予選1位の山田英二選手はスタートを失敗
予選でトップタイムをマークしたのは、#770山田英二選手。まだ86/BRZレース参戦2戦目での快挙だった。数多くのレースで活躍してきたベテランドライバーとはいえ、経験値が少ない中で、見事な速さを見せた。2位に#1谷口信輝選手、3位には岡山のスペシャリストでもある#906阪口良平選手が並んだ。
決勝レースはスタートから波乱が起きた。ポールポシジョンの山田選手がホイールスピンを起こしてスタートが遅れてしまい、谷口選手に先行を許してしまう。ペースの上がらない山田選手は続くアドウッドカーブでハーフスピンを喫して、阪口選手と、予選6位からいいスタートを決めた#30青木孝行選手にオーバーテイクされてしまう。青木選手はさらに阪口選手をパスすることに成功する。1周目終了時点での順位は、1位谷口選手、2位青木選手、3位阪口選手、4位山田選手となった。2位争いが激化する中で、谷口選手は簡単に1.872秒のリードを作った。
レースは接近戦の2位争いが続き、谷口選手は後続とのタイム差を1.6秒から1.8秒の範囲に維持しながら、自身のペースをコントロール。マシンに負担をかけることなく、安定したペースで走り、2連勝を飾った。結局2位争いは順位が変わらず、2位青木選手、3位阪口選手、4位山田選手が入った。
決勝結果
- Rank
- Driver
- Car name
- Total time
- Gap
-
- 1位
- #1 谷口 信輝
- KTMS 86
- 22'37.892
- -
-
- 2位
- #30 青木 孝行
- ケーエムエスADVAN86R
- 22'40.918
- +3.026
-
- 3位
- #906 阪口 良平
- AREA86倉敷
- 22'41.661
- +3.769
-
- 4位
- #770 山田 英二
- CUSCO BS 86
- 22'42.543
- +4.651
-
- 5位
- #97 近藤 翼
- 神奈川トヨタ☆DTEC86R
- 22'53.225
- +15.333
超ベテランドライバー山田英二選手の走り
わずか参戦2戦目でポールポジションを獲得した山田選手。国内外のドリフト系イベントやメディアで、ターザン山田として知られている。しかし日本のトップドライバーとして活躍してきた超ベテランドライバーでもある。予選は「上手くタイヤをマネージメントできた」と本人が自画自賛するように、きっちりとタイヤを使い切り、見事なタイムを叩き出した。それは極めてベテランらしい技術といっていい。
しかし決勝レースでは、やはり86/BRZのマシンに対する経験値が出てしまった。スタートでのホイールスピンが過大となり、遅れてしまったのだ。タイヤに対する熱も不十分だったようでタイトコーナーで姿勢を大きく崩してしまった。「まだ1年目だからね。彼らは3年目でしょ。86/BRZというクルマのことをもっと知らないとダメだよね」。このレースウィークに誕生日を迎えた超ベテランドライバーは、とても悔しそうにそう語ってくれた。イコールコンディションゆえに奥が深く、それが超ベテランに新たな闘志をもたらすことになるに違いない。