SUPER FORMULA デビュー戦でポイント獲得の注目ルーキー
平川 亮(No.7 KYGNUS SUNOCO Team LeMans)
後編 日本最高峰レースで感じた手応えと課題(1/2)
スーパーフォーミュラデビュー戦で、早くもポイントを獲得したルーキー、平川亮選手。前回はF3・FCJ時代、現在の御殿場での生活について話をお聞きしました。後編は、今年、挑んでいるスーパーフォーミュラでの感想や取り組み、そして目標などをお聞きしました。
スーパーフォーミュラはやはりレベルが違った
−−参戦前、スーパーフォーミュラにはどんなイメージを持っていましたか?
平川亮(以下平川): F3やFCJと併催しているイベントが多かったので、スーパーフォーミュラはよく見ていました。予選のタイム差の細かさというか、あれだけ僅差になる予選っていうのは、他のカテゴリーにはないだろうな、レベルが高いなと感じていました。
−−ステップアップが決まった時の率直な感想は?
平川:正直なことを言えば、去年の後半は「マカオグランプリ(F3)で結果残して、海外に行くんだ」という気持ちがありました。でもマカオでの結果が全然ダメ(クラッシュでリタイア)で、日本に残るっていうのが悔しかった。ただスーパーフォーミュラは海外のレースと比べても、さっき話した予選の部分とか、ドライバーやレース自体のレベルが高いし、いろいろ勉強させてもらおうと楽しみな気持ちでいました。
−−初めてマシンを走らせた時の感想を教えてください。それまで乗っていたフォーミュラと比べてもパワーの差は歴然としていたのでは?
平川:もう全然。FCJからF3っていうレベルじゃなかったですね。スピードも全然違いました。高速コーナーのスピードに最初はなかなか慣れなかったし、ブレーキもよく止まるし。最初にテストで走ったのが富士(2012年12月)で、次が今年3月の鈴鹿テストだったんですが、鈴鹿ではダウンフォースも増えて、もっと戸惑いました。
−−その鈴鹿での公式テストで、いきなり総合2番手のタイムをたたき出しました。
平川:走る前からトップは狙えると思っていたんですが、最後は体力が追いつかなくてコーナーでミスしてしまったりしてたんです。きつかったんですけど、(開幕戦を行う)鈴鹿で開幕前に走れるのはこれが最後だったので、「行ってみよう」っていう感じでアタックしたら、タイムが出ました。
トレーニングは自分でも調べて工夫する
−−やはり体力的に厳しい部分は感じましたか?
平川:全然違いましたね。F3とかとは違う部分に厳しさを感じました。体に掛かるGが違いますから、首とかにも結構負担がありました。
−−トレーニングの中身や量というのは、去年までと変わりましたか?
平川:首周りは増やしましたけど、いろいろ調べたら首だけ太くしてもいけないっていうことが分かって、肩周りからも支えられるように筋肉をつけています。より上の方の筋肉を増やすと、重心が上がっちゃうのであまりよくないみたいです。あとは腕もそんなに(筋肉を)つけていません。僕、けっこうコツで走っているんです。筋肉の使い方のコツというか、去年見いだしたみたいです。腕が長いので、テコの原理で考えてもそんなに筋肉つけなくても良さそうなんです。あまり筋肉が多いと疲れちゃいますし、ドライバーとしてもあまり体重は多くないほうがいいので、あまり筋肉をつけるトレーニングはハードにはやっていません。
−−トレーニングメニューは、トレーナーと相談するのですか?
平川:そういうこともありますけど、自分でインターネットなどで調べたりもしますね。アメリカの大学というか、アスリートの研究をしているところが新しいトレーニング方法を紹介したりしているので、そういうものも参考にしています。