最終ラップで魅せた!S耐で得た粘りの走り
熱いレースが繰り広げられているクラブマンシリーズ。今回のステージであるスポーツランドSUGOは、コース幅は狭く、コーナーのバンク角が強めで、またランオフエリアが小さいのが特徴。そうした個性的なコースだけに、経験が少ないと限界が探りにくいという声もある。
クラブマンシリーズのエントリーは29台。いつもの上位陣に加えて、ベテランドライバー、3人の女性ドライバー、そして楽天イーグルスの主力選手として活躍した#777山﨑武司選手など、バラエティに富んだドライバーが名を連ねた。
予選は次々とトップが入れ代わる激しい応酬の展開となった。最初にトップタイムに表示されたのは、#759岩本佳之選手。初のSUGOというハンデを感じさせない走りを見せ、SUGOをホームコースとしている#660アネザキ選手もトップタイムを刻むが、最後は#305遠藤選手がキッチリと最速タイムを決めて、ポールポジションを獲得。2位には#84橋本選手、3位に#450小野田選手という、前戦の表彰台と同じメンバーとなった。
決勝レースでは、オーバーテイクが難しいコースだけに、スタートで先頭に立ったドライバーが圧倒的に有利に。ポールポジションの遠藤選手はそのまま1コーナーへ。背後には1周目に2位の橋本選手をオーバーテイクした小野田選手が、遠藤選手をジリジリと追い詰める。
そして最終ラップ、何度もチャンスを伺っていた小野田選手が隙をつき見事オーバーテイクに成功。今季2勝目を上げ、シリーズポイントでも遠藤選手を逆転してトップに立った。3位には橋本選手が入っている。
前週、チャレンジプログラムによってスーパー耐久レースへ参戦した小野田選手は、その経験が生きたという。「あの暑いレースでヘロヘロになった経験があったから、今日は冷静にいろいろと考えながら走ることができました。それがオーバーテイクにつながったんだと思います」
決勝結果 クラブマン
- Rank
- Driver
- Car name
- Total time
- Gap
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- 1位
- #450 小野田 貴俊
- N東埼玉T埼玉KND2和光86
- 22'28.349
- -
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- 2位
- #305 遠藤 浩二
- CGR080Tかえる君BS86
- 22'29.335
- +0.986
-
- 3位
- #84 橋本 洋平
- カーウォッチ86ポテンザED
- 22'30.089
- +1.740
-
- 4位
- #660 アネザキ
- AGRモティーズWoot86
- 22'33.967
- +5.618
-
- 5位
- #550 山口 吉明
- ラルグ水戸BRZ
- 22'41.055
- +12.706
Pick up CLUBMANs
楽天の地元宮城の子供たちへ山﨑武司選手から贈り物
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- CarNo.777山﨑 武司 選手
- 昨シーズンから86/BRZ Raceに参戦している山﨑武司選手にとって、やはり宮城というのは特別な場所だ。楽天イーグルスの選手時代に東日本大震災を経験し、被災・復興といった地元の様子を目の当たりにしている。それだけに凱旋ともいえる、今回のSUGOのレース参戦では「何かできる事は無いか」と考えていたという。そこで震災遺児や青少年の健全育成を目的とした、東日本大震災みやぎこども育英募金への寄付をすることにしたという。そして今シーズンのレース活動では、「がんばろう!東北」をマシンやレーシングスーツ、ヘルメットに掲げて参加している。
ベテランドライバーたちも86レースでエンジョイ中
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- CarNo.8イシカワ ヨシオ 選手
予選 7位決勝 10位 - 予選7位にも不満そうだった#8イシカワヨシオ選手。「どうも昨日から(走りの)リズムが悪くて、やっぱり体力の限界かな(笑) やっぱりFRでレースをするというのがいいですよね。ただ最近のFRは曲げるのが難しいね、昔はタイヤもバイアスだったし、突っ込んでコーナリングスピードを上げるのが大事だった。今はしっかり(速度を)落すところは落さないとダメなんですよ。頭では判っているんだけど、どうしても足が反応しないんですよね(笑)」
- CarNo.8イシカワ ヨシオ 選手
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- CarNo.550山口 吉明 選手
予選 6位決勝 5位 - 決勝で5位入賞を果たした#550山口吉明選手。86レースについては「ドライバーの腕って、そんなに変わらないと思うんですね。タイヤの状況とか、水温があがったりとか、バッドの違いとか、それらの積み重ねが順位の違いになっているのかな、と思います。自分もレースを始めて30年以上になりますが、資金的に苦労してやってきました。だけど86/BRZはレースに出られるし、そのまま街乗りも使えるので、若い人にもどんどん参加してもらいたいですね」
- CarNo.550山口 吉明 選手