難しいコンディションを制した佐々木雅弘がシリーズ初優勝を飾る

2015.09.28 GR86/BRZ Race2015

一進一退の目が離せないバトルが展開

路面温度の低い秋の富士スピードウェイ。しかも雨混じりの空模様。第7戦は、プロドライバーにとっても難しいコンディションでのレースとなった。タイヤのグリップには発熱が必要だが、そこに引き上げるまでに時間がかかり、細かく変化していく雨を受けた路面が、ドライビンクをさらに難しくする。
今回、プロフェッショナルシリーズは予選決勝を日曜日に行う1dayとして開催された。

 

予選はほぼドライという状況でスタートした。しかし路面温度は低く、ドライバーはしっかりとタイヤを温め、グリップを引き出すことが求められた。最初にタイムアタックを成功させたのは#34佐々木雅弘選手。続いて#557大西隆生選手がタイムアップしたものの、佐々木選手には及ばず2位。その間に佐々木選手は2分5秒367までタイムを引き上げた。
その後、前戦十勝から調子を上げている#369平中克幸選手が2位、#30青木孝行選手が3位に入った。#1谷口信輝選手はいつものように遅いタイミングでアタックを開始したが、2分5秒772がベストで4位となる。押し出された形で大西選手は予選5位。

 

午後に行われた決勝レースは、小雨が舞うコンディションとなった。オープニングラップで1コーナーは混乱したものの、トップグループはスムーズに進んだ。ヘアピンコーナーで佐々木選手を平中選手がオーバーテイク、だがその直後、接触により平中選手のリヤバンパーが外れ、引きずる状況になるトラブルが発生。この状態での走行は危険と判断されると、ピットインして修復しなければならないが、幸運にもリヤバンパーは完全に外れてしまいそのまま続行。
しかしトップスピードが伸びず、平中選手は4周目に#17織戸学選手に、5周目に佐々木選手に、いずれも1コーナーの立ち上がりで先行を許してしまう。
そこからは織戸選手を先頭に、肉薄する佐々木選手、それを追う平中選手と谷口選手、大西選手が1列に並ぶ展開となった。レース終盤、タイヤが限界に近づき苦しい織戸選手に佐々木選手が接近戦を展開し、ファイナルラップの1コーナーで見事にオーバーテイク。トップに立った佐々木選手が参戦5戦目での初勝利を獲得した。
2位は織戸選手、3位には平中選手という表彰台の顔ぶれは、とても新鮮だった。最終戦となる鈴鹿では、どんな新しいレース展開が見られることだろうか。

決勝結果 プロフェッショナル

Rank
Driver
Car name
Total time
Gap
  1. 1位
    #34 佐々木 雅弘
    asset・テクノBS86
    21'25.703
    -
  2. 2位
    #17 織戸 学
    モルフォ頭文字DサミーK186
    21'25.855
    +0.152
  3. 3位
    #369 平中 克幸
    GY RACING 86
    21'26.495
    +0.792
  4. 4位
    #1 谷口 信輝
    KTMS 86
    21'26.738
    +1.035
  5. 5位
    #557 大西 隆生
    オートバックスG786ポテンザ
    21'26.932
    +1.229

若手ドライバーに注目

プロドライバーが凌ぎを削るワンメイクレースは、どうしても経験豊富なベテランドライバーが優位にある。今回はそんな中でチャンスを探る若手ドライバーに注目してみた。

  • 若手ドライバーに注目
    昨年はフル参戦していた#123小原侑己選手は、今シーズンはチームをネッツ富山へ変え、今回が4戦目となった。予選順位が課題ということもあり、今回も38位からのスタート。しかしレースでの追い上げは素晴らしく25位まで順位を上げた。ちなみに第3戦富士では、予選35位、決勝20位という成績を残しており、もしスタート位置がもっと前だったら、結果は大きく前進するに違いない。
  • 若手ドライバーに注目
    今回のプロフェッショナルシリーズ紅一点となった#89三浦愛選手は、第2戦岡山に続いての参戦。カートからフォーミュラーというルートでステップアップした三浦選手にとっては、ツーリングカーでのドライビングがまだよく理解できないという。今回のレースではスタートで大きくタイムロスし、順位を落してしまった。その後は順調な走りを見せたが、最終コーナーでハーフスピンをし、35位でフィニッシュしている。
  • 若手ドライバーに注目
    時おり鋭い走りを見せる#339山下亮生選手は、前回の富士では予選31位であったが、今回は28位からのスタートとなりポジションアップ。しかし雨が混じる混乱したレースの中で、大きく順位を落してしまい、36位となった。
  • 若手ドライバーに注目
    現役のスーパーGTドライバーである#83吉田広樹選手は、経験豊富なキャリアもあるが、予選は24位から決勝22位と、難しい中段の位置ながら堅実なレース運びを見せた。ただ、いかにスーパーGTドライバーであっても、86/BRZ Race初戦では速さを引き出すには十分ではなかったようだ。

GR 86/BRZ Race 決勝インカームービー

<左上>#34 佐々木選手<右上>#17 織戸選手<左下>#369 平中選手

▼正式結果表はこちら

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