• モタスポコラム その80-ヤマケン一番時計からの2位表彰台! 〜スーパーフォーミュラ第5戦 もてぎ〜

ヤマケン一番時計からの2位表彰台! 〜スーパーフォーミュラ第5戦 もてぎ〜

モタスポコラム その80 2024.09.06

大盛り上がりだった夏の富士大会、あれから1ヶ月のインターバルを経て、灼熱のモビリティーリゾートもてぎにやって参りました。昨年も覚えております、からっからの超ドライなサーキットを…。今年はプラス湿気で、わたしだけではなく他にもおりましたが、 “人生イチ汗をかいた現場”でした。そして、決勝はドラマチックな戦いでライバル勢が勝利しましたが、魅せられた戦いで震えましたね。

トップ画像は、#3山下健太選手のポールポジション。ご本人もとっても喜んでいましたので、決勝2位表彰台も素晴らしかったのですが、予選をトップ画像にします。では、振り返ります!

〇搬入日

移動前日にインサイドGRを見ていたので、まず#️39大湯都史樹選手のピットに向かいました。ステアリングをカーボンにしたというので、そのこだわりの確認を。何か大湯くんらしいなと思ってね。

叶えてあげた織田チーフメカですが、のぞきこんでみたら、内装もカーボンでした。↑ちょっとこの写真だとわかりにくいけどね。マイカーのドレスアップ的なところが、市販車を楽しんでいる大湯くんらしいなと。きっとしっくり来るんでしょうね、自分が戦うクルマとして。ダサいのはイヤということです。

緊急脱出訓練は、#38を使用してやるそうでその説明を受けておりました。

最後まで見届けられなかったですが、こちらが脱出訓練の様子。メカさんたちが対応していましたが、ヘルメットは大湯くんの拝借しておりました。

次に、伺ったのはこちらのピット。

4人目の彼を迎えた#19。この第5戦を前に #19のドライバーの変更がアナウンスされましたね。TGR―WECチームのニック・デ・フリース選手の登場です。先般、シートを得ていた平良響選手は、最終戦鈴鹿大会で2レースに乗ることになりました。今季の開幕以降、突然空いてしまったシートは、シーズンを通して結局レギュラードライバーが決まらない異例のシーズン。あまりないですねこのパターン。

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    (レースウイークにたくさんのドライバーと再会を果たし話すニック)

さて、みんなが待っていたニックは、WECだけではなく現在フォーミュラE、そして元F1ドライバーでもありましたので知名度も高く、走ることが決まった瞬間からネットはかなりザワザワしていましたね。最近のWEC富士では、TGR WECチーム以外でも過去にオランダチームで走ったりと何度か来日していますね。小さい頃は、カート時代に福住仁嶺選手と戦ったこと、また現在スーパーフォーミュラで走っているドライバーさんたちとも、F2時代にヨーロッパで交流があり、未知の世界に来たという感は全くありませんでした。

KCMGの小林可夢偉選手がチーム代表を務めるWECチームでは、7号車のチームメイトですし、とにかく身近な日本。可夢偉くんは搬入日にニックのところにやって来ると「何してるんだよ?」と、ちょっとからかっていました。

木曜日に一足早く現地(もてぎ)入りをして、シート合わせなどを行い準備万端。搬入日には記者会見が設定されていたので、楽しみにしていました。その前にちょっとコメント動画を撮らせていただき、わくわくのレースウィークのスタートでしたね。会見も世界の人ですね、慣れていてその堂々とした感じが「違うな」と思いました(笑)。

とても興味を抱いていたのが、このスーパーフォーミュラ参戦にあたり、誰かにアドバイスを受けたのかという点。TGR―WECチームの平川亮選手も参戦しておりましたから、興味津々でした。会見でその質問が及ぶと、現在フォーミュラEに参戦しているニック・キャシディ選手からアドバイスを受けたと話していました。なるほど、もうひとりのニック!彼はトムスでタイトルも取りましたので、きっと濃いアドバイスをくれたんじゃないかなと思いますね。また、F1ワールドチャンピオンのマックス・フェルスタッペン選手とも仲良しなそうで、参戦の話をした事はネットで拝見しました。オランダ出身繋がりですね。とにかく、グローバルな選手の参戦で、発表からの短期間でワクワクが倍増しましたね。

今回は、2輪を併催する2&4。しかもYAMAHAさんが君臨し続けて来ましたが、DUCATIも今回は強そうというトピックを、2輪のメディアさんや実況される辻野アナが教えてくれました。DUCATIの水野涼選手は、先般のSUPER GT富士大会に来られていて(他にもいらしたけど)、ちょっとおばさんホイホイ注目していました。YAMAHAの中須賀克行選手は何度もご尊顔を拝ませていただいております。Hondaに移籍した野左根 航汰選手は、YAMAHAに所属していた時に、鈴鹿のホテルの部屋の前でドアを格闘したいた時に通りかかったのが彼で、「鍵が開かないんです…(わたしの部屋の鍵がなぜか内側の鍵がかかってしまっていたの)」と助けをフツーに求めてしまった人なのです(笑)。そこから世界へ行ってしまい申し訳ないことをしたという思い出の方なのですよ。日本に戻られてからHondaさん所属になりましたので、あ!ともてぎでチラ見しておりました。モタスポ、カテゴリー越えてますます楽しくなって来ましたので、2&4も楽しみのひとつです。

KCMGのピットでは、ピット作業の練習が始まりそうでした。前回は、ピット作業で優勝を逃すという大きなミスがありましたので、今回は体制を整えて来たそうです。この鬼門の左前タイヤの位置にいるのは、土居チーム代表。なぜココばかりが…と思ってしまいます。

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    (話していて消えたと思ったら飲み物を持ってきてくれて感謝。一気飲みするほどの蒸し暑さでした)

TGR陣営あれこれ見て周っていたらトムスもピット作業の練習を始め、インギングは脱出訓練が佳境となり、同時にいろいろ始まりまして中途半端な撮れ高で終了しました。この日は、欲張らずまずはこの暑さが辛かったので、早々に退散と思ってメディアセンターに向かいました。#3#4いつもお気遣いありがとね!翌日の主役になるチームですね。

帰り際、メディアセンターに一番近いトムスのテントを通りすぎたけど戻ってのぞいたのであれ?って顔をしていますが、#37の二人のエンジニアが何か頭を悩ませていました。なんだろうと思ったら、ドライバーも忙しそうでなかなかじっくり話せないそうでね。これはこれで大変だよね。ガンバ!と声をかけ、夕立の心配をしながら帰路につきました。この日は夕立には遭遇せずセーフ。稲光りは遠くに見えたような気がしますけどね。

〇予選日

7時にはサーキットに到着すると予定だったのに、6時半に目が覚め、慌てました。そんなスタート。すっぴん(おばさんのすっぴんどうでもイイ)で、15分ほどで身支度を終え、駐車場に向かうと、台風が最後に来た沖縄の家族旅行から無事に戻られた石浦宏明監督とバッタリ。大嶋和也選手を探しているというそばから、わたしが見つけ「大嶋くんいるよ〜」と伝え、駐車場を出ようにも要領悪くて出たときにはすでにルーキーレーシングのお二人の姿はなし。サーキットに到着、オーバルにクルマを停めテクテク歩く。かなり歩いたところで、傘をクルマに忘れたことに気づき、夕立がありそうだから傘があった方がいいなとクルマへ戻る。ここで一日分の体力をかなり使った気分(あくまで気分)になる。ちょっとだけ悲しかったけど、大した距離でもないのよね。

傘を取ってパドックへ向かいかなり歩いたところで、パドックとオーバルを往復するシャトルバスとすれ違う絶望感(笑)。味方は誰もいない感じ。そして一番下まで降りて行ったら、ハザードを点ける一台のワンボックス。同時に二箇所の窓が開き、乗ってく??と光り輝くアルファード。正気を取り戻し乗せていただきメディアセンター着席。ありがとうトムス。まさに拾う神ありの一日のスタート。

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    (夏は、マネージャーさんお洗濯も忙しいよね 洗濯機持参は夏のレースと海外レースあるある)

午前は、ピット周りを全開で。お洗濯もせっせとこなす光景。この日の午前は、水分が足りなすぎたようで恥ずかしながらバテてしまいました。動画を撮るのをかなり頑張りすぎまして(笑)、走行が終わる前にメディアセンターに戻りました。張り切りすぎましたわ。

インパルのメカさんがクールダウンのスペースがあると教えてくれました。これいいですね。屋外でもエアコンを効かせたスペースがあるとないとでは、耐火服を着用しているメカさんたちの体力の「持ち」も違います。ファンの方ももちろん大変だと思います。ピットは、マシンがあるので当然温度も上昇しますし、マシンの周囲はさらに暑く過酷な労働環境。何気ないこのスペースを設けることなど、事前準備には綿密に行い、中の人の中の人への気配りも必要ですね。現地調達とかバタバタする事はできませんからね。

ホスピやチームのスペースも、もてぎは屋外に設営するのがほとんど。こうしたテントにエアコンのスタイルも多いです。チームによりホスピのスタイルはそれぞれですが、ゲスト用のスペースの確保や、ドライバーもトランポの中に部屋あるタイプは良いですが、キャンピングカーを持って来ている方もいらっしゃいますね。キャンピングカーのスタイルは、プライベートも確保できて、ちょっとうらやましいです。

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    (なかなか機能的な配置のピット内 タイヤのスペースも必要ですが、チームによっては、すぐ使用するもの以外は他に配置してスッキリスタイルだったりします)

ピット内は、ピットパーテーションの設置など、チームカラーがかなり出ますね。とても機能的にスッキリ設置しているチームもあれば、必要なものは近くに置きたいチームもありで、同じピットとは言え、中のスペースの広さがかなり違ったりします。頭使いますよね。

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    (前回から登場 ピットウォークで待つ場所に屋根あるのは、ほんと助かりますね KCMGピット前)

ピットウォークは、2輪もありで暑いながらもとにかく夏休みですので賑やか。お子様もいっぱいでね、ありがとうございます!な気持ちでした。

ふと来年のカレンダーに目をやると、このもてぎの夏は来年にはないですね。来年はスポーツランドSUGOが8月開催で、もてぎ大会が春開催となりました。暑いもてぎは、しばらくお預け?まあ、カレンダーはなかなか変わらないからちょっと寂しい?いや、季節がガラリと変わるのも楽しみだね。

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    (#4の小高一斗選手が予選7番手!チームが好調なのがよくわかりますね)

そんなこんなで、公式予選。#3山下健太選手がポールポジション!今季、調子が良いと思っていたら。やりました!

7年前のデビューの時のポールも覚えていますが、「ずっとポールを取りたいと思ってやって来たので、明日(決勝)はもうどうでも良いです」と記者会見で発言していたのがとても意外でね。そこまでポールにこだわっていたんだと…。プロですから、発言とは裏腹に決勝もレーサー魂で最大限に頑張るのはわかっていますけどね。決勝は無理ですよと健太(笑)。そんなのわからないのになあと思いつつ、彼はかなり現実主義で、冷静に分析していると考えるべきなのかもですが、やっぱり勝ちます!と言って欲しいので、会見が終わってから言ってもらいました。だって「言霊」大事ですものね。

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    (前戦のポールは、#7仁嶺くんでしたね)

予選日の走り始めは、Honda陣営のリードのムードもありましたが、健太!よくぞ取った一番時計ですよ。前戦のポールは、福住仁嶺選手でしたし、TGR勢調子が良いので、暑いうちに勝てるだけ勝ってもらわないと、と懇願。ちなみに、前戦の仁嶺くんのチームのマネージャーは、石塚マネ(姉)、今回の健太のマネも石塚マネ(妹)。姉妹で2戦一番時計。これも負けられない戦いです、マニア向け情報ですが。前戦おねえちゃんは勝てなかったので、今回はと妹のセナちゃんは思ったことでしょう。#3のセナちゃんは、優勝の経験はあるのですがポールポジションは初めてだったそうです。こうして「中の人の勲章」も増えていくんですよね。おめでとう!

#39大湯都史樹選手、絶好調でした。予選3位。SUPER GTもなかなか良い感じです。ポールの山下健太選手が会見で、SUPER GTも良いと引っ張られる…みたいな発言をしておりました。上位のドライバーさんたち確かに両カテゴリーで目立った活躍もあって良いリザルトを残していますしね。大湯くんは、何か以前会った時に感じた自然体になってきた気がします。移籍してすぐは、きっと新しい環境の様子見だったと思うのです。それでもモリゾウさんには、これまでと変わらぬままで頑張ってというような事を言われていたと、大湯くんご本人から伺ったような気がしますが。いい感じ、自然体ですよ。そして、彼の本来の速さがリザルトでわかるようになりましたよね。Honda陣営の時の方が良かったと言われるのは悲しいので、チームと共にますます頑張ってくださいよ!

初参戦のニック・デ・フリース選手は、このレース、予習はオンボードのみでの参戦という驚きのパターン。なかなか時間もなかったのかなと思います。そして、WECのチームメイトの可夢偉くんが、クルマが全くキマっていない感じで心配。フリー走行が終わってから大きくセット変更をしていましたが、どうにも思うようにクルマが動かないのが悩みの種どころか心配しかないです。

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    (テントでお仕事していたみなさん、雷と共にピットへ避難しました)

KCMGのピットに予選後のミックスゾーンが終わってから伺って、仕事がてら雑談。またたく間に夕立に見舞われました。しかも雷がハンパなく頭上に落ちている感覚。見渡すとサーキットには避雷針がたくさんありました。対策はしてあるので心配ないのですが、雷が遠のくまで建物の中に待機のアナウンス。雨量もとんでもなく、ピットとピットのすぐ後ろのテントに移ることすら至難の業。サーキットあるあるですね。何度かサーキットで遭遇したことがありますが、「夏のもてぎあるある」でもあります。雷が落ち着いたら、KCMG土居チーム代表の奥さまがオーバルまで送ってくださるというので、甘えてクルマをパドックまで持ってくることができ安堵。ともこさんありがとうございました!

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    (翌朝の写真ですが、このアンダーバスが水没しちゃうと、パドックから出られないんですよね)

クルマもあるし少し雨が落ち着くまで仕事をして待とうと思ったら、今度はパドックから外へ向かうアンダーバスが水没。ギリギリでわたしは上がって来れたんですよね。確かに水が溜まり始めていたなあと思っていたら、パドックが一時陸の孤島に。雨が通り過ぎるのを待っていたら、パドックから水没の箇所を通らずにオーバルに抜けられるように先導してくださると案内がありました。またそのうち、雨が小康状態になった頃に、メディアに対してオーバルまでモビリティランドの社員さんがクルマで送ってくださると伝えに来てくださいました。ありがたいですね。ピストン輸送しますよと。きっと何往復もしてくださったんだと思います。パドック下のアンダーパスも雨量が減って通れるようになり、わたしもパドックから帰れるようになったので、自分のクルマにもメディアさんを乗せオーバルまで送ってから退散しました。結局、滞在先の水戸まで移動中の雷と共に帰りましたけどね…。いつもお世話になっているモビリティランドさんに感謝の予選日でした。

出張の二日前くらいに、水戸駅周辺は「ゲリラ豪雨」で南口が水没していたのですが、それを見て、ビル内に駐車場があるホテルに変更したので、今回はずぶ濡れは免れました。

〇決勝日

いつものサーキット早め到着完了。お客様も早いですね。お疲れさまと思いつつお仕事開始です。朝の走行はポールポジションの#3と#39のピット。立川祐路監督が、走行前にあった二輪の走行をがっつりと眺めていて、この大会で大注目のDUCATI の水野涼選手にわたしもですがお互いに注目。立川監督、隣のピットだったこともあり写真を撮られていました。2輪のファンだそうです。詳しそうですよ。You、乗っちゃいなよ、ですけどね。

朝の走行が終わると、少し時間ができるのですが、前日に続きバテ気味でしたのでおとなしくしておりました。前日同様水分を摂るタイミングが遅かったようで、頭痛に見舞われこれは熱中症ですね。いつもならイベント広場に向かうのですが、写真なしでごめんなさい。みなさんも気をつけてくださいね。

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    (お水をくれたサンキュー そしていつもの雑談も大立エンジニア苦悩の様子)

ピットウォークの時間は、今回も中の人と話をする時間に変更。予選のお話など、情報収集です。こちらのトムスのピットには、スーパーフォーミュラはヨコハマタイヤですが、ブリヂストンタイヤのお仕事で来られていたTさんがピットを訪ねて来ていました。過去に、SUPER GTでタイトルを獲った彼らの仲間なのです、と言っても女性なんですよね。2輪にお仕事が変わられたので、こういう時しかお目にかかれなくなりました。小枝エンジニアと大立エンジニアは共に戦い、ここに他チーム尾へ移籍した東條エンジニアもいたらと、彼女も会いたがっていましたね。

明日は、雨だねえとみんなが言っていた決勝は、ドライで行われましたね。そして、レースは名勝負となり大盛り上がりでした。これはぜひレースをSFgoでご覧ください。スーパーフォーミュラ史上、とても記憶に残るレースとなりました。また、その戦いにTGRも加わりたかったと少し悔しい部分もありました。ポールスタートの山下健太選手も頑張りましたよ。ポールトゥウィンをさせてあげたかったですが2位。これもとても立派なリザルトです。3番手からスタートの大湯くんは、後半勢い足らず6番手フィニッシュ。でも頑張りましたね。

#36坪井翔選手の追い上げはすごかったのですが、予選がうまくいかなったということで、予選8番手から5位フィニッシュでした。

レース後のミックスゾーンは、今日どうだった?などとドライバー同士もよく話しています。大嶋和也選手は他車と接触から振るわず苦戦。国本雄資選手は、英語も堪能なのでチームメイトと良い感じでやっているように見えましたが、もちろん競争ですね。負けないよう頑張りました。阪口晴南選手はマシントラブルが続いているかな?ちょっと気がかりです。可夢偉くんもね。写真がないけど、笹原右京選手は、ピットのミスで沈んでしまった、仁嶺くんも。一斗は9番手ですが、これは良かったと思います。みんな次の富士、がんばです。

さて、決勝では実はTGR勢では、3チームにピット作業でミスがあったようです。夏のもてぎは過去には、他陣営でしたがタイヤを反対につけたチームもあったりと何かが起こるのが夏のもてぎ。今回は、チーム事情もいろいろ取材しましたが、誰がミスをしたというところではないと思う結論に自分なりに至りました。のちほど触れますが。

ふとルーキーレーシングのことを思い出したんですよ。スーパーフォーミュラに参戦した当時のことを。レーシングチームから派生した新規チームで母体はトヨタ自動車。メーカーの方々が、良いクルマ作りを旗印に人材育成で加わる形でこのチームはスタートしました。レーシングチーム出身のメカニックたちの中には、スーパーフォーミュラを経験している者が居なかったのを記憶しています。SUPER GTにも参戦していますが、そちらはレーシングチーム出身者がメインでチームを編成、スーパーフォーミュラは異なった体制で当初からスーパーフォーミュラ未経験の方々が担当していました。

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    (#19 #20もいつもめちゃくちゃ速いのよね)

当時、側から、ピット作業などが多少時間のかかるなあと思って見ておりました。 SUPER GTも心配しながら見ておりました。しかし、それがどうでしょう、昨年、SFgoアワード「ピットクルー」部門で、1位となり表彰されたのです。ピット作業が一番速いという賞です。他の部門は、ドライバーやチームは投票制ですが、ピットクルー部門は、まさにピット作業のタイムで表彰されます。

チームに聞くと、毎日練習をしていて、それはレギュラーもサブメンバーも一緒にやっているとのこと。ここで、競争心もうまれますし、何なら緊急事態にいつでもサポートが可能となるわけです。競争すること、大賛成です。それぞれが刺激し合い考えて仕事しますし、とても良いと思います。それが結果につながったのです。

今回の他のチーム事情をみると、メカが不在のためチーム内でサポート、また戦力を補強するということでスタッフを交代したチームもありました。どのチームもサーキットで見ていると練習までは完璧だったのですが、決勝でたまたまミスが出てしまいました。暑さもあるしというと条件が一緒であるのでミスのないチームもあるし、そこに原因を探し出すことができません。そして代役に入ったメカ、また実際ミスを犯してしまったというメカとも話しました。キャリアのあるメカでさえ、ミスが出てしまったという少し信じられない事態でもあり、みんなを応援しているからこそショックもありました。

失敗をすぐ次(決勝でもう一回作業をする場合)の教訓にして(チームの構成で担当が別々だったりもしますが)、2回目をしっかりやり遂げたメカもいましたし、2回連続でミスとなってしまったメカもいました。自分なりに出した結論は、結局「練習こそ全て」。今さらながらそこでした。練習をしていないわけではありません。

ルーキーレーシングの動画を撮っていると、動きがスムーズで美しい。4人の一挙手一投足が見事に揃っているのです。もうね、シンクロナイズドスイミング。この動きになるまでは相当時間を要しているのではないかと思ったのと、メカたちが「練習しかない」と。

現在、SFgoアワードのピットクルー部門は、#37がトップ。そこでも、「タイヤ交換が担当ね」といきなり言われたというメカは、オフシーズンめちゃくちゃ練習しましたよと教えてくれました。

どのチームでも、誰にも負けないと自信を持って取り掛かっているメカたちは、とてもかっこよく大好きです。ピット作業に僅差ですが順位がついちゃうと、次がんばろうというモチベーションを見出し頑張る影の努力も素晴らしいと感じます。あれ?何を書いているのか理解できますでしょうか(汗)。チカラ入りすぎていますかね。失敗から、負のスパイラルとなってしまうこともありますが、それは個々ではなく、みんなの努力で乗り越えて欲しいのです。誰かのせいにするのではなく。チームワークとは、わたしみたいなフリーランスにはあまり経験できない事であり、うらやましいのです。だから、いつも頑張っている彼らを心から応援し続けないとね。

次の富士大会と最終戦の残り2大会は2レース制。戦績も追い上げ必至な舞台となります。今は、メカたちの事が気になってしょうがないですが、強いHonda陣営に追いつき追い越せと応援していきたいと思います。切磋琢磨してみんなで終盤も盛り上がってまいりましょ!では、また!

大谷幸子の近況

サーキットを後にして、常磐道に乗る手前で花火大会をやっていたようで、花火が見え、水戸北スマートインター手前のコンビニに寄りおやつを買いつつ花火を見ていたら、#37クルーがちょうどやって来ました。ちょっと話をしつつ、先に出たけれど、どうも他のチームのワンボックスにETCが入ってなかったのかな。ちょい後ろで待ち、ようやく高速に乗りました。のんびり走っていると#37にオーバーテイクされたので、しばし後ろを付いて安全に行きました(笑)。なぜってターゲットがあると眠くならないから。前ばかり見ていたら、うっかりしていてガソリンかつかつ。首都高入る前に気づいて良かった、慌てて給油で無事帰還となりました。
そして、この戦いのあとのSUPER GT第5戦が台風で延期となりました。もてぎではゲリラ豪雨の心配ばかりしておりましたが、戻ってからはシャワーと雷の数日を過ごし、ふと猫の額の庭をみると酷暑で抜くのがめんどくさい雑草たちがのびのびしていて悔しいこと。きっと子どもたちの夏休みの終わりも台風と共に過ぎて行ったと思うので、さぞかし宿題が片付いたことでしょうね。おかげさまで、わたしは原稿が長くなってしまいました(笑)。短く仕上げようと思ったのに、取り留めもない仕立てで申し訳ありません。だいぶ削りましたが、今さらながらまとめる能力が降って来て欲しいものです。
9月に入り、ここから12月まで一気に駆け抜けるシーズン、たくさんの感動をお伝えできればと思っております!

(写真:大谷幸子、日本レースプロモーション、テキスト:大谷幸子)

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