特集 > 2005年特集 > グッドウッド・フェスティバル > 3.時代を駆け抜けたドライバーが語る“あの頃”と“今”
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toyota-f1.comインタビュー
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片山右京――
「モータースポーツが教えてくれたこと―夢の実現のために」
F1やル・マン24時間耐久レースで活躍した片山氏に、子ども時代の夢やモータースポーツに賭ける思いをうかがった。
(2005年6月25日(土)グッドウッド・フェスティバル内トヨタブースにて)
片山右京(かたやま・うきょう)

1963年5月29日生まれ。42歳。1983年、国内レースデビュー(FJ1600)し年間優勝。フランス、日本でF3、F3000等に参戦後、1992年から1997年の間、ラルース、ティレル、ミナルディからF1参戦。1992年にはトヨタTS010で、1998~99年にはTS020でル・マン24時間耐久レースに出場。1999年は準優勝に輝いている。国内のJGTCには1999年~2002年にかけて参戦。近年はダカールラリーへも参戦を続けている。

あきらめなければ、夢は現実に近づく
● 今回のグッドウッド・フェスティバルには家族連れのお客さんがたくさん来場していますし、子どもたちの姿も多く見られます。まずは今回の印象についてですが、右京さんの目から見られていかがですか?
「日本ではこういう家族連れでみんなで遊びに来るサーキットというのは考えられないですよね。その辺がやっぱりイギリスというか――文化とか伝統とか、歴史が違うんだなと思いますね」

集まったファンひとりひとりに丁寧にサインをしていく。  

● モータースポーツの魅力のひとつとして、やはり見ている者に夢を見させてくれる、という部分があるのではと思います。F1まで上り詰めた右京さんですが、子どものころはどういった夢を持っていたのでしょう?
「元々は山で育って冒険家を目指していたのが、ある日突然エンジンに目覚めてカルチャーショックを受けて、そしてレースの世界に入ったんです。そこからいろいろな人のお陰でF1まで連れていってもらって、いつの間にかそれが仕事になっていた、という感じかな。コンプレックスを背景にして、一番になることとか、お金持ちになることとか、女の子にもてたいとか――ストレートでしたけどいわば煩悩の固まりでしたね。ところがF1を終えてからこういったイベントに参加させてもらったりするうちに、やっぱり本来のモータースポーツのあるべき姿というのは――ただのクルマ好きの人たちが集まってサンデーレースに出場するのもモータースポーツだけれども――こういったフェスティバルに家族連れでやってきて昔あこがれた選手だとか名場面を飾ったクルマだとかを間近で見られたりするのもひとつの大きな側面なんじゃないかな。まるでアミューズメントのようにね。クルマという文化がまるでディズニーランドのようになることが究極の形なんじゃないかな。日本もそうなっていけばと思う。たとえばこういったフェスティバルやサンデーレースから学ぶべき事がたくさんあるんじゃないかな、と思う。最近、そんな気がしますね」

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CONTENTS

1.グッドウッド・フェスティバルとは? 詳細..
2.グッドウッドで蘇ったトヨタの名車たち 詳細..
4.F1を通じて伝えたい“走り続けるトヨタの意志” 詳細..