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舘信秀×星野一義×近藤真彦
スーパーフォーミュラ監督対談 前編(3/3)

最近はデータが重要視されるけれど、まずは走ることからです KONDO RACING 近藤真彦監督

-- 星野さんの現役時代は、海外から来日した外国人を星野さんが迎え撃ってました。
今や多くの外国人ドライバーが日本のスーパーフォーミュラをベースとしている時代ですね。
日本人と外国人ドライバーの違いなどありますか?

近藤 星野さんの闘いを見て、それに憧れていましたね。

当時の星野さんみたいな若手の出現に期待してますよ。

近藤 ゴルフでいったら石川遼選手みたいなね......。

ウチはSUPER GTで"平川亮"は乗せましたけどね(笑)

監督対談中の舘信秀監督、星野一義監督、近藤真彦監督

星野 そう言えば、現役時代のあることを思い出したんだけれど、ピットで自分(星野)のクルマをじっと見つめているひとりの外国人ドライバーがいたんだ。スタッフに聞いたら、(ミハエル)シューマッハーという選手だった。10分も20分も、正々堂々と30分くらいボクのクルマをじっと見ていて動かない。彼は、教えてくれる人なんていないから速さを目で盗んでやろうとしていたのだと思う。そのぐらい彼は速さに対して貪欲だった。

そして、ドライバーって良い人はダメなんだよね。日本で1レースだけF3000走ったシューマッハーは、その時チームメイトがジョニー・ハーバートで、クルマの下面のカウルを見たらハーバートの方がキレイだったんで、替えさせたらしい。速く走るためには嫌われようが、そんなこと関係ないんだ。たぶん、人間としては好かれていないと思う。でもチャンピオン獲ればそんなの関係ないんだよね。その後、シューマッハーは皆が知っているように活躍したからね。

残念ながら、今星野さんが言っていた、シューマッハーみたいな日本人ドライバーは居ないね。本当に残念。われわれとしても何とかしないといけないと思いますよ。

近藤 下のカテゴリー、エントリーレベルのカテゴリーを整えるという必要性もあるのではないかと思います。

星野 それも必要だけれど、そのような環境の中でも這い上がって行くためには、人と違った努力しないとダメだよね。また、自分の話になってしまうけれど、駆け出しの頃は、朝からレーシングスーツ着て、先輩の走行が終わるの待っていて、走れるのは最後の10分。先輩が富士の旧100Rを全開で走っているのを耳で聞いて、『よし、自分も全開で走ってやる。決めたら絶対やる!』ってアクセル戻さなかったらそのままクラッシュした。でもそんなことで怯まなかった。次、次って最後は全開で回れた。走るのが一番! 本読んだって、データ見たって速くはならない!

近藤 そうですね。最近はデータが重要視されるけれど、まずは、走ることからですよね。

そお?最近は、シミュレーターという良いものもあるのじゃないの? けっこう性能が良いって聞いてますよ。

近藤 やはり、横Gとかも感じられるものでなくては、コースを覚えるだけに留まってしまうでしょうね。

星野 だから! 走るのが一番なんだってば!(笑)

近藤 日本人ドライバーとの違いですけれど、外国人ドライバーって、レース中にドライバーに任せっきりというか、それまでの準備を完璧にしておけば、結果を出してきてくれるんですよね。

星野 そうだね。こっちが思ってもいなかったところで抜いて勝ってくるとかね。

アンドレを見ていると、あのスタートの上手さだね。そして、ちょい濡れ路面の速さは、凄い。そして、彼はドライバーである前に完全にアスリートですよ。だって、元旦からオーストリアのトレーナーのところに行って、ガンガントレーニングをしてますから。日本人はお屠蘇気分だけれど(笑)。そして、日本にいてもトレーニングは欠かさない。山中湖に遊びに行っているのかと思ったら、自転車で富士五湖を走ってトレーニング。速く走るために鍛えている。レースウイークではお酒は一滴も口にしない。ビール一口くらいは良いじゃないかと誘っても、絶対に飲まない。その代わり、オフの時には少しはめ外すぐらい朝まで騒いでいることはあるみたいですね。レースに対する取り組みとして、オンオフのメリハリはハッキリしてますよ。

アンドレ・ロッテラーと舘信秀監督

近藤 日本人のドライバーだとちょい濡れだと、凄く心配で無線であれこれ指示しちゃうけれど、外国人は任せていて良い。今年ウチのジェームスも、速いです。スタートのランプが点灯したら"ドカン"という瞬発力、爆発力を発揮してくれます。

星野 そうね。あの襲いかかるような闘争心というか、前に出ようという気持ちが凄い。

やっぱりDNAが違うのかな。でも星野さんみたいなドライバーもいたわけだから、日本人にもできるはずだよね。

次回、後編では、監督たちのレースに賭ける情熱、今シーズンのチーム状態、ライバル関係、今季の目標など、今に関わる話題を中心にお話ししていただきます。さらに熱いコメントやお互いへのエールなどが飛び出します。お楽しみに。
※この対談はスーパーフォーミュラ第3戦富士の予選前に実施しました。対談の内容は第3戦前のものです。