レーシングドライバー木下隆之のクルマ連載コラム クルマ・スキ・トモニ

人とクルマの、ともすれば手の平から溢れてしまいそうな素敵な思いを、丁寧にすくい取りながら綴っていくつもりです。人とクルマは、いつまでも素敵な関係でありたい。そんなGAZOOが抱く熱く溢れる思いが伝わりますように…。
レーシングドライバー 木下隆之氏


16Lap 『四字熟語』で自動車業界を振り返る!

今年も年の瀬を迎えている。読者の皆様におかれましては益々ご清栄のこととお慶び申し上げます。というよりもむしろ、慌ただしい師走を過ごしているのでしょう。それぞれの一年を振り返り『悲喜交々』の人も多いのだろう?


熟語遊びも面白いもの。辞書に目を通していると飽きないんです。

というわけで今年も、木下隆之恒例の創作『四字熟語』で自動車業界を振り返ってみることにしようと思う。

★リーマンショックの傷跡が癒えず、自動車業界は沈滞ムードに包まれている。大スキなクルマを、暗い気持ちで運転している人も多かろう。まさに『暗運低迷』だ。

★100年に一度といわれる大不況の波を被った自動車業界。世界販売台数は記録的低迷だという。ただし、BRICs(*1)は元気。特に中国だけは好景気を謳歌している。発売した車のほとんどは、『車発百中』で中国に輸出される。

★高速道路料金は下がった。一区画ならば金千円也で乗り放題の『一画千金』は、小銭程度の『経済硬貨』はあったようだ。

★だが、民主党の公約だった自動車税撤廃は果たされていない。高止まりする揮発油納税による『燃料高納』は続いたままだ。

★金の成る手技のある『成金手技』の方には安泰のよう。

★収入アップの特効薬『暗中秘薬』があれば、ぜひ教えてほしいものです。


いたずらに、創作四字熟語をプリントしてみました。書体を変えるとまた、意味合いも変わってきます。


木下のデスクには、『語源辞典』というのが並んでいます。暇つぶしに読むのは楽しいものです。なんとなく向学心が刺激されるんですな。

★個人的には、今年もニュルブルクリンク24時間レースに参戦できたのは歓びだった。240台もの化け物マシンが集結した『百化撩乱』は圧巻で、そんな群れに揉まれての『孤群奮闘』は見事だったと『自我自讃』している。

★乗るクルマのない『無車種業』はさびしいものがあるが、独逸(ドイツ)で表彰台に立つ日を夢見ながら、一歩一歩地道に『独立独歩』を貫いていれば、いいこともあるだろう。

★レクサスLF-Aの活躍も話題になっていた。ニュル挑戦を宣言してすぐに強くなれるほど甘いレースではないが、ライバルは『宣戦強強』としていた。主催者側が細かな部分まで『子葉変更』を要求してきたのは、『再考速度』が速すぎたためだ。

★なんといっても春先最大の話題は、トヨタ自動車の社長が『豊田章男』になったことだ。政権の中枢にもっとも破壊力のある人物がついたことで、『大政砲艦』を喜ぶ人も多い。52歳という自らの若さゆえ息は長い。勢いもありトヨタの浮沈はその両肩にかかっている。『長期勢肩』を予感させてくれるのだ。

★温かく見守っていれば、すべてをまっとうしてくれるだろう。それを『大全自若』というのだそうだ。

★豊田章男社長は、トヨタ的商法を心得た人だ。『大器商用』をさせなければ必ず成功する。

★インサイト連合との『価格低盟』路線は成功したようで、プリウスが記録的大ヒットとなった。いいものを安く提供すれば、財布の紐が緩むことを証明した。まさに売るための手本のような『販売教科』となったのだ。

★ただし、これまで行ってきた拡大戦略の傷跡は簡単には癒えないようで、まだまだ『行跡悪貨』のままである。トヨタが不景気を打ち破ることは、我々日本の民の悲願でもあるわけで『民民打破』をぜひ成しとげてもらいたい。

★就任以来、次々と改革が求められているようだ。F1撤退は『九十選択』だったようで、東京本社で行われた『基車懐剣』での、最高峰のクルマを指揮していた懐刀の山科常務取締役の涙は記憶に新しい。


★『大賞両方』は本来、『対症療法』であり、表面にあらわれた種々の症状に対して適切な処置を行なって患者の苦痛を除くことを主眼とした治療法を意味する。プリウスが日本カー・オブ・ザ・イヤーに輝いた、ってめでたい話ではなさそう・・・。

★『閑却激減』の東京モーターショーは閑古鳥が鳴くようなものとなったが、レクサスLFAとFT-86は『人気万両』だった。

★スーパースポーツカーは3,750万円もするのに、前金で払うからと一万円札を抱えて訪れる富裕層も少なくないと聞く。限定販売数を超えて『注文札納』は、まだまだ走りのクルマに飢えている証拠だ。

★プラグインプリウスやi-MiEVのような電気系自動車には隆盛の予感がある。車の世界が『環境車界』に向かっていることは確かであり、ここはぜひとも、『電灯復活』とばかりに電気の力でクルマ産業の復興を期待したい。

★プリウスは、日本カー・オブ・ザ・イヤーで最多得点数獲得。別の団体でもトップに輝いたそうで、まさに『大賞両方』である。

★いよいよ2010年を迎える。ぜひとも新年は、魅力的なクルマという機械の登場によって、『新機一転』といきたいものである。皆様方におかれましては、『暗前雲天』で、暗さを吹き払ってほしい。ご家族の『無病息妻』もお祈りしています。

*1 BRICs:発展途上国の中で成長著しいブラジル・ロシア・インド・中国の頭文字を合わせた4ヶ国の総称。

キノシタの近況

日本ハムのダルビッシュ有が、来期の年棒3億3,000万円+出来高払いで更改したそうだ。3億3,000万円ですって、3億3,000万円。しかも+出来高払い。出来高っていくらなの? 出来高って?ねえ?出来高っていくら?羨ましい限りです。
www.cardome.com/keys/

【編集部より】

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