終わりなき旅
内陸部になればなるほど、4WD車が活躍し、そしてカンガルーバンパーの装着率が非常に高い。 理由は、紛れもなくカンガルーや牛など衝突時に自分の命を守るためだ。 走破中、道に数多くの動物の死骸を見た時に腹落した。 衝突時の性能もしかり、商品性も重要だ。 他社の製品はデザインからもタフさが感じられ、また細部の処理も丁寧だ。(写真が無いので以前小山さんが投稿したARB社製を見てください(・・;)) 一方、弊社用品はレベルアップが必要と思う。 今後、命を守るための用品から”見た目のタフさ、美しさ””燃費向上、操縦安定性向上のための空力性能””冷却性能、泥・水入りなど環境性能”を実験部として提案しなくてはいけないと感じた。 ちなみに、カンガルーバンパー、ブルバーの機能違いは無く同じだそうだ。
0km から 100km の加速力
長距離走行では欠かすことのできない休憩。そんな休憩エリアが、オーストラリアのハイウェイには、約20km毎に設備されている。チーム3も約一時間に一度ドライバーチェンジをするととともに、10分間の休憩を行った。しかし、問題はレストエリアからハイウェイ本線の合流場面だ。 安全に合流する為には、本線上の車両と同じ速度で合流しなければならないが、日本のパーキングエリアと異なり、加速レーンが20mほどしかなく、かなり短い。つまり停止状態の0km/hからの100km/hへの加速性能がとても重要なのだ。その点ランクル200は、ハイラックスに比べると、立ち上がりが遅く、若干加速力が弱い感じがしたのは否めない。
ゴールは出発地点
メルボルンを出発し、西海岸のパース、ダーウィンから南下しアリススプリング、ウルル、そして東海岸の大都市ブリスベンとシドニーを経由し、再びメルボルンに戻ってきた。チーム1からチーム2へ、そしてチーム3に渡されたタスキを無事にゴールへと届けることができた。世界の80%の道が存在するというオーストラリアの過酷な、およそ2万kmの道を誰一人欠けることなくゴールし、スタートの地であるTMCA(Toyota Motor Corporation Australia Ltd.)のアルトナ工場へ帰還することができたのだ。毎朝、円陣を組み「安全に行くぞ!」と声を出し、全員をゴールまで届けるという大きなプレッシャーから解放されたリーダーの角谷さんは、ゴール後にチームメンバーの前で涙を流した。オーストラリア一周というロングドライブがもたらしたのは、旅の高揚感だけではない。クルマに関わる自らの仕事、人生を見つめることでもあったかもしれない。誰もがチームメンバーに感謝し、サポートスタッフに感謝し、そしてどんなコンディションでも安心して走ってくれたパートナーのクルマたちに感謝した。「道を知る」という原点に振り返ることができた、夢のような時間。この財産を走破メンバーは、日本へ持ち帰る。日々の通勤路も、出張先のドライブも、テストコースでの試走も、これまでとは違う感覚で走ることができるはずだ。すべての道が、オーストラリアへと繋がっている。ゴールは常にスタート。TOYOTAの旅は、これからも続く。