レーシングドライバー木下隆之のクルマ連載コラム ~木下アニキの俺に聞け!~クルマ・スキ・トモニ

人とクルマの、ともすれば手の平から溢れてしまいそうな素敵な思いを、丁寧にすくい取りながら綴っていくつもりです。人とクルマは、いつまでも素敵な関係でありたい。そんなGAZOOが抱く熱く溢れる思いが伝わりますように…。
レーシングドライバー 木下隆之氏


77LAP 憩いの住処がもうひとつ…      (2012.7.24)

ホテル・リンドナーにもぜひ!

ニュルブルクリンクの正面ゲートにそびえる『ホテル・ドリント』が、彼の地に訪れるカーガイの憩いの場なのだと、かつて紹介したことがある。

ホテル・ドリントは欧州全土に展開するホテルチェーンなのだが、ニュルの造りは独特で、サーキットに寄り添う宿らしい装いである。

そこかしこにモーターレーシングが溢れている。正面ロビー横のバーラウンジの天井からは「ザクスピードF1」が釣り下がっている。各階のエレベーターホールにも、それぞれ志向をこらしたモーターオブジェが展示されている。一階のバーレストランは夥しい数のレース写真とドライバーサインで埋め尽くされている。モーターレーシングファンならば、一度ならずとも足を運びたくなる場所なのである。ニュルを訪れたらドリントへ…。クルマ好きの聖地だと思う。

ただし、数年前にライバルが出現。中東資本だと噂されているそのホテルの名は『ホテル・リンドナー』
ドリントが最終コーナーに接するのに対してリンドナーは1コーナーに寄り添う。ドリントが正面ゲートにあるのに対してリンドナーはサブゲート真横だ。どこか欧州風テイストの残る造りであるドリントと対峙するように、リンドナーは米国式近代的ホテルの様相なのである。まさにライバル…。

かくゆうキノシタは、あれほどドリントに惚れていながら宗旨替えなのだが、最近の定宿はリンドナーである。新しい分だけ綺麗なこと。新しい分だけネット環境が整っていること。などを理由に、宿はリンドナーに決めているのだ。

もっとも、居心地の良さも理由である。ドリントと同様に、ホテル内はモーターレーシングで埋め尽くされている。エントランスを跨いだ瞬間からどっぷりと、モーターレーシングの世界につかれるのである。

フランクフルト空港からレンタカーを飛ばして約1時間30分。翌日からのサーキットランを控えて気持ちを高揚させ整えるには、モーターレーシングを強く感じさせてくれるホスピタリティは都合がいい。サーキットアタックに備え、気持ちを徐々に高めていくには、最適な施設なのである。

エントランス、ロビー、バーラウンジ、ダイニングレストラン、部屋、バスルーム、そして廊下…。すべてがレーシングワールドなのだ。

以下、文章で説明する必要はないだろう。写真からその雰囲気を感じてくだされ!

  • 五階建てのリンドナーは、サブゲート脇にそびえる。併設するジェットコースターは、メインストレートに添って走る予定。コースを疾走するF1マシンと同じ速度で並走させる予定だったというが、あまりに速すぎるために危険、という理由でまだ稼動していない。発想はいいのだけどね…。
    五階建てのリンドナーは、サブゲート脇にそびえる。併設するジェットコースターは、メインストレートに添って走る予定。コースを疾走するF1マシンと同じ速度で並走させる予定だったというが、あまりに速すぎるために危険、という理由でまだ稼動していない。発想はいいのだけどね…。
  • ロビーには、F1ドライバーの肖像画が飾られている。G・ベルガー、N・ラウダ、Y・リントが微笑む。この日はモータサイクルが展示されていた。日々展示物は変更され、飽きることがない。
    ロビーには、F1ドライバーの肖像画が飾られている。G・ベルガー、N・ラウダ、Y・リントが微笑む。この日はモータサイクルが展示されていた。日々展示物は変更され、飽きることがない。
  • S・ベッテルとM・シューマッハに見守られながらダイニングレストランへ…。
ドイツ飯は日本人の舌にはあまり合わないらしい。ただ、こうして出迎えられると美味に感じるから不思議である。
    S・ベッテルとM・シューマッハに見守られながらダイニングレストランへ…。
    ドイツ飯は日本人の舌にはあまり合わないらしい。ただ、こうして出迎えられると美味に感じるから不思議である。
  • 部屋の入り口からこんな具合。
    部屋の入り口からこんな具合。
  • 中に入っても、ことごとく絵画はモーターレーシングにちなんでいる。寝ても醒めてもモーターレーシングどっぷりなのである。
    中に入っても、ことごとく絵画はモーターレーシングにちなんでいる。寝ても醒めてもモーターレーシングどっぷりなのである。
  • テレビをつけてもご覧のとおり。通常のBSテレビの他に、サーキット映像が流れている。ここからコースの状況を確認しながら、そろそろサーキットに向かおうかなあ…なんてことも可能なのだ。レースとホテルが一体になっているのである。
    テレビをつけてもご覧のとおり。通常のBSテレビの他に、サーキット映像が流れている。ここからコースの状況を確認しながら、そろそろサーキットに向かおうかなあ…なんてことも可能なのだ。レースとホテルが一体になっているのである。
  • 風呂に入ってもこれ。片時もモーターレーシングから離さない。
    風呂に入ってもこれ。片時もモーターレーシングから離さない。
  • 一階のバーラウンジももちろんこれです。アウディ・アウト・ウニオンのペダルカーは、これだけで数百万円ほどしそうなクオリティである。レッドブルの絵画も、いったいいくらなのでしょうね?
    一階のバーラウンジももちろんこれです。アウディ・アウト・ウニオンのペダルカーは、これだけで数百万円ほどしそうなクオリティである。レッドブルの絵画も、いったいいくらなのでしょうね?
  • 廊下のジュータンにはこんな文字が『SLICKS』。直訳すれば「すべすべした」となるのでしょうが、もちろん廊下が滑りやすいわけもなく、「スリックタイヤ」を意味してるのでしょう。
    廊下のジュータンにはこんな文字が『SLICKS』。直訳すれば「すべすべした」となるのでしょうが、もちろん廊下が滑りやすいわけもなく、「スリックタイヤ」を意味してるのでしょう。
  • 『QUALIFYING』。サーキットに向かうその日、第一歩目がこれでした。気合いが入ろうというものです。
    『QUALIFYING』。サーキットに向かうその日、第一歩目がこれでした。気合いが入ろうというものです。
  • 『STOP-AND-GO-PENALTY』 朝一の第一歩がこれだと嫌ですね。エレベーターホールにあるのは、ちょっと待ってねという意味なのでしょうか?
    『STOP-AND-GO-PENALTY』 朝一の第一歩がこれだと嫌ですね。エレベーターホールにあるのは、ちょっと待ってねという意味なのでしょうか?
  • 『WHEELSPIN』。いいような悪いような…。
    『WHEELSPIN』。いいような悪いような…。
  • 『AERODYNAMIK』空力エンジニアには喜ばれそう…。
    『AERODYNAMIK』空力エンジニアには喜ばれそう…。
  • 『LOLLIPOP MAN』だったらこの部屋を指定するでしょうね。
    『LOLLIPOP MAN』だったらこの部屋を指定するでしょうね。
  • 『SPLASH'N DASH』雨粒の中ビビらずダッシュせよ。その先には『MARSHALLS』が待ってくれています。
    『SPLASH'N DASH』雨粒の中ビビらずダッシュせよ。その先には『MARSHALLS』が待ってくれています。
木下アニキの俺に聞け 頂いたコメントは、すべて目を通しています!するどい質問もあって、キノシタも大満足です!言っちゃダメなことなど。オフレコで答えちゃいますよ!
ニックネーム「たけぞう」さんからの質問
今、自分は転職して思った以上の新しい仕事の大変さにへこたれそうになっています。
木下アニキはその持ち前の明るさと豪快さで車をねじ伏せるように困難もねじ伏せて乗り越えてきたように見えますが、今までの人生の中でこれはヤバい…と思ったことはありますか?

ヤバいと思ったことないんだよね。たしかにレースでは危険な場面はあった。命の危険が迫っていた。だけど、こと仕事に関してヤバいと考えたことは一度もないのだよ。

というのも、キノシタが完璧な能力の持ち主でないことは明白です。いつもミスばかりです。思うように事が運ばないことばかりです。だから挫折しそうになることはある。ただし、究極のポジティブ人間ゆえに、劣勢も最大のチャンスだと発想を転換することにしているのだ。

たとえば、仕事が減ったとする。減ったら別の仕事にチャレンジできるチャンスだと考えます。仕事が減ったら、別の仕事にじっくりと取り組める時間ができたこととイコールだから、それは好機だと考えます。といった具合に、すべてがチャンスだと解釈する性格なのだよね。

ただ、仲間が減るのは絶対に避けたい性分だから、人を裏切ることはしないつもり。
それやったらほんとうにヤバいからね。

キノシタの近況

  先日素敵なクルマを見掛けました。いるんですねぇ、いろいろな趣味の方が。ピンクのレクサスIS。目立っていました。いいことありそうです。
www.cardome.com/keys/

【編集部より】
木下アニキに聞きたいことを大募集いたします。
本コラムの内容に関することはもちろんですが、クルマ・モータースポーツ・カーライフ…等のクルマ情報全般で木下アニキに聞いてみたいことを大募集いたします。“ジミーブログ”にてみなさまのご意見、ご感想をコメント欄にご自由に書き込みください。