2011年、LFAは再びニュル24時間に挑んだ。すでに昨年SP8クラスの優勝を獲得している上に市販モデルの生産もスタートしている。では、なぜ参戦を行なうのか?それは“いいクルマ作り”にゴールはないからである。
昨年のモデルから主に空力性能のバージョンアップが施されたマシンは、限定500台中50台に設定された「LFAニュルブルクリンクパッケージ」に採用されるアイテムが多数装着されるなど、開発テストというスタンスはこれまでと変わらないが、これまでよりも本格的な挑戦をスタートさせた年と言ってもいいだろう。ちなみに、モリゾウこと豊田章男はチームに対して「総合トップ10入りを目指してください」と語った。それは世界有数の猛者達と対等に戦うことを意味していた。
今年も2カーエントリーとなったが、予選は87号車が総合26位(SP8クラス3位)、88号車は総合23位(SP8クラス2位)を獲得。予選上位者のみウィンドウに装着される「ブルーフラッシュ(高輝度LEDライト)」を初めて手に入れた。それはLFAの“速さ”がニュルで認められた瞬間でもあった。
しかし、そう簡単にはニュルは微笑んではくれない。87号車はレース序盤のエンジントラブルによりエンジン交換、88号車はレース中盤に後続車に追突され後部を破損により大きくポジションダウン。しかし、メカニックの懸命な作業によりコースへ復帰。ちなみに、GAZOO Racingによるニュル24時間の挑戦は、プロジェクト当初からトヨタ社内メンバーで構成されるメカニックを中心に構成されているが、当初は「危なくて見てられない」と言われていたが、他チームのレース集団からお墨付きが出るほどに成長していた。
結果は88号車が総合41位(SP8クラス3位)、87号車は総合134位(SP8クラス8位)と昨年の成績を超えることはできなかった。レースは勝ち負けではないが、マシンのポテンシャルを考えれば…と思う戦いだった。