3位表彰台獲得でシーズンを締めくくる ~SUPER GT最終戦もてぎ~
モタスポコラム その50 2022.11.25
SUPER GTも最終戦もてぎラウンドでシーズンを終了しました。いよいよ本格的なオフシーズンに入りさみしくなりますね。さっそく最終戦について振り返ってまいりますね。
〇搬入日
搬入日の光景も私は最後か~。オフはテストもありますから、チームは終わりではないですけどね。わたしは3月までお預け。だからまた朝もはよからサーキット入り。朝、サーキットに行く途中で那賀川に雲海の広がる光景を見て癒され、サーキットに到着すると施設内の銀杏が見事に色づているのを見て癒されました。銀杏の写真、これ↑だけですが北ゲートのもっとホテルに近い方がとても美しいのです。朝は曇っていましたが、搬入が始まるとみるみる晴れ渡りぽかぽか陽気になりました。
以前は寒かった最終戦も、今年は日中暑くて薄着で大丈夫な気候。久しぶりに最終戦がコロナ禍の富士スピードウェイから舞台を、今年新しくモビリティリゾートもてぎと名前の変わったもてぎに戻りました。
みんなが大好きなトランポ納めの最終戦ですが、ご挨拶を返してくださる運転手さんがますます増えていてびっくりしました。わからないことを訊ねても教えてくださるので、ほんと優しいお兄様方を前に、この年齢を凌駕した好奇心でどこでも生きていけそうな気がしてなりませんでした(笑)。最終戦は、レースウィークを通してバタバタだから、この金曜日から、今季、お世話になったお礼の挨拶も忘れずにしつつ、レースウィークがスタートしました。
既に、タイトル候補の17号車は、トランポからマシンがおりて、かつ1番ピット側のHonda陣営の一番前、1番ピットに鎮座をしていて、当たり前だけどやる気満々な姿で遭遇です。
ニスモさんのピットもタイトル最有力候補の3号車の方が1コーナー寄りで備えます。これも当然。前にピットがないので緊急ピットの時など、心配がありません。日産陣営はGT300クラスもタイトルの可能性が大きいので、その56号車が前にいました(あくまで個人的な妄想ね)。最終戦は、ライバル陣営、特にタイトル候補に注目するのももちろん忘れません。
もっとタイトル争いにからみたかったなあと思うTGR勢はポイント順で(多分)37号車が一番前のピット。次の可能性があるのが、14号車で隣でした。一年を通して、だいたいポイント順並んでいるのがTGR陣営ですね。
とにかく2台の自力タイトルはなくミラクルにかなり近いものではありますが、最後まで全力を尽くしてその可能性にかける!そんなレースウィーク。14号車の今季最後のイラストは(途中から気づいたので最初からあったかは謎、聞き忘れてしまったし)こちら。ココに載せることで、来季もかわいいのをお願いというプレッシャーをかけておきますね。
私だけ何かこうリラックスしたレースウィークの始まりでした。
予選日はいつも通り、午前7時から始まるGTA FROチームとサーキットオフィシャルさんの救出訓練からスタートです。つい見学に行っちゃいます。時間もいつも教えてくださるんですよね、オフィシャルさんたちが。宿泊地がサーキットから遠すぎる場所で、今年は一度だけお誘いいただいたのにごめんなさいしちゃいましたけどね。
いよいよ走り出し。ピット周りをしながらTGR勢に到着。今回一番奥だから気持ち遠い。トムスのピットで、大堀マネに挨拶。いきなり「今回で最後なんです!」と告白されました。まぢで?と。寿退社(今も使う?この言葉)とのことで、御殿場を離れるとのことでした。
彼女が6年前に入って来た時のことも記憶していますが、これでいったい私は何人にさようならと言ったんだろうと思いました。彼女の未来に幸あれと、心から願います。レースウィークの最後にサプライズで見送り会があるということも伺っておりましたが、これは間に合わずでした。今迄最終戦で最後のマネージャーはおりましたが、現場でこんな風に送り出すってあったかな。本社の東京の方々とお目にかかる機会もないから、この場でということなのでしょう。さみしい気持ちになりつつも走行スタートです!
粛々と時間が過ぎていきますが、タイトル候補の2台を含む各TGRピットは元気なし。近寄りたくない雰囲気かも…。奮起していたのはヨコハマタイヤの19号車。もてぎは、前に行かないと抜きにくいレイアウトですので、予選のポジションが大事。しかもラストですからね。
19号車めちゃ頑張った!ポールも期待した!予選2番手です。他のGRスープラ+ブリヂストンタイヤ勢5台、タイトルの可能性のある2台も含め下位に沈みました。昨年の優勝車の36号車は、なんと最後尾。どのピットも表情が当たり前ですが暗い…。これは近づけるムードではありません。いったんこのムードは忘れようということで翌日へ頭切り替え。
100号車がポールポジション獲得。もてぎだし、Hondaさんのホームだし、これはもう驚きませんでした。2番手、19号車フロントロウは、ほんと頑張りました。19号車のピットに行き、メカさんたちと談笑。今季はほんと頑張ったよね~と称えました。それと、国本雄資選手の変化、これを感じているのですが、それを本人にも話したところとても大きいというのがわかりました。昨年までだいぶ変わったそうでして、今季ご本人も戦績も良いですし、年下のチームメイトをリスペクトしつつ、自分もそれに負けないようとても頑張っていると思うんですよね。あとは、久しぶりに勝ちたいと。それだけです。
勝つこと。坂東正敬監督と、この勝つ周期について何か良い言い回しはないかと以前から話していて、何かに例えたいという話もこれで二回目なのですが思い浮かばない…。干支だと長いし、その前にぜひ勝ちたいし。オリンピックの開催されるうるう年の4年だと、すでに越えてしまっているし…。勝ちたい気持ちが全身から溢れ出ているのが、とても良くわかる。そりゃそうよね。しかし、レースも強い100号車が前に居る。メカさんとそれも話した。そして、ベテランメカのHさんと話していたら、100号車の山本尚貴選手はとっても良いやつだという話に辿りついた。チームメイトの牧野任祐選手も私も良く知っている。強豪が前にいて、そんな話になるのもちょっとおかしいかもしれないけど、プロスポーツだから冷静に見ている。長年業界にいるベテランメカらしいなと。
5台も下位に沈むと、もちろんまだ予選段階ではありますが、元気がなくなる訳です。レースのうまいTGR勢ではあっても心配になりますね。でももう終わってしまったこととして開き直ってやるしかないので。そこはね、ステアリングを握った時のみんなの負け嫌いのキャラクターに期待を込めるしかないのです。
キッズウォークには間に合わず、今季最後のポールポジション記者会見に行っていました。足りないものは何だろうね?って終わってから話したり、もちろんこれもココロの内にしまい込む話でしたがなんとも切ない予選日でした。
チームが比較的遅めなこの日も相変わらずさっさと出勤。現場にいるってとっても大事で、そこに居ないと目に出来ないことが多いし、でも何かこうね…さみしかったなあ。予選日でタイトルの可能性はなくなったので…。
今回からパドックにお客様が入れるようになったので、各チームのゲストの方もかなりいらっしゃいました。ですので、ピット前などお邪魔にならないようにしておりました。ピットウォークも沢山楽しんでいただきたいですしね。そこが以前と大きく変わったかな。ちょっと撮れ高おさえました。3年ぶりのパドックの開放。多分チケットの数量は絞っていると思いますけどね。私たちメディアは、これまで同様イベント広場方面への入場はできないので、こちらで大人しく…。久しぶりでしたね。ファンの方にお目にかかるのも。変わらずファンでいてくださるのはうれしいものですよ、ほんとに。
お天気にも恵まれ、何かサクッと決まってしまうだろうと思っていたら予想を裏切り、荒れました。いやー、なんと言ったら良いのやら。最終的に、3年連続の逆転劇でGT500クラスは12号車のタイトルが決定。序盤から荒れにあれ、セーフティーカーランがピットロードを通過というシーンもありましたね。GRスープラ勢は追い上げました。こんなに追い上げるなら予選で…とも思いましたが、大きなクラッシュがあったことにも起因しますし、それに巻き込まれ、39号車が序盤でレースを終えてしまうなど、悲喜こもごもの最終戦でした。
表彰台を3メーカーで分け合う激戦。ひとまず安堵です。お疲れさまでした。今季は、トヨタ勢でルーキーレーシングがランキングトップとなりました。これ仲間でも大事な事でして…。トムスからルーキーレーシングになったということです。来季見る側の楽しみが増えました。切磋琢磨、頑張って参りましょう!
6位入賞の37号車。オートポリス戦が痛いですね。悔やんでも仕方ないけど、あそこだな。宮田莉朋選手の速さは、いつかタイトル獲れる気がします。
チームのサプライズの花束贈呈には、間に合わなかったので挨拶にあとから伺いました。チームの舘香里さんと言った方がわかりやすいかな、舘会長のお嬢さんも在籍しているのですが、よく大堀さんに間違われたそうでね。確かに似てるなあと。ここで一緒にお別れをさせていただきました。
大堀さん、とても気遣いの出来る女性で、そして穏やかで冷静で素敵な女性なんです。お辞めになってからも応援してくれるそうなので、よろしくお願いします。かおりちゃん、この写真載せたから怒るかなあ(笑)。大堀さん引退は非常に残念ですが、トムスには他にもマネージャーがいるので心配ナシ。
7位入賞の19号車。スタートから頑張ってこのポジション。今季の進化は著しく来季が楽しみですね。国本選手、このレースよく踏みとどまりました。頑張ったなという印象が強く残りました。
ここは体制が大きく変わってまとめるの大変だろうなあと思っていたけど、佐野工場長が頑張っていました(写真が良いのがなくて無し)。慣れないこともあって大変だったそうですが、良いシーズンだったと答えてくれましたよ。そして、メカニックのうち3人しか優勝を経験した事がないので、そこを経験させもっとチームを底上げしたいとのことです。事務的なお仕事もあるので、かなり環境が変わったようですし、マサ監督の右腕にならないといけないし大変みたい。でもきっとやりがいがあると思うんです。引き続きチームを引っ張って行ってくださいよ!佐野さんのチームでの優勝も楽しみにしています!
2年目で独り立ちのマネージャーせなちゃんも頑張りました。もうね、高校を出てこちらに就職して、と母さん的には心配でいつもつい声をかけてしまいます。
昨年は教えてくださる方がいたのですが、今季は独り立ち。2年目の彼女は、自分の頭でたくさん考えたとのこと。失敗があったかもしれないけど、そこは業界にたくさん先輩もおりますしね。良いシーズンだったとおっしゃってました。お疲れちゃん!
最後尾から9位入賞。新人のジュリアーノ・アレジ選手がチームメイトとなった昨年のチャンピオン坪井翔選手。先生役となり頑張りました。戦い方を含め、もちろん昨年とは違いましたが、坪井くんの踏ん張りとチームの頑張りも忘れないでおきたいですね。
10位入賞。今シーズン最後まで心配していた一台でした。大ベテランたちを沢山の方が応援したと思います。来季は絶対蘇って、お伊勢さんのパワーで頑張ってくださいな。
ここにも独り立ちしたマネージャーが。金城みさきちゃん。こちらもやり甲斐があったでしょうね。スーパーフォーミュラもやっているので、問題なくシーズンが過ぎたはずです。いやかなり多忙だったかな?チームのトピックを常に教えてくださり、私は取材に困りませんでした。本当にありがとうございました。
今回はクラッシュで終わってしまいました。チャンピオンを迎い入れ、関口雄飛選手から学んで頑張ると近藤チーム代表がシーズン前におっしゃってましたが、来季ののびしろにも期待です。最後、残念でした…。
スーパーフォーミュラに続き、大きな報告はできませんでした。来季は、仕切り直しですね。終わった瞬間から、来季に向けて動く業界。今回は決勝の翌日からカーボンニュートラルのフューエルテストが行われるので、GRスープラは全車居残り。恒例のトランポの撤収の模様を見ることができませんでした。ま、いっか。そしてチームのみなさんは激務もいったん終了となります。しっかり休んでくださいな。今季も沢山の方にお世話になりました。ありがとうございました!
大谷幸子の近況
2週連続の最終戦が終わり、ここでじっくり書き物をしたかったのですが、行ってしまいました、ラリージャパンへ。初物は見ておかないとです。もうね、仕事じゃないサーキット、いや違う、なんて言うんだろ?ラリー、楽しかったです。国内のラリーも久しくうかがってないですが、世界は本当にスケールデカくてね。単純にWRCにハマって帰還しました。
WRCは、完全に初心者。勝田貴元選手に、木曜日ならいろいろ見られますよとアドバイスをいただき、木曜から4日間豊田市に滞在。楽しさしかなかったです。
ダカールラリーの仕事をしばらくしていた時期があります。南米から直に電話を日本側で受けていたので、情報は多分日本一早かったかもしれません(笑)。ですので、ラリー用語は知っていたので良かったですが、愛知、岐阜初開催で土地勘がないので不安でした。海外にひとりで行ってしまう癖に、豊田市が不安ってナニ…。
結局、この仕事を20年あまりで愛知県に知り合いやら友人やらが沢山いたことに今更ながら気づく週末になりました。スタジアムで何人に再会したでしょう(笑)。また来てるの?って沢山連絡をいただいたり、驚くことばかりでした。SSまで送ってくれたり、クルマを停めてくださる親友家族にも本当にお世話になりました。親戚の家に滞在したような錯覚を覚えましたね。毎日スタジアムまでテクテク歩くのも、ホテルで少しだけ仕事もしながらも散歩みたいになってね。しかも駅の周辺がリエゾン(移動区間)だから、世界のラリーカーが見られてワクワクしました。3週連続、濃い時間を過ごしましたよ。
終わったら、知り合い友人みんなが来年はリエゾンをもっと攻略したいと言ってて笑った。みんなハマってた。行って良かったです。勝田貴元選手の3位もビッグニュースでしたよね。おめでとうございました!という訳で、またね!