東京都内のど真ん中、今や東京観光の人気スポットと言えるほどまで知名度が高くなったお台場で、またもクルマを走らせる機会に恵まれるなど、まったく予想していなかった。
右手に見えるのは、フジテレビ本社社屋。地球儀を抱えたような個性的なビルの前には、巨大な観覧車がゆるやかに回っている。ビルと観覧車に囲まれたそこは「トヨタ・メガウェブ」。しかも日曜日。家族やカップルが訪れるそこをクルマで走るなんて、ちょっとした異次元感覚なのである。
実はぼくがここを走るのは2回目だ。以前はトヨタ主催のイベントで、レクサスLFAのレーシングカーを走らせた。あの天使の咆哮を、東京都内の摩天楼に響かせたのだ。
だが、今回はちょっと趣向が異なって、主要自動車専門誌6誌が主催だ。クルマの楽しさを、普段触れる機会のない人達に知ってほしいというのが主旨。その考えにGAZOO Racingも賛同。いま話題の中心であるGRMNを走らせたのである。成瀬弘マスタードライバーも顔を出すという豪華イベントだった。
いやはや、こういったイベントは実に素晴らしいことだと思う。
サーキットイベントもいいと思う。トークショーも有意義だ。ただし、極端なことを言えば、わざわざサーキットに足を運んでくださる人達はすでに、クルマの魅力を知り尽くしている人達な訳で、今さら言わずもがなな仲間達だ。
だが、お台場となると話は別だ。クルマに関心のないパパやママや、それこそお婆ちゃんや孫達の目に、クルマの魅力を振りまくことができるのである。ここがポイント。わざわざ訪れてきたのではなく、(いや、わざわざ組の熱心なファンも大勢いたけれど…)立ち寄ったらたまたまそこでキュートなクルマが走っていた…という気楽さがいいのだ。
お台場名物の観覧車は、“頂点でKISSをすると結婚できるかも”なんてメッセージがあったりするわけで、あきらかにサーキットとは異色だ。彼女とデートでもと企んで肩に手を回しながら来てみると、そこではマシンが激走しているわけで、ついでに観ていこうか…なんてことからクルマの楽しさを再確認してくれるかもしれないのだ。
「あのちっちゃいクルマ、可愛いわ…」
なんてことで、iQ GRMNが人気者になっちゃったりするわけ。
実はぼく、GAZOO RacingのFRホットハッチコンセプトのデモランをやりました。
「これって、FRなんですか?」
なんて質問を受けた。
「はい、後輪駆動ですよ」
「なんていう名前のクルマですか?」
「輸出仕様のアイゴがベースです」
「売ってるんですか?」
「発売はまだです」
「あら、残念!」
なんてことで、人々の反応の熱さを実感したりしたわけだ。
しかもぼく、自動車専門誌の雄である「カートップ」が持ち込んだ“トゥクトゥク”も走らせた。いや、正確には走らされた。トゥクトゥクって、タイ版の三輪タクシーなのです。650ccのエンジン積んで、スロットルはバイク感覚、でも左足がクラッチ。それでいてシフトレバーは股の間からニョッキリはえるって代物。それで衆目の中を激走したのだが、トゥクトゥクって名前は実は愛称で、そのなんともほのぼのとしたサウンドから命名されたという。つまり激走というより、まさに亀のようなトゥクトゥク走りなのである。ちょっと恥ずかしかったぜ。
もっとも、GRMNだってトゥクトゥクだって、日頃はお目にかかれるものではない。それを都内のど真ん中で走らせるってことに意味があるのだ。いやはや、実にいい趣向だったと思う。そこにGAZOOが意気に感じて参加したってことが、嬉しいじゃありませんか。まさに“クルマの魅力を振りまくGAZOO”らしくもあり、“乗って、観て、語り合う”GAZOOの真骨頂なのである。
いわば地道な草の根運動なのね。だってそこで走らせたからって、すぐにGRMNが売れるっていうものじゃないんだから。iQ GRMNはすでに完売だし、次のモデルも発売未定なのだ。唯一、直接利益に結びつくのは、「G'sノア/ヴォクシー」くらいでしょ。というのに、啓蒙活動としてそのイベントに参画した心意気に感動させられたのである。
勢いづいてしまったキノシタは、
「次回もぜひやりましょうよ…」
だなんて主催者に迫ってみた。
「できれば次回は、皇居の回りを貸し切って…」
あきられたけれど、なかなかいいアイデアだとは思いますよ。ハイ!
アイスランドの火山噴火の影響で参戦が危ぶまれていたVLN3戦、なんとかこ無事テスト参戦が終了した。実は渡独のためのフライトが確定したのが、出発数時間前の深夜のこと。結局、確保できたシート数の関係で、渡独したドライバーはぼくひとり。
総監督の成瀬さんとメニュー消化することができのだ。
「でも、俺は一周するだけだからね。あとは木下君に頼んだよ」。VLN4時間耐久レースは文字どおり「キノシタの4時間耐久レース」になりました。
www.cardome.com/keys/
【編集部より】
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