• モタスポコラム その70-今季初サーキット!スーパーフォーミュラ公式テストに行って来た!
    (写真:日本レースプロモーション)

今季初サーキット!スーパーフォーミュラ公式テストに行って来た!

モタスポコラム その70 2024.3.8

こんにちは!今季初サーキット行って来ました!具だくさんでしたよ。ドライバーがシャッフルされた事もありますが、盛り上がっているスーパーフォーミュラをさらに充実したものにすべく、コンテンツの追及が深い!そして、たくさんのスタッフの方が動かれていましたね。今後いろいろアウトプットが始まるとおもいますので、それはお楽しみということで。チームのみなさんはいつも通り勝利に向かってシーズンを突っ走る準備で多忙。これはいつものこと。真新しいスーツは迎える春の準備が始まっていて、そんな春を私は何度迎えたかな…とふと思いにふけりました。あちこち気になるポイントを拾いつつ、テストデーを振り返ります。

〇メディアデー

この公式テストまでのオフシーズンとこの公式テスト以降、開幕戦を経て第2戦のオートポリスラウンドまでインターバルが2か月と長いことから、今回丸一日、全チームの取材の為の会見を設けてくださいました。ですので、全てを網羅できるこのメディアデーで取材が出来てお腹いっぱいなくらいでしたね。コレ、これまでなかなかないですね。初日は全部メディアデーに私は費やし、テストが始まってからはミックスゾーン。何人も取材ができますので、取材待ち…の労力が減らせてこちらもほんと助かりました。台数の多いカテゴリーではなかなか同様に実現することが難しいですが、このF1のような海外のメディア対応のミックスゾーンメディア対応もすっかり馴染んで来ましたね。WEC富士でも経験していますが、台数が多いのでカテゴリーごとの上位やトップチームごとの場合だったりしますね。それぞれのレースでメディア向けの工夫が見られます。では、行きましょう。

~注目のニューフェイスから!~
昨年末のルーキーテストの取材には参加していないので、TGRの新しい雰囲気が今回初めてだったのですが、新しく加入した彼らの様子から追いましょう。
〇ようこそ日本へ!F2チャンピオンのテオ・プルシエール選手&チームを移籍!国本雄資選手(ITOHCHU ENEX TEAM IMPUL)

F2とは、スーパーフォーミュラチャンピオンの宮田莉朋選手が今季ヨーロッパでチャレンジしているカテゴリーですね。そちらの王者が日本にやって来ましたよ! 19号車(大駅俊臣エンジニア)を駆り頑張ります。まだ20歳で身長が189㎝もあるフランス人男子のテオ・プルシエール選手。早くお姿を拝見したかったので、ちょっとうれしかったですね。おぉ~彼か~とじっくり見てしまいました、失礼。

F1に近いカテゴリーF2でタイトルを獲得したもののF1のシートを得るのは容易ではなく…。その辺を伺ってみたかったんですよ。会見でも質問されていましたが、F1のリザーブドライバーという立場で実戦から遠ざかるよりも、レースをしたいという気持ちで日本に活躍の場を求めたとインターネットの記事を拝見していましたが、生の言葉でそれが確認できました。F1パイロットのシートの数も限りがありますし、資金も必要ですし自動車メーカーとの関係もあるでしょうしね。私のような素人が考えてもそう簡単にシートは空かないのも理解できます。彼も「環境は複雑だ」とおっしゃっていましたね。まだ20歳の才能をまずは日本で埋もれることなく、そして走り続けて行く事でいつかまた世界の大舞台で活躍をして欲しいという気持ちがより強くなりました。ガンバ!

今年移籍し同チームで戦う国本雄資選手は、現在33歳。テオくんよりも一周り以上も年齢が違いますが、F3の頃から雰囲気も変わらないのでとっても若々しくて、テオくんと居てもあまり年齢差を感じません。そうは言っても国本選手はディフェンディングチャンピオン。世界からやって来たドライバーに負ける訳にいきません。二人で高い次元で戦うことに期待です。エンジニアは、以前からよく知る北井修司エンジニア。巡り巡ってコンビを組みますね。ガンバ!

平川亮選手、関口雄飛選手二人ともチームから離脱してとてもさみしく思っていましたが、星野一義総監督もテストにも精力的に来られていて、しっかりピットで二人の様子をご覧になっていました。取材を重ねて行くうちに、国本雄資選手にもう一度チャンスをと、シートを用意したのは星野監督だということがわかりました。国本選手をじっと見る姿がとても印象的でしたね。メディアデーの会見でもF1関係の質問がテオくんに多く飛ぶ中で、「国本にも聞いてやってよ」と「お父さん発動」していましたね。いつもですが、厳しくもありますがお優しい一面が出ちゃうんですよね。「愛」を感じます。みなさん頑張ってください!

〇8号車 福住仁嶺選手!(Kids.com team KCMG)

ブルー一色で統一されたマシンが鮮やかですね。今季は、メーカー移籍をしてエンジンももちろん違いますしチームも違う福住選手(以下、仁嶺くん)ですが、何か見る限りとっても馴染んでいましたね。メディアデーは、前日までSUPER GTのメーカーテスト(非公式テスト)もあって不在でしたが、走行日初日の朝に会見を行ってテスト敢行となりました。SUPER GTでチームメイトの大嶋和也選手と現地入り。SNSでもそれが確認できますが、鈴鹿でもカテゴリーは違えど二人で話す姿が見られました。とても良い関係のようですね。

仁嶺くんを迎えるにあたり?という訳ではないと思いますが、KCMGのチーム体制がかなり変わっていました。仁嶺くん担当のエンジニアは、以前からいらっしゃる笠井昭則さん。監督をチーム代表の土居さんが兼務し、昨年まで監督だった松田次生さんはアンバサダーになりブランドを広めることもお仕事の一つとなりました。レースウィークはスーパー裏方にまわる感じ。これはかなり大きいですね。スーパーフォーミュラ公式アプリのSFgoの分析などもやられていました。このアプリは、関係者みんながヘビーユーザー。情報がいっぱい詰め込まれています。あ!まだの方は早速ダウンロードですよ。

各チーム、スタッフの人数が限られる中でも、アプリ分析はレース中やその後も含めたくさんの関係者が行っていますね。無線はすべてそのままの状態ですので、レースが終わってから全て聞いているというチームが多かったです。それだけ今やレース戦略に必要なファクター。

また、昨年まで現役ドライバーだった関口雄飛選手もチームコーディネーター兼リザーブドライバーという立場でチームへ加入。このテスト中もピットとバックヤードを行ったり来たりしていました。こちらも頼もしいです。完全バックアップ体制を敷いた感あり。

そして、チームメイトの7号車の小林可夢偉選手(以下、可夢偉くん)は、トラックエンジニアが現役SUPER GT GT500クラスの田坂泰啓エンジニアに変わりました。とってもキャリアがある方をこのポジションに置き強力な布陣。今季は期待大。昨年、2度くらい表彰台を逃していますし、もっとさかのぼるとタラレバですが勝てそうなレースはいくつかありました。しかし、ピット作業ミスで勝利を逃しているということもあり、もういい加減勝たせないと、というチームのムードを感じます。もちろん毎年そう思って戦ってきたと思います。

今回、可夢偉くんはウェットでもコースインし果敢にテストを敢行してスピンしてしまうというシーンもありましたが、それだけ少ない時間でどうにか走りたい気持ちが強いのも感じました。スピンしちゃったあとは、ご自身も手伝ってマシンのメンテナンスをしておりましたけどね。気温が低いからかなと思ったら、風にあおられたとのことでした。強風が二日目は吹いていましたからね。

ちなみにドライバーさんがメカニックを手伝うタイプと邪魔になるかもしれないのでメカさんに任せるタイプとそれぞれ。可夢偉くんは、動かずにいられないタイプ。これもなんとなくわかりますよね。せっせと動いていました。今季もWECのチーム代表と二足の草鞋、みなさま応援よろしくお願いします!

〇移籍組、39号車大湯都史樹選手&阪口晴南選手!(Vertex Partners cermo inging)

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大湯選手(以下、大湯くん)も、やる気まんまんで鈴鹿入り。走行初日にスピンを喫しマシンの修復に時間が必要となり初日午後は走行ナシでした。これはとっても凹んでいましたがそこに私は笑顔でご対面。悔やんでもしょうがないので。まだスーパーフォーミュラのテストは2回目ですが開幕戦はすぐだから焦りますよね、これから新しい環境での人間関係も築いていかないといけませんしね。でもチーム百戦錬磨ですから、クルマを直すのもプロ。やきもきしてもしょうがないとなぜか私が開き直りました…(笑)。

大湯選手は、メカさんの仕事ぶりを見守っておりましたが、気が気じゃないんだろうな、ほんと切ないだろうと母心発動。誰もが、クルマを壊してしまうと申し訳なくてその場から居なくなりたい心境の中でもピットにいます。そんな姿をたくさん見て来ました。TRDさんもそっと励ましていました。移籍してTGR陣営の仲間になった訳ですから、しっかりサポートしているのがわかります。

立川祐路監督に翌朝ピットで会って、昨日はちょっとだけ大変でしたねと声をかけたら「クルマは直るから大丈夫」と、とっても優しい言葉をいただきました。前夜に、大湯くんに対しSNSで優しい言葉をかけていました「X」でね。そういうとこ、ほんとドライバー目線で気持ちを汲んでくれる…さすが立川監督!と思います。

メディアデーには偶然サーキットに到着したタイミングでマネージャーさんも含めてお話しが出来たので良かったです。焦らずガンバですよ。突き進むだけですからね。

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チームメイトの阪口晴南選手は、いつもよりも落ち着いているようにも見えました。いや彼は変わらないかな?彼がチームを引っ張る立場となりましたね。子どもの頃から大湯くんを知っているというのは、以前のコラムに書いた?と思います。では、仁嶺くんなどみんな年齢が近いけどどんな感じで見ていたのか晴南くんに伺ってみると、まず仁嶺くんをみんなが目指していたそうです。その目指していたメンバーがHondaの牧野任祐選手、晴南くん、大湯くんと。そんなカート時代だったようですね。みんななんだかんだ様々な経緯を経てトップカテゴリーにいるというのがすごすぎますね。

また、ずーっと子どもの頃から一緒で昔から大湯くんとは、コース上で“あたる”と会見で発言。昨年のオートポリス大会でも接触リタイアしていますね。この件については、東京オートサロンでも触れていました。きっと頭の中に残っているのでしょうね、接触リタイアとなると。この二人の何か因縁(大げさ)のある関係が、これまた高次元のところであると良いですね。だからチームメイト同士となったのかも?期待しています!エンジニアは、晴南くんがベテラン菅沼芳成エンジニア。大湯くんが移籍されて来た渡邊 信太郎エンジニアです。よろしくお願いします。

〇ルーキーレーシング大嶋和也選手

木谷彬彦エンジニアがトラックエンジニアとなって2年目のシーズンを迎えました。彼がなぜエンジニアに抜擢されたかがわかった今回のメディアデー。なるほど!です。

このチームのピットに入るとデータエンジニアが他のチームよりもたくさんいらっしゃるんです。4人くらい、いやもっとかな。木谷さんもデータエンジニアのチームの中にいらしたそう。最初に来た年度は、ぶっちゃけ記憶になく…。ごめんなさい。昨年トラックエンジニアになった際に、お見かけした方だったので(失礼…)ご挨拶と思ってお話をさせていただきました。WECを経てルーキーレーシングということで、たまたま私が知っている社員の方々が共通でお名前があがり親近感がわきました。レースの領域の方ですとほんとプロですしね。

大嶋くんの会見でのコメントによると、データエンジニアの中でもとっても気概のある方がいたそうで、んじゃトラックエンジニアでという流れだったようです。やる気満々な方にお任せするのが一番ですしね。それと、今季WECチームからライアン・ディングルエンジニアが加入。国内カテゴリーをさまざまなチームで経験し、ヨーロッパに巣立っていった彼がデータエンジニアとしてチームに加入しました。私も知っている彼ですが、スタッフの層を厚くするのはトレンドなのかな。期待していますね。

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TGRのWRC、WECのマシンがブラックに模様替えしていますが、こちらもその流れですかね。もともと黒も部分も多かったですが、さらに引き締まりました。かっこいい!

昨年は、ピット作業もどんどん迅速になって一番を獲得したり、ここまでチーム作りに時間をかけたことが開花した感あり。戦績にも徐々に反映され楽しみしかないですね。大嶋くんも大ベテランとなりました。彼も全くF3の頃から変わってないけどね、頑張ってください!

〇コンドーレーシング

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山下健太選手(以下、ケンタ ごめん呼び捨てで…)は、トップタイムでこのテストを終えました。気づけば彼もベテランドライバーですね。スーパーフォーミュラ参戦8年目となりました。ルーキーイヤーにポールポジションを獲得したのを今も鮮明に覚えています。「勝ち」から遠ざかっていると発言しておりますが、私の中では「何に乗っても速いケンタ」。そんな彼が戻って来たと思わせてくださいね。テストでトップタイムでも、このあと何度も裏切られて来た(シーズン入ると結果に繋がらないの意)とも発言していましたが、ここはポジティブにテストの結果を良いように捉えたいですよ。確かにコースコンディションが不安定でしたが、最後はドライで走れたので。ガンバだよ!

小高一斗選手は、2シーズン目に入りましたね。今回の表情は少し元気がなかったですが、会見では阿部エンジニアとのコミュニケーションばっちりな感じが見て取れました(阿部エンジニアはSUPER GTのテストで不在でしたが)。言葉をしっかり汲み取ってくれるという主旨のこともコメントしていました。このチームの伸びしろはとてもあると思っています。実はとっても期待しているんですよね。

近藤真彦監督のコンサートに行った感想をなぜか会見で訊ねられていましたが、曲名がわからないというケンタの発言で、そうかそうかと思ったわたし。ジェネレーションギャップはあって当然でした(笑)。エンジニアのお二人村田卓児さん、阿部和也さんとチャンピオン経験のある大ベテランですので共に頑張ってくださいね!

〇バンテリンチームトムス

チーム創立50周年のシーズンがスタートします!おめでとうございます!

昨年のチャンピオン宮田莉朋選手が不在の中、強力なドライバーが移籍。他チームも警戒する人、坪井翔選手!これはそうなるだろうとは思いましたが、楽しみしかなくて、もう警戒されていますし、タイトル獲得の声は上がっています。昨年のSUPER GTの戦いぶりからすると、そう思わざるを得ないのも理解できますね。エンジニアは4回タイトルを獲得している小枝正樹エンジニア、昨年は宮田選手を担当していた、彼が担当します。

今回は、ドライタイヤでの走行はかなり会得した感じであとはウェットと、新しいウェットタイヤの攻略をもう少ししたいと初日の終わりにおっしゃっていました。みんながウェットタイヤ初ですのでいち早く攻略したいのもわかります。常に落ち着きはらっている優等生は、今季はますます期待大。では、チャンピオンを獲ったとしたら海外に出て行くということは視野にありますか?という質問に、出たいですねと回答。そりゃそうよね。でも既にSUPER GTは2度タイトルを獲得していますので、彼にも海外経験を、とも思ってしまいます。近い将来、このカテゴリーでもてっぺんに立ってもらって世界に行って欲しいですね。ガンバ!

そして、チームメイトの笹原右京選手!昨年シーズン途中からのシート獲得でしたが、今季はもちろんフル参戦。スタート地点が同じと考えると、彼にもチャンスがあるよね。昨年は少し苦労してしまいましたし、最終ラウンドで大クラッシュも喫しました。ここまで大変な想いをしたので今年は浮上して来い!と思いも強くなります。頑張ってくださいな。応援していますよ!大立健太エンジニアもね!

〇お初のこんなシーン!

こちら何をしているのかわかります?ってわかる訳ありません。エンジンは、各メーカー、イーブンなのですが更に公平をきたす為に、誰がどのエンジンを使用するか抽選が行われているんです。エンジンのメンテナンスをしている方々で、これまで行われて来たことなのですが、今回、なんと!開幕戦のエンジンの抽選の様子を見ることができました。抽選をドライバーが担当をするというおもしろい企画だったんですよ。

あみだくじで抽選するのですが、ドライバーが線を書き入れるという斬新な方法。こうなれば、誰も文句なしですよね。今回はメディアに公開してくださったので見ることが出来ました。ありがとうございます!写真だとわかりづらいですが、すこしワクワク感も伴ってざわざわしていたんですよ。

まだ書きたいことはあるのですが、かなり長くなりましたのでこの辺で。すぐに開幕しちゃいますしね!載ってない!という方は、またの機会に。今までにない3月シーズン開幕!もうすぐです!今シーズンも沢山応援よろしくお願いします!

大谷幸子の近況

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    (スマホの写真を少しですが… プライベートだったのであまり撮ってないです)

開幕まで一週間を切った週末、全日本ラリーが開幕するので、愛知県の蒲郡まで行って参りました。雪が一瞬ちらついたかな。フロントガラスについた気がするのですが、土曜日極寒でした。

凍えたり凍えたり凍えたりでくじけました。「食」だけは寒さを口実に休みやすみモグモグ。女子…いやおばさん3人旅は充実したものになりました(笑)。仕事ではない時のモータースポーツとの関わり方は、私はとても新鮮でして楽しかったのですがもろもろ大変で、普段自分が仕事で行っているモータースポーツを観戦してくださるお客さまの苦労も実感することができました。歩いたり寒さだったりね。サーキットに足を運んでくださるみなさまに感謝ですね。いつもありがとうございます!

という訳でまたね!

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