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トヨタ車体は2010年12月6日、「小春日和」というにふさわしい暖かな日差しが降り注ぐ千葉県・ガッツ木更津エンジョイスポーツランドにおいて、ダカールラリー2011参戦発表を行った。同社は、05年からダカールラリーの市販車部門で5連覇を達成中(08年は大会自体が中止)の名門チーム。今回は、2011年1月に行われる大会での6連覇に向けて、新たなチーム体制が発表された。
多くの報道関係者が見守る中、色とりどりのスポンサーカラーに彩られた2台のランドクルーザーの前に現れたのは、チームを支えるメンバーたち。今年10月にチーム代表に就任したばかりという太田力トヨタ車体執行役員をはじめ、森達人監督、ドライバーの三橋淳&寺田昌弘選手。さらにはトヨタ車体社員の中から公募で選ばれた田中幸佑ナビゲーター、福岡トヨタ自動車から派遣される松本識裕&阪本歓喜の両メカニックが、引き締まった表情でズラリと並んだ。
まず太田代表はその挨拶の中で、「当社は世界中のお客様にご利用いただいておりますランドクルーザーを、トヨタ自動車とともに開発・生産しておりますが、このランドクルーザーで世界一過酷といわれるダカールラリーの市販車部門に出場することで、その安全性・信頼性・走破性の高さを証明するとともに、ラリーで培ったノウハウを車両開発にフィードバックすることを目的に、このダカールラリーに挑戦して参りました」と、参戦の根本になる目的を説明。同時に、「環境先進企業として地球環境に配慮したクルマのあり方を提供することもわが社の大切な使命だと考えております。ラリー参戦活動においても、廃てんぷら油を精製したバイオディーゼル燃料の使用など、環境への取り組みを進めて参りました」と述べ、07年から2010年大会まで競技車両の燃料として軽油に20%混合してきたバイオディーゼル燃料の使用を、2011年大会は100%にすると発表した。この廃てんぷら油は、同社周辺の学校をはじめ、地域住民やスポンサー企業、取引先企業、さらには同社社員の家庭や社員食堂などの協力で集められたもの。会社内だけでなく、地域を挙げて、参戦を後押ししているのも、同チームの特徴といえるだろう。
これに続き、森監督からは、2011年の参戦に向けて体制が発表された。「昨年は、未曾有の経済危機により、メンバーもほとんどトレーニングなしのぶっつけ本番という状況でしたが、最大限のチームワークを発揮して、何とか5連覇を達成できました。しかし、6連覇を目指すにあたっては、ライバルの台頭もありますし、チームの結束力をより強めるためにはこのままでは連覇の継続は難しいと思い、チーム編成の見直しに取組みました。また今年は、新人ナビゲーターの田中を起用することも決まっており、その育成も 大きな課題のひとつ。バイオディーゼル燃料を100%使用するという要素も加わりました。それらを考慮して、今回のチーム編成を確立しました」ということで、1号車に乗る三橋選手の相棒としてダカール経験25年というフランス人ベテランナビゲーター、アラン・ゲネックの加入を発表。2号車には、ナビゲーター経験豊富な寺田昌弘選手をドライバーとして起用して、新人の田中ナビゲーターを育成。それと同時に、1号車のサポートを行る体制作りをしたと述べた。また、昨年の参戦準備は国内でのトレーニングのみにとどまったということだが、今年はすでにモロッコでのトレーニングを敢行。実戦経験を積む意味でファラオラリーにも参戦するなど、万全の準備を整えてきたということだ。
これを受け、三橋選手は、「このチームと参戦するのは次の大会で4回目になりますが、非常に光栄です。僕自身、次回大会で優勝すれば通算3回目の優勝となりますが、チームに6連覇という前人未到の記録をもたらしたいと思っています」と、その意気込みを語った。また、寺田選手は、「昨年は取材する側でしたが、今年はしっかりドライバーの任を務めさせていただきたいと思います。私もまだまだ半人前ですが、新人の田中ナビと2人合わせて1人前以上の力を発揮し、1号車のサポート、6連覇のために頑張ってきたいと思います」と述べた。そして今回初めてダカールに行くことが決まった田中ナビゲーターは、「2010年1月に社内選考で社員ナビゲーターとなり、訓練を積んで来ました。まだダカールの経験はありませんが、6月のモロッコ訓練、10月のファラオラリーでの経験を生かして、チームとしての6連覇達成と、1号車のサポートができるよう全力を発揮して、必ず完走したいと思っています」と、初々しいながらも、力強くその抱負を語った。