので、最初はボトミングがひどくて前が見えないぐらいでしたけど、決勝レースに向けては、まずまず対策ができたと思います。決勝レースは、スタートを決めて、レースペースさえあれば戦えると思っていたので、このセッションも非常に大事でした。
 その決勝レース、僕自身のスタートはよかったですが、それ以上に斜め後方のオリベイラ選手がロケットみたいに飛び込んでくるのが見えたので、無理せずスペースを空けてました。序盤はクルマとしてはけっして決まっていたわけじゃないですし、リヤタイヤをなんとかもたそうとしながら前の2台を追いかけていました。

 ただ、ピットストップは前にあわせたわけではなく、僕の後ろにいた野尻選手がアンダーカット(新品タイヤと中古タイヤのラップタイムの差を使って逆転する戦略:野尻選手は先にタイヤを交換し、まだタイヤを交換していない可夢偉よりも速いラップタイムで走り、可夢偉がタイヤを交換した時に前に出ることを狙っていた)してきたのであのタイミングでした。
 前のオリベイラ選手も同時にピットインしていましたが、先に僕がピットアウトしたら案の定野尻選手が真後ろに来ていて、タイヤが冷えた状態でしたけど、なんとか6コーナーのブレーキングとヘアピンで2回ポジションを守りきりました。おかげさまでフラットスポットができてしまいましたが、そうしないと抜かれてしまうところだったので、しょうがないです。そこからだいぶバイブレーションが出てしまいましたが、2位でフィニッシュできたのはあそこでポジションを守れたことがカギだと思います。

 その後は石浦選手を追いかけて、なんとか彼にプレッシャーを与えていったんですが、彼は全然失敗しませんでしたね。オーバーテイクボタンもいろいろな使い方をして仕掛けてみましたが、なかなか攻めようがない状況でした。そこでレースの最後に一回タイヤを休めてそれからさらにペースアップをしたんですが、ギャップを1秒以内に縮めるとどうしてもクルマのダウンフォースが抜けるし、その分タイヤも痛めてしまうしなかなか近づくことができないまま、残念ながらレースが終わってしまいました。

 予選4番手からの決勝2位という結果は、抜きにくいコースということを考えると満足しないといけないと思います。レース自体すごく楽しかったです。ただレースペースを考えれば勝つチャンスはありました。レース後、エンジニアとも話したのですが、ピットのタイミングがカギでした。こういう時は自分から先に動いて、もっと自分のペースを活かすべきですね。とはいえ、応援してくださっているファンのみなさんの前で2位表彰台に立ててよかったと思います。

 また今回、チームルマンにとっては先日お亡くなりになった松本恵二さんの追悼レースでした。個人的に接する機会はなかったのですが、土沼監督を始めいろいろな方から恵二さんのお話を聞き、誰もが尊敬していてカッコよかったと言う方で、すごい人だったんだなと思いました。その恵二さんが愛したカーナンバー8を背負っている僕が今回勝てなかったのは個人的に悔しいです。

 鈴鹿、岡山と2レースを終えて、やはり予選が大事だなとあらためて感じています。そのためにはやはりこのタイヤの経験を積んで身体で覚えるしかないと思います。また、車体もワンメイクとはいえチームによっての違いもありますね。 ともかく今回ようやくまともにレースができたので、鈴鹿以上の収穫はありました。
次の富士では、やはりどれだけいいセッティングで土曜日に走り始められるかがカギですが、僕もより自信を持って戦うことができます。少し間が空いてしまいますが、7月18,19日に行われるスーパーフォーミュラ第3戦富士スピードウェイでも応援よろしくお願いいたします。ぜひサーキットに来て下さい!!

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2戦目に向けてリラックスして会話する小林可夢偉
  • エンジニアたちとミーティングをする小林可夢偉
  • 山田健二エンジニアと話す小林可夢偉
  • メインスタンドでサインをする小林可夢偉
  • 最後まで石浦選手を攻め続けた小林可夢偉