• モタスポコラム その11-全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権&懐古全日本F3選手権
(写真 トヨタ自動車)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権&懐古全日本F3選手権

モタスポコラム その11 2021.1.15

遅くなりましたが、あけましておめでとうございます!そして、今年の成人式は、ニューノーマルで行われたところも多かったと思いますが、たくさんの若人に幸あれ!自分の若い頃出来なかったことを将来のある若人に託し、年寄りは大人しくという気分でおります。という訳で早速ですが、若者も集う昨年始まった全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権と過去写真がとっても懐かしい近年の全日本F3選手権を振り返ります。

  • 〇全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権

    モタスポコラム その11-全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権&懐古全日本F3選手権
(カローラチュウキョウ クオ チーム トムス 宮田莉朋選手)

2020年よりF3というフォーミュラのカテゴリーは、FIA F3の規格のスーパーフォーミュラ・リージョナルと、もともとの全日本F3選手権を受け継いだスーパーフォーミュラ・ライツに分かれました。私が全戦追いかけているスーパーフォーミュラの弟的存在のカテゴリーがスーパーフォーミュラ・ライツで国内独自のカテゴリーです。
2020年、TGR-DC育成ドライバーの二人がこのカテゴリーで頑張っていました。カローラチュウキョウ クオ チーム トムス(以下トムス)の宮田莉朋選手と小高一斗選手です。

宮田選手は参戦4年目となった昨シーズン見事ドライバーチャンピオンを獲得し、チームはチーム部門とエンジンチューナー部門も獲得、3部門でタイトルに輝きました。宮田選手は昨年スーパーGTでは、GT500クラスへとステップアップしましたが、前後しますが全日本F3選手権最後の年の2019年、惜しくもタイトル獲得ならずで残留。2019シーズンは、スーパーフォーミュラにステップアップしたサッシャ・フェネストラズ選手がタイトルを獲得、惜しくもタイトルを逃していました。ですので、新しくなったカテゴリー、SFLでの初代チャンピオンが命題となった訳です。チームも面目にかけても必ず獲らせないといけません。それがトムスというチームですからね…。そして、タイトルを獲得したことで、これまでこのラインに乗ってステップアップしていった大先輩たちときっと同様に、ますます2021年活躍することと思っています。

チームメイトの小高一斗選手。まだ体制発表はされておりませんが、きっとチームに残留でタイトルを目指すのではと思います。2020年の最終戦で、ようやく初勝利を掴みました。
おめでとう!トムス山田淳監督が抱き上げ賞賛。待ちに待った勝利で関係者も良かったと安堵の表情を浮かべておりました。スタンドに来られていたご家族もさぞかしこの時をお待ちになっていたことでしょう。

経験を積んだチームメイトとの闘いは、例年新しく参戦したドライバー(小高選手は2シーズン目でした)は気持ちを立て直すのに苦労しつつも、みんなが頑張って走り続けて来ました。宮田選手も、その前のチームメイト、坪井翔選手が圧勝の中で踏ん張って勝ちの経験を少しずつ積んで来ました。絶対良い経験になっているはずです。

海外のFIA F3よりも走行時間が総じて短いと、育成の先生でもある関谷正徳氏が以前話してくれました。ですので、レースウィークの木曜日から専有走行があって、精力的に練習を重ねています。それでも海外カテゴリーと比較すると足りないとおっしゃっていました。
モータースポーツは、自分自身がプライベートで練習できる時間はないだけに、レースウィークに与えられた時間を使って結果に繋げることがとても大事という難しいスポーツでもありますね。

〇将来を決める道程
あらためて、このカテゴリーでも屈指の名門チームであるトムスのスーパーフォーミュラ・ライツ、全日本F3選手権のお話を少ししましょう。チームが選んだドライバー、メーカー育成のドライバーと共にこれまでも戦い、才能のある若者たちを世に輩出して来ました。経済的に厳しい世界の状況下にあってもエントリーを続けて来たことは、業界の発展にも充分貢献していると思います(他メーカー系チームもそう)。多い時は参加台数が3、4台のシーズンももちろんありました。技術的なことは、私が言うまでもなく、チームのレベルはかつてマカオグランプリも制しグローバルである事は言うまでもないですが、それだけではなく、メンタルの部分でも若者はこのチームでかなり鍛えられるのではないかとそう思っています。
そして、このカテゴリーで10代後半、20代前半のシーズンを戦い、さらにどの方向へ向かうのか、結果次第で将来を左右する重要なシーンが訪れるのをみなさんも目にして来られたと思います。プロフェッショナルのモータースポーツは全てそうかもしれませんが、年齢的に将来プロドライバーとして生きて行く道を獲得する術がココにあるように思えます。特に国内に留まりその環境でモータースポーツ活動を継続するとなると、トップカテゴリーへ繋がる道ともなり得ますからね。

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    (ごめん、これしかなかった…)
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    (2012年 平川亮選手 F3岡山大会で優勝 ここで育った平川亮選手はとにかく岡山は庭、ほんと今でもレース強いですね)
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    (一緒に表彰台に上がっているのは、ホンダ野尻智樹選手、中山雄一選手とトップドライバーばかりですね)
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    (こちらも載せておきます。同時期、あのWRC勝田貴元選手もF3で頑張っていました!かわいいですね。よく覚えていますが、ほんとみなさん仲良しです)

もちろんこのルート、メーカー育成のみが全てではありません。自分で切り開くものでもありますし、トップカテゴリーだけがプロとして成り立っているという訳ではないことをご承知おきくださいね。
今をときめくあの“平川亮選手”は、実力を買われトヨタ入りしましたが、彼はF3時代メーカー系ドライバーではなく、その彼らを脅かす存在でした。見事F3のタイトルを獲得しメーカーの目に止まったのは言うまでもありません。充分な環境を勝ち取った育成ドライバーは言うまでもなくサラブレッドです。素晴らしいと思います。その彼らメーカー育成ドライバーをやっつける役目は、海外から日本にやって来た強者ドライバーが担っていたり…、それも例年トムスのチーム内でバチバチだったり、他メーカーのチームだったり…。だからこのカテゴリーは面白いんですよね。まあ、世界を見渡すとF3、F2も充実してF1のチャンスを掴んだりと状況はその時代で変わって来ていますが、どの段階でスターが生まれるのか、これが見ていて楽しいんですよね。

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    (2015年 ニック・キャシディ選手タイトル獲得 当時のチームメイトは…)
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    (山下健太選手がチームメイト!ヨーロッパ行く前のホンダ福住仁嶺選手も同時期!F3の振り返り楽しくなって来ました)
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    (2016年 こちらも載せておきます。山下健太選手のチームメイトとなったのは坪井翔選手でした。お二人も今や“速い”という代名詞ですよね)

過去には、トヨタ自動車はF1に参戦していたので、メーカー育成ドライバーになる為、たくさんの若者が門を叩きました。現在はホンダさんがF1を…でしたが、参戦取り止めのアナウンスが昨年ありまして、それはそれで残念ではありますが、将来の道を確立する為、有望なドライバーが国内外問わず集ってくる注目のカテゴリーなのです。ひとつ上のスーパーフォーミュラも近年F3からのステップアップで海外からも有力なドライバーを受け入れていますね。最近だとニック・キャシディ選手でしょうか。彼は今年フォーミュラEでデビューしますね、素晴らしい。ですが、日本のレース業界も捨てたもんじゃと改めて思う訳ですハイ。

    

〇チーム内のバチバチとF3世界戦マカオグランプリ

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    (向かって左、世界のヤマダ=トムス山田淳氏…海外でも名エンジニアとして以前から有名 現在はトムス全カテゴリーをまとめる立場でもあり、スーパーGT37号車の監督でもあります)
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記憶に残っている過去のシーンを遡ると2005年とか。この頃はチームに全戦帯同しておりましたので、ユーロF3シリーズやF1に行く前の中嶋一貴選手と国内トップカテゴリーで大活躍のジョアオ・パオロ・デ・オリベイラ選手のチーム内バトルを毎戦緊張して眺めていました。バチバチでした。中嶋選手は意外にもタイトルを獲ってないんですよね。オリベイラ選手がチャンピオンでした。二人ともマカオグランプリに参戦しましたね。

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    (2006年 懐かしすぎる)

2006年は、F1に行ってしまったエイドリアン・スーティル選手が在籍しチャンピオン。マカオグランプリでは、チームは久しぶりの3位表彰台を獲得しました。これは、私はプライベートで行って観戦しましたね。この年は、海外チームからTDP育成ドライバーとして、小林可夢偉選手、中嶋一貴選手、平手晃平選手がマカオグランプリに参戦したんですよね。
海外チームで頑張っていましたね。彼らとも話したのを記憶しておりますが、素晴らしい経験を当時積んでの「今」があると思っております。

(2007年石浦宏明選手もF3で頑張っていました。その7年後、真ん中のオリバー・ジャービス選手と2014年スーパーGTでコンビも組みましたね。大嶋和也選手もチームメイトで、今も仲良しです)
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    (大嶋選手がチャンピオンでした!)
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    (向かって右、亡き山田健二エンジニア。彼は日本人ドライバーを沢山育てました)

2007年は、TMSFのイベントが重なり見られなかった。トムスがマカオグランプリ2連覇、オリバー・ジャービス選手が優勝、2位ヨーロッパから参戦のホンダ塚越広大選手、トムス大嶋和也選手が3位なんて、日本勢大活躍の大団円でした。

前後しますが、2009年も現地に行ったけれどやはりイベントがあるので、木・金の走行だけ見て帰国しました。マーカス・エリクソン選手、彼もF1に行きましたが、ポールポジションを獲得してふわふわしている中、フェリー乗り場に向かいました。マカオから帰国、その足で夜中、御殿場に向かったっけ。相変わらず行動力お化けだったなあ。どんだけマカオグランプリを見たいんだという感じですよね(笑)。

井口卓人選手や2008年のマカオグランプリの覇者で国本雄資選手の実兄の国本京佑選手のF3最終戦からの流れも記憶しています。ランキング2位を争う戦いだったような…、最終戦で上位になった方がマカオグランプリのシートを獲得するので、これも緊張してみました。結果、国本選手がランキング2位でマカオのシートを獲得。この年はカルロ・ヴァンダム選手がシリーズチャンピオンでした。
マカオ出場ならずの井口選手でしたが、マカオに一緒に行ってチームのサポートをしていましたね。そして、ヨーロッパからTDP育成ドライバーとして大嶋和也選手が参戦。チームメイトは、ホンダの塚越広大選手でした。懐かしいです、とっても。ここのウェブの前身のモータースポーツサイトでリリース書かせていただくため、マカオに行かせてもらいましたね。当時のレポートないかなあ。写真をあやまって消してしまったので写真がなく残念すぎ…。マカオ制覇も見られたし、日本人ドライバーも沢山参戦していて、めちゃくちゃ濃い取材でしたね。今日勝ったの誰?日本人?なんて欧州のWTCCのチームがマカオから香港へ向かうフェリーで話していて、話に加わろうかと思ったしだい。翌朝は香港の新聞の一面になったり何もかもが懐かしいですね。

マカオグランプリは、F3の世界戦ですので、世界中から強者が集っていました。現在、F1の現役のドライバー、セバスチャン・ベッテル選手もF1に行かれる前にユーロF3に参戦。ベッテル選手とは、一言だけお話出来ました(笑)。F1に行ってしまえば雲の上の存在ですから、近づけませんしね。バルテリ・ボッタス選手やら、あと鈴鹿で残念ながら亡くなってしまったジュール・ビアンキ選手、ギド・ヴァン・デル・ガルデ選手、カルロス・サインツJr.選手などが10年くらい前のマカオグランプリで走っていたように思います。今思えばF1行くと思ってなくサクッと見ていましたね。

2017年にトヨタガズーレーシングのWECのチームに加入したブレンドン・ハートレイ選手もまだ若く、当時レッドブルの育成ドライバーでF1を目指していました。ロン毛でイメージ強烈でしたね、今はカッコいいけど。
2018年に久しぶり訪れたマカオは、坪井翔選手、関口雄飛選手、サッシャ・フェネストラズ選手ほかにも沢山いたかな。書き切れない。記憶を辿ると古い話はザクザク出そうだけど、2020年は中止で2021年はどうだろうね?

とにかく、この若人も集うF3ってつい言っていまいますがスーパーフォーミュラ・ライツ!こちら母さんとしては常に追いかけたいカテゴリーなんですが、これからますます世に出るドライバーに注目してくださいね。書き切れなくて、出て来なかったドライバーさんごめんなさい。また機会があれば追いかけたいです!

(写真 トヨタ自動車)

大谷幸子の近況

緊急事態宣言が出ておりますが、みなさまお元気でしょうか?まだまだ自由の少ない世の中が続きそうですが一緒に頑張りましょう。

さて、おうち時間が加速して、料理ばかりしております。インスタに載せまくりました。
開幕すると料理は当然手抜きなのですが、お正月休みは家族への“私、主婦頑張ってま~す”アピールがすごかったです(笑)。凝ったものはありません。おせちはほぼ自作なので安価(笑)。大量に購入した海老は庶民の味方で安価だったので、お正月休み大活躍。海老出汁のカレーまで美味しかったですね、海老本体は年越しそば用の天ぷらになったけど。ご近所さんから釣って来たアジもいただき下ろしたけど、プリプリでもったいないから途中でタタキにするのをやめ…。パンはカタチがイマイチでも美味しい。ホームベーカリーで昔作っていましたが、ひょっとして?とやり始めたらお手軽に出来るので、最近はバゲットにハマっています(クープが上手く入らないのでそれ用の小道具揃えるかな…独り言)。かまぼこは、飾り切りはとても簡単だけど、これだけで“映え”て料理上手と思われたので、今年は料理上手のイメージでいきますかね(笑)。実際テキトーなんですよ私の料理。分量を量るのが嫌いですしね。そして、凝る時間もない。工作が子どもの頃から好きなので、料理というより工作の時間です。自分で作ると食べるのはどうでも良く、他人様の作ったものも食べたいですが、なんせ家族が少食という…(爆笑)。人をお家に招くのも大好きで食べていただきたいですが、コロナ過で難しいですね。あーあ…。

山歩きも沢山しましたね。ウォーキングにしてはハード、トレッキングにしては走ってないけど、たまに絶景が見えたりと、かなりストレス発散になりました。一緒に歩きましょう、そして飲みましょう!(笑)と言いたいけど、これもコロナ過で難しい…。うまくニューノーマルを考えなくては。では、オフシーズンも執筆活動頑張ります。ほなまた!