• モタスポコラム その3 - SUPER FORMULA 開幕戦!
(写真:トヨタ自動車)

SUPER FORMULA 開幕戦!

モタスポコラム その3 2020.9.10

祝!スーパーフォーミュラ開幕、おめでとうございます!ドライバーのレーシングスーツ、メカニックが着用しているスーツを眺め、それが真新しいことに感涙。夏の終わりにようやく開幕!ということで灼熱のツインリンクもてぎのレースウィークを過ごして参りました。
開幕する事だけではなくお客様を動員しての開催は、関係各所のご尽力の賜物、そして何よりシーズン開幕を待ちわびたファンのみなさまの喜びも大きかったと思います。コロナ禍とは言え、楽しいこともあっていいよね。もてぎのピットは若干狭いので、かなり遠慮気味の撮影で現場を見守りました。お許しを…。では、トピックをピックアップして行きますね。

〇今季も大注目のコンドーレーシング

開幕戦からもう…ですのでいきなりココから行きます。サッシャ・フェネストラズ選手が加入し、山下健太選手がゼッケン3をつけ新たなシーズンを迎えたコンドーレーシング。監督は、ご存じ近藤真彦監督。近年若手の成長と共にチームも大躍進して来ました。

    

今季は、ますます安定の布陣。マッチ監督の下、山下選手に阿部和也エンジニア。昨年スーパーGTでタイトルを獲得した組み合わせ。そして、フェネストラズ選手には田中耕太郎エンジニア。そのキャリアは、実績が沢山ありすぎて書き切れない名エンジニアです。エンジニア対決じゃないけど、このすんごい二人と速いドライバーを揃えちゃいました。開幕戦から、予選決勝2位3位としっかり2台共に表彰台に送り込む快挙。“まぐれ”じゃない感が予想通りです。ルーキーなんて言葉が辞書にない、21歳フェネストラズ選手は、まったく驚かない想定内の速さ。世界で戦う山下選手と共に今季は2台とも大暴れでしょう。人気も爆発かな!楽しみです!

〇いつしか最年長ドライバー

昨年クルマがSF19に変わり、それに伴いタイヤも変わり難しいシーズンだったと思います。思いの外みなさん苦労していました。今季は、もろもろレギュレーションも変わりましたが、一番苦労したと思われるタイヤの運用がドライではソフトタイヤのみとシンプルになりました。その攻略がうまく行っているのか、石浦宏明選手や中嶋一貴選手の昨年苦労組(わたしの印象ですみません)が練習走行のセッションで上位に顔を出しまして、少し安堵しました。石浦選手は、昨年の最終戦でやっと感触を掴んだようなコメントをしていたので、今季はイケるかな?と得意のもてぎでもあるので期待を込めました。

最年長ドライバーという事ですが、私は全く感じないですね。毎戦、レースの詳細を仕事レベルプラス雑談レベルでもたくさん教えてくれる頼もしいドライバーさんなんです。いつも勉強させていただいてます。コラムにそのうち活かしますからね。2年目の坪井翔選手と共に頑張ってください。

ちなみにこちらのセルモ・インギングの高画質メカさんは、俳優の高橋一生さんにそっくりなんです(笑)。ぜひ!(なにがぜひ?)。

〇入社4年目25歳のエンジニア誕生 世代交代で強さを堅持

中嶋一貴選手、開幕戦は4位フィニッシュで来た来た!復活!という感じでしょうか。今季トムスは、東條力エンジニアをチーフエンジニアとして据え、1号車のニック・キャシディ選手のチャンピオンカーは変わらず小枝正樹エンジニア(スーパーGTも37号車は小枝エンジニアの担当)、36号車中嶋一貴選手の担当は大立健太(おおだちけんた)エンジニアを抜擢しました。今年に入り突然エンジニアの指名を受けたそうです。25歳9か月の事…。
ちょっとびっくりしたそうです。トムスを知ったのは小学生の時で憧れのチーム、そして東條さんも憧れだったそうです。友だちに誘われてフォーミュラニッポンを観に行ったのがきっかけとのことで、お父様もレース大好きなんですって。これはもうご家族あげて、きっと開幕戦もテレビに張り付いてご覧になったことと思います。うれしいでしょうね、子を持つ親としてよ~くわかります(妄想)。

大立エンジニア、デビューのレースウィークは、いつものようにとても頑張っていらっしゃったので、あれこれ聞かないでおきました。シーズン終わりに聞いた方がおもしろいかなと思ってね。師匠を超える勢いで頑張って欲しいですね。

この業界は、ほんと尊敬するベテランが多いですが若手も育てないといけないです。「層」を厚くして、クオリティはそのままに。チーム内でのエンジニアの育成は技術力の流出を防ぎますよね。そういう意味で、1号車の小枝エンジニアは、入社当時から知っておりますが、社内育成エンジニア。すでにタイトルを何度も獲得したりと気づけば素晴らしいエンジニアに育った…(上からじゃないよ)と思います。やっぱりどんな仕事も間口を広げて行く事も必要。現場で見ていて学びますね、はい。

〇何もなく1コーナーを抜けちゃえば勝つよ

開幕戦のレースウィーク終始好調だったのは、平川亮選手でしたね。彼は、初優勝した昨年のこのもてぎラウンドでもレースウィークを通してずっと速かったです。ですので、今回もこれは!と誰もが思ったことでしょう。速さとミスのない安定した走り、そして冷静さが期待をますます膨らませました。決勝直前に、彼の所属するチームインパルの星野一義監督と話しました。

スーパーGTではちょっと苦戦されているチームですが、そっちも頑張るから、スーパーフォーミュラは良い思いさせてと監督。「平川は、1コーナーそのまま抜けたら勝つよ」とあっさり。もちろんその通りでしたがうれしそうでしたね。そのスーパーGTで苦労してはいますが、頑張り屋さんでとても監督が気に入ってるという日産の平峰一貴選手がチームに帯同していました。マネージャーさん曰く、社長(星野監督)が大好きなんだよねとのことです。もう一人のかずきさん、監督のご子息でレーシングドライバーの星野一樹選手もチームにずーっと帯同していますね。

平川選手のチームメイトの関口雄飛選手もイケイケドライバーですが、今回ヘアスタイルがとてもおしゃれになってました。でもやっぱり彼は戦績でピックアップしたいので、お待ちくださいというか、後ろ姿の写真ばかりでイマイチ、次がんばります。ごめんなさい。

〇WEC帰国組、参戦かなう

WECスパのレースからの帰国の3人、小林可夢偉選手、中嶋選手、山下選手は、行動制限付きで参戦が叶いました。PCR検査は陰性との事でしたが、レースウィークは隔離された環境の中で過ごすことに。隔離という言葉から厳しい環境を想像してしまいますが、キャンピングカーに滞在していましたよ。動画撮影している場面にたまたま遭遇。追いかけるつもりはなかったので、記録ということでパチリ。

山下健太選手の滞在場所は、私の通り道となっていて(ごめんね)何度か前を通っているうちにご本人と一度ご対面。ドア越しに頑張って!と声をかけました。思うに、実は快適だったのではないかと思います。普段、ドライバーさんはだいたいトランポに滞在していますが、今回は一人になれる場所だったので集中するには持って来いだったのではと思いますね。
レースは見事2位でチェッカーを受けましたが、トップの平川選手を脅かす活躍でした。
チェッカーを受けたけど表彰台には行かず、最後まで隔離でした。お疲れさまでした。

普段からサーキット滞在中、キャンピングカーで過ごすドライバーさんもいらっしゃるので、快適な環境を確保してレースに臨むには、理想のスタイルかもしれません。今、欲しいものの一つではありますが(言うのはタダ)、何ともうらやましいです。いやコロナ対策だったね…。

〇予選のグループ分け

予選Q1はクジ引きで2グループに分けて行う開幕戦。満足の行くアタックを行うには、コース上のクルマの台数が少しでも少ない方が良いですからね。昨年導入された際は、ドライバーさんがクジを引いていましたが、今回はどうもドライバーさんがマストという訳ではなかったようです。走行セッションの何時間も前に、早起きして自らクジを引きに来られたドライバーさんたちに遭遇。なんとなく、これってさー…と気づいておりました…。せっかくなので、記念撮影しておきましたよ。開幕戦の思い出…。

クジ引きを待っていた青い彼女たちが、KCMGのマネージャーさんたちです。今季は小林選手、国本雄資選手の念願の2台体制ですのでマネ―ジャーさんも2人。向かって右側のMちゃんの妹さんは、コンド―レーシングのマネさん、向かって左のTちゃんの英語は天下一品。海外からのご出勤なのですが、お国に戻れないよね当分。居てくれると楽しいのでずっといて良いのですがね♪

KCMGの監督は、現役スーパーGTドライバーの松田次生選手。ちょうど前の週のスーパーGTではGT-Rのエース、23号車が2年ぶりに優勝で沸きました。前のコラムにあります。おめでとうございました。今回は青です。今季は2台。よろしくお願いしますね!
すみません、ドライバーの写真がイマイチで…、こちらも次、頑張ります。

〇ピットで笑顔になる不思議なマシン

今季初参戦のルーキーレーシング。ドライバーは、大嶋和也選手。監督はトヨタ自動車のドライバー育成システムの初代ドライバー、TKの愛称で親しまれ現役スーパーGTドライバーでもある片岡龍也選手です。スポンサーさんのカラーリングがニャンコ、ネコです。ルーキーレーシングのルーキーちゃんはわんこ。かわいいマスコット付きのチームですね。クルマのカラーリングは監督に似ている説もありますが、とにかくピットに入ると戦うことを忘れるくらい笑顔になります(笑)。新規参戦のルーキーレーシングの今季の活躍、期待してますね。

レースそのものを振り返ると、とにかく暑いレースウィークでした。そしてホンダ勢が振るわなかったなあと。もちろんTRDエンジンが頑張ったのもあると思いますが、ホンダさんのサーキットでもありますし、もっと上位に来ると思いましたね。そしてもう今月に第2戦が開催されます。26日、27日、岡山国際サーキット(岡山県美作市)です。バタバタのペースでレースが続きますが、しっかり見届けて来ますね!では、また!

大谷幸子の近況


このスーパーフォーミュラの開幕のワクワクに続き、富士24時間レースなるものにお邪魔して来ました。こちらは、楽しむカテゴリー「スーパー耐久」です。台風の影響で、大雨が時折降ったりのサーキットでしたが、富士スピードウェイで開催されるビッグレースにお客様を動員しての開催で、SF開幕戦に引き続き感慨深かったですね。そして、よくお見かけするファンの方々に結構声をかけられまして、不安定な天候の中、サーキットに足を運んでいただくその「愛」にめちゃくちゃ感謝でした。そして表彰式は、お客様がいた方がやっぱり良いね。「拍手」のありがたみをしっかり目と音で確認しました。

また、GRヤリスがデビューウィン、GRスープラも含めポールトゥウィン!クラス優勝でした。また、いつかはクラウンならぬいつかは24時間?クラウンもクラス優勝と話題のクルマがしっかり長丁場を戦い勝利をものにしていました。参加型レースは、見ていてほのぼのと言いたいところですが、スタート地点に立ってしまえば当然ゆるくなく…。でも仲間と戦うスタイルがとてもうらやましいなあ。参加されたみなさま、お疲れさまでした!

シーズン後半のスケジュールがなかなかきつく、プライベートでのんびりサーキットに行ってみたいですが、原稿に追われる日々は続き、当分無理かな…。富士24時間で見かけたテントたちとバーベキューをしているタイムラインが嗚呼…でした。また“焼く”話で恐縮(笑)。今週は、スーパーGTです。ツインリンクもてぎににまた行って来ますね!では!