• モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜

脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜

モタスポコラム その81 2024.10.04

14番グリッドからの37号車Deloitte TOM'S GR Supra優勝。決勝を振り返っても目まぐるしくポジションが変わり追い切れない。しかし、二人の速さが輝いていた理解している、そんなレースでした。今季2勝目おめでとうございます。まさかこんなことになるとは…と言ったら怒られますが、スタートで最後尾に落ちたので、テールトゥウィンですね!

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (お兄ちゃん号の36号車au TOM'S GR Supraは、第6戦終了時点でランキングトップを死守)
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜

37号車が、なんと1ポイント差でランキング2位につけるという、さらに驚く結果となっています。今季2勝となったことで、実況でも覚醒37号車と呼ばれておりましたが、ここまでトムスの2台で3勝しているのも恐ろしいです。いやー、びっくり。

まずは落ち着いてと…。決勝の時間までディレイの連続で、待って待ってキャンセルとなると、6月のスーパーフォーミュラ菅生大会も満足にレースをお見せすることができなかったので、それだけは避けたい!そう願っておりました。国内のBIGレースが偶然とは言え同じサーキットでどちらもキャンセルとかないですよね(雨に恨みつらみ)。でも自然との戦いですからどうにもできないというもどかしさ。日曜には雨があがるかも?という天気予報に賭け、信じて、思い込んで、待ちました。では、雨の写真ばかりですが振り返ります。

〇搬入日

搬入日の前日、午前中に東北新幹線のトラブルで新幹線が止まってしまい夜までダイヤが乱れたというアクシデントからスタート。そして遅い時間に少し出発をずらした東京駅の新幹線のホームで、ドライバーさんに遭遇するハプニング。まさか木曜の夜にドライバーさんが東京駅にいると思いませんでしたので、似てるなあ…、と思いましたが声をかけず。でも戻って来てくれ「何で声かけてくれないんですか」という身に余る光栄なこれまたハプニング。Honda陣営の太田格之進選手、優しいね。なぜかTGRドライバーさんに会わないんですよね〜。なかなかハプニングがない(笑)。挨拶して同じ車両だったので、それぞれに分かれバイバイ。

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (エントラントのみなさまは、駐車場からシャトルバス わたしはもう少し上に位置する駐車場から歩き 森の中、山の上がパドックというレイアウトのサーキットなんですよ)

搬入日のサーキットは、朝から土砂降り。遠慮のない降り方で気持ちは萎えます。悲しいなあと思いつつ、ポツンとトランポの往来をポンチョ着てずぶ濡れになりながら撮影。すでに1コーナーよりの奥から半分以上トランポはパドックへ入庫しておりましたが、まあ容赦ない雨でした。

午後の車検時には小降り、曇天、時折青空という菅生ウェザーになりましたが、この先期待はできません。かなしいかな下り坂予報…。

前の週に、WEC富士があったのですが、そこでTGR陣営のメカにもサーキットで会っていまして、その時のことを少々雑談。世界のレースが来ると、国内の縁のあるチームはお手伝いをしていたりするんです。ロジスティックのお手伝いだけではなく、メカニックも駆り出され、見学に来ているチームもありました。機材を見たいというメカもいて、世界戦はチームこぞってサーキット見学も良いのかもと富士で思いましたね。世界を学ぶことも良いかもしれません。ひょっとしたら、世界戦に負けないくらい日本のチームもレベル高かったりしますしね。

この日は、蔵王の夕焼けなども当然なく早めに帰還しました。東北はご飯が美味しいので、お寿司を若い衆といただきました。搬入日は26度もあったんだね…。

〇予選日

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (大きな氷を見ただけで凍えた朝… お店のみなさんごめんね)
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (予選日はさらに暗い写真しかありません…)

予選をやれるのかが心配の朝。きっと無理だろうとの予想を裏切ることなく降り続ける雨。公式練習はスタートしましたが、スケートリンクで舞うスケーターのようにくるくる回るクルマたち。アーティスティックインプレッションで高得点出るくらいきれいにスピンするクルマもありました。クルマが壊れないか心配。大丈夫な車がほとんどでした…。52号車Green Brave GR Supra GTが大変なことに。ダメージが大き過ぎて、雲行きが怪しくなりました。

雨で午後の予選が行われなくなった場合に、この公式練習のリザルトがグリッド順を決める可能性もあるので、土砂降りとは言え少しでも上位に居たいと考えるのは雨の日あるある。みんな当然がんばります。しかし、相次ぐスピン、クラッシュで赤旗、そして赤旗からのセッション終了となってしまいました。スポーツランドSUGOは、雨で大変なだけでなくタイトなコースレイアウト。車両がぎっしりひしめく走行を見ていると、プロってこんなところを運転するんだと、今までずっと見て来ているのに、あらためて尊敬でした。

雨でセッション終了となりましたが、1日のスケジュールは進んでいきます。ピットウォークの時間となりました。

ピットウォークには、年に一度の開催を楽しみにしてくださった方々が列をなし、それでも振り続く雨が申し訳なく感じました。どんどんお客様がピットロードに飲まれていく中、その隙間を縫ってピットを端から端まで歩いてみたら、全ピットをまわることができました。ずぶ濡れで体も冷えます。お客様も大変だけれど、珍しく自分の心配もしました、夏服しか持参していなかったので(涙)。

公式予選の時間を迎えましたが、雨脚はますます強くなりオーナーミーティングが行われました。これがあっと言う間に終わったようで、予選中止のアナウンスが出るのは早かったですね。予選の代わりにピットウォークが開催されることになりました。この時は気温15度、土砂降り…。ピットウォークのチケットが不要で全員参加となりましたが、ちょっと降り過ぎでした。ほんと天候が味方してくれないんだなと気持ちが沈んでしまいましたね。

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (ダウンが必要なくらい寒過ぎ…)
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (追加のピットウォーク、たくさんの参加がありましたよ)
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (52号車、走れないけどファンサービスありがとうございます オートポリスで待ってますよ〜 帰ってからきっと時間が足りないかもしれないね)

公式練習で不運にも雨に足元をすくわれてしまった52号車Green Brave GR Supra GT。早々リタイア届を提出していました。残念ですね…。しかし、翌日の決勝が終わるまで帰れないようで、ピットウォークに参加されファンサービスをしていました。クルマの修復が次戦のオートポリスまでに間に合うのか、どこまで壊れているのかわからないけど、その場でリタイアですからダメージは大きいはず。一刻も早く帰って作業したいだろうけどね…。

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (控えめ 晴れなくても良い…せめて…「曇天祈願」)

公式予選結果がなくなったことで、公式練習で記録したベストラップ順にグリッドが付与されることになりました。公式練習も数周3〜4周くらいでしょうか、大して走っていないんですよね。そんな中で少しでも雨量のない時にパッと走ってタイムをまとめて来たところが上位にいたと。そういう結果ですね。もうね、雨とか待てないタイミングでコースに飛び込んで行ったのかもしれませんね。いつ何どき、すぐセッションが止まってしまうかもしれなかったので。

そこで最速となったのは38号車KeePer CERUMO GR Supraと20号車シェイドレーシング GR86 GTでした。残念ながら公式予選の結果ではないので(しつこくてごめんなさい)、記録はポールポジションではなくなりカウントされないそうです。これも残念ね。なんと呼んだら良いのかということで、「一番時計」と私は言っておりましたよ。ただ、一番グリッドからのスタートですので、有利であるのは変わらないので、ここは喜ばしいポジションとなりましたね。

また、雨を喜んでいたチームもありそうです。それは36号車au TOM'S GR Supra。最大のサクセスウェイトを課されているので、ここでかなり苦しい戦いとなることは予想できていましたが、ウェットコンディションだとサクセスウェイトの影響をあまり受けないんです。これをどう説明しようかと思ったら、大ベテランの関係者が教えてくれました。雨だと誰も全開では走れませんので、ドライで走るよりも「差」が出ないのです。だから「雨だとサクセスウェイトは、関係ないよね!」ってことになります。むしろ、雨が得意だと優位に立つ可能性も。そう、この36号車、決勝でまさにそんな展開となり一時トップに立ちました。驚きしかなかったです。

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (予選日の気温は、15度!寒いわけだ!)

予選日も終了。この日は、遅いからコンビニ弁当と思っていたら、定食屋さんがたまたま開いていて、ラストオーダー寸前で滑り込み。鯖の味噌煮定食をいただきましたが、冷えてしまった体に七味をたくさん入れたお味噌汁であたたまりました。メディアの方は、コースサイドでずぶ濡れになりながらシャッターを切った方が多かったので、早くお帰りになりお風呂で温まる方もいましたし、ぎりぎりまでお仕事をして洋服を買い足しに走る人も。酷暑からの気温15度の世界は、勘弁して!でしたね。

〇決勝日

朝から雨。ここまでこう、「何も始まっていない」感は否めません。外の雨も心なしか強く感じ、一時強かったかな?サーキットの数少ない軒下は、雨をしのぐ人が増えていきました。メディアセンターの下も人でごった返す朝でした。雨で大変だなあと思うと、仕事で来てはいますが屋根もありますので、何かこう楽しいSNS投稿をする気にもならず、状況の変化を見守るばかりでしたね。

サーキットに到着した時に、ゲート前で宮城県警さんのパトカーと一緒になりました。早い時間に来られるんですね。決勝のパレードラップなどに参加される予定だったと思いますが、雨でスタート進行が簡易的になってしまったため、パレードラップは実施されず。でもピットウォークの時間には、交通安全の啓蒙活動に勤しんでいらっしゃいました。こどもたち、働くクルマ大好きですよね。パトカーの人気はGTマシンのライバルでもあります(笑)。

イベント広場をパトロール。雨ですが、せっかく来られたお客様のためにいつも通りステージコンテンツも行われていました。メインステージやTGRのステージ行ってみたら、ドライバートークショーの真っ最中。37号車Deloitte TOM'S GR Supraの二人、笹原右京選手とジュリアーノ・アレジ選手が出ておりました。しかし、この雨、写真を見ての通り大粒ですよね。このあとすぐTGRブースのキラーコンテンツのTGR監督トークショーは中止が発表されました。そうですよね、ずっとこの雨の中にいたら、体調を崩しますね。こちらのトークショーは、脇阪寿一監督のオンラインコンテンツで実現されることが後日決定、発表されていましたね。

ピットウォークは通常営業ですが、雨の中の実施。前日と変わりません。

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (こちらピットウォークでいただけるカード)

2番グリッドからスタートの14号車ENEOS X PRIME GR Supraのドライバーたちは、福住仁嶺選手はドライバートークショーに出演のためメインステージへ。ピットウォークは大嶋和也選手がファンサービスと二手に別れていました。

3番グリッドからスタートの19号車WedsSport ADVAN GR Supraのマサ監督とちょっとだけ雑談。第5戦から実施される予定だった予選方式の新しいスタイルもまたお預けとなりました。二人のドライバーがニュータイヤを使用できるのは大きいのでどんな感じかなと。あたたまり切るまでブリヂストン勢に待っていて欲しいとタイヤの特性のお話を簡単に。ほかほかにあったまってしまえばチャンスはさらに増えるんですけどね。まあ、予選方式云々も、結局まだやっていないので早よ試したいというか私は見たい。

第5戦鈴鹿大会が延期となったことで、サクセスウェイの課されるサーキットがこれまでとズレて、次戦オートポリス大会はフルウェイト。高低差もありますしタイヤへの入力が厳しいサーキット。全チーム、タイヤで苦戦すること間違いなしです。そこで横浜さんが一歩抜け出ることができれば!という感じでしょうか。まずは頑張ってもらいましょう!

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (レース前のミーティングが始まりました なんか食べてるメカがおりますが、時間がないので各自時間を作るんですよね)

37号車にも伺い最終戦の話をしていました。37号車初優勝の地、鈴鹿サーキットが最終戦の舞台と決定したので、どんな心境かなと興味があったんですよね。鈴鹿で勝ったことは自信となりますからね、まさかこの菅生でも脅威的な速さで勝つと思っていなかったので(失礼)先の話を伺っていました。

決勝のこと書いてしまいますが、あんな勢いでトップを走る37号車は、シーズンの開幕の時点で予想できましたか?(またもや失礼)。機が熟したのが2024年だった、まだ終わってないけどね。エンジニアの言葉とドライバーの言葉で作られるクルマづくりが一致したということなのかな。スーパーフォーミュラでも何かお互いが発見したようなことを言っていましたしね。すぐに結果は出なかったとしても、歩み続けていて、我々には見えない進化、ドライバーたちの化学反応が起きていた可能性大です。今回はさらに「一段階押し上げた勝利」でした。第3戦の時よりも心の底から自分たちの「番」という感じで喜んでいました。伸び盛りの37(さんなな)、今後も注目です。

決勝前ウォームアップ走行までは、スケジュールが何度もディレイとなりましたが、後ろにズレていくことで雨の上がる確率が高くなります。結果的に、フルで84周を戦える時間ギリギリまで伸びたのでOKです。まもなくウォームアップ走行が始まるぞって時に38号車KeePer CERUMO GR Supraのピットに私はおりました。大湯都史樹選手、笑顔でしたね。一番グリッドから緊張はないのかな。いや突然表情が変わるのも彼なんですよね。きっと先頭からスタートできるレースが楽しみだったに違いありませんね。レース後は、逆にこのチャンスをいかせなくて残念だったとコメントしていますが、ポジティブなムードしかないです。次、頑張って!

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (走行前の表情ね ほんとは緊張しています)

チーフメカみやっちは、そりゃ緊張しますよって。チームとしては、久しぶりだもんね。そうだ、彼はチーフメカ初年度のシーズンなので、初!一番時計ですね。そう思うと、記録はポールポジションが良かったね(涙)。

ウォームアップ走行がいよいよ始まり、スタートに向けて時間が進み始めました。いいですね、この緊張感。特に先頭からスタートするチームは、他のチームの何倍も緊張するはずですよね。

スタート進行は、レースアンバサダーのグリッドボードを持っての入場などはスケジュールが押していたことで実施されず、簡易的で短い時間のグリッドウォークになりました。これは仕方ないですね。20号車シェイドレーシング GR86 GTのレースアンバサダーさん、せっかくの一番時計でGT300の一番前のグリッドでボードを持つことになるはずだったのですが、今回はナシとなってしまい悲しんでいました。

これ気持ちわかりますね(レースアンバサダーではないけど 笑)。レースアンバサダーの方の中でも、ボードを持つことができる人は限られているんですよね。持てない方もいます。しかも、先頭のグリッド。華やかにボードを持つ姿は、なかなか経験できませんよね。でも大丈夫、また一番になればよし!がんばです!

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (グリッドウォーク)

今、原稿を書いていて思い出しました。私、15年くらい前だったかな。チーム広報時代にグリッドボード持って立ったことがあるんですよ。これはね、メインスポンサーさんが、レースクイーンさん(現レースアンバサダー)を当初設けないという設定で、代わりに持ちなさいとチームに言われたんです。今思うと、良い経験でした(笑)。5月の大入り富士スピードウェイでした。しかもクルマが雑誌の表紙となったため、もれなく隅っこに見切れて載っていたという。わー、あの雑誌買っておけば良かった。もうすっかり忘れていましたが、思い出せてよかった!

グリッドで、Honda陣営の100号車STANLEY CIVIC TYPE R-GTを通りかかった時、思い出しました。こちらは昨年この菅生で大クラッシュに見舞われ、その時、山本尚貴選手が負傷し残りのシーズンを棒に振ってしまったんですよね。人生を左右する出来事だったはず。しかし、見事に、シーズンに遅れることなく現役復帰をされましたが、彼は選手生命に関わる時期を過ごしたにも関わらず、強くなって戻って来ました。リハビリをとても頑張っていたようで、動画で拝見しましたが涙が出ましたね。あれから1年と思うと感慨深かったです。昨年は、なぜか大クラッシュが多く発生したシーズンでしたね…。

最後に石浦宏明選手がグリッドで支度をする姿を見届けコースサイドへ移動。スタートを見送りました。ここスポーツランドSUGOはレースの展開が速く、わからなくなってしまうので、メディアセンター近くのコースサイドでスタートだけ見て、すぐにメディアセンターに戻ります。ある意味コンパクトで便利でもあります。

大きなアクシデントもなく、レースは非常におもしろいものとなりました。レースを追いかけるのが非常に楽しい。久しぶりだったこともありますが。いつものごとく、ポジションは見失っていましたけどね(笑)。GT500の表彰台の顔ぶれはこんな感じ。3位の日産陣営の12号車MARELLI IMPUL Zは、ここは得意なサーキットですよね。

表彰式も優勝記者会見も終わり撤収作業が進むパドックへ行きました。37号車の優勝は、何が一番の要因だったのかとにかく順位が変わりすぎたので。それはまた下に書いております。車両保管解除のアナウンスが流れると「やったあ!」と絶叫の37号車大立エンジニア。車検も問題ないということですので、本当にレースが終わりを告げたわけで正式にリザルトも発行され優勝となりました。

〇GT300に参戦しているフェラーリが話題に

45号車PONOS FERRARI 296を駆る女性ドライバー リル・ワドゥー選手が途中トップ争いをする力走を見せました。フェラーリのワークスドライバーでフランス出身のミレニアム世代の女性です。シートが決まった時から私は注目しておりましたよ!彼女は、ジェンダー論よりもレースのそのものの話で注目されたいタイプだと思います。女性で2位表彰台獲得の快挙を成し遂げました。

チームメイトのケイ・コッツォリーノ選手も忘れてはいけません。前半大きなギャップを築いておりましたね。お父様がイタリア人で、お顔はアモーレですが、彼は東京育ちでイタリア語、英語、日本語もネイティブ。彼は、若い頃、我々のメーカーの育成ドライバーでもありました。彼の参戦したマカオグランプリを見に行ったことを思い出しますね。2010年には、現在のスーパーフォーミュラの前身、フォーミュラ・ニッポンにもトヨタ陣営から参戦しています。ケイは、昔から知っているので、彼の表彰台がとてもうれしかったですよ。おめでとう!

〇終わりに

37号車大立エンジニアは、ドライバー二人の速さも素晴らしいですが、ピット作業もすべてが今回うまく行ったと話してくれました。ピット作業で、先にピットに入っていたクルマたちの前に送り出せたことも大きな要因。メカニックたちの素晴らしさと今回とにかく速かったドライバーたちを賞賛していました。

メーカーの威信をかけての高次元な戦いを繰り広げるSUPER GT。技術的にも「偶然」がないのがモータースポーツだと常々思っています。もちろん必然で勝ったのですが、ドライバーの速さ、ピットのタイミング、ストラテジー、雨上がりの路面の渇き具合などどれを取ってもタイミングがどんぴしゃりだったことで、さらに彼らの力が発揮された勝利だったのでしょう。大立くん、あれもこれも忘れちゃいけないという感じで、どんどん勝因が追加されていきました。周囲にとても感謝していましたね。勝負することが彼らの仕事。今更ながらかっこいいなあと思いながら話を終えました。

同じことは、38(さんぱち)にも言えて、頭の中はレースのことしか詰まっていない(大袈裟ではない)お二人がいらしたので、こちらでも話を伺いました。久しぶりの一番前からのスタートで、岡島エンジニアは、スタートドライバーは石浦選手になることを前日に知らせたそうです。石浦くんは、プレッシャーに感じたようですが、しっかりイメージトレーニングができたとのこと。岡島くんは、絶対前日に伝えた方が良いと思って伝えたそうですよ。確かにそうよね。心構えができる。なんかもう新しい体制の中、素晴らしい信頼関係ができていて、「一緒に仕事をする」ということは、こういうことだなと思いました。相手のことを思いやれること、若いながらも素晴らしいよね。

大湯都史樹選手が移籍の際に、どうしても連れて来たかったという岡島エンジニア(この前聞いたの、スーパーフォーミュラの時に)。また褒めちゃいましたが、まだまだこれから!まず勝ってもらわないと(笑)。できる人への期待はさらに膨らみました。貴重なお話が聞けて良かった、ありがとうございました。

チームワークがなくてはならないモータースポーツ。仲間を素直に褒め称えられる人たちはとても素敵ですよね。なかなかできないですよ。そんな関係を取材できる自分は幸せだと毎レース思っておりますが、今回もしっかり胸に焼き付け帰還しました。次戦もみなさま、よろしくお願いします!

大谷幸子の近況

SUPER GTの間が開きすぎて、そして異例の雨雨雨のスケジュールとなり、かなりふわふわ仕事をしていました。WEC富士の余韻も残ったままでもったいない。そして新しい現場に来ると、また感動がある。上書きができませんもったいなさすぎて。ひとつひとつ感動のシーンを味わいたいタイプ。駆け足で通りぎるのは、もったいないので、ここでひとつ振り返らせてください。今年もWEC富士で息子(みたいに応援しているメカニック)に会えましたよ。

TGR WECチームのムードメーカーにもなっていますが、木村 祥吾メカニック。あれ?太った?と最初思っていたら全て筋肉でした。マッチョ。日本に入る前もアメリカからの移動中、ドイツへは帰らずトレーニングだったそうです。立派になりましたが、せっかくなので、小僧時代、失礼、2013年の頃の写真が出てきたので、載せておきます。前も出しているかなあ、記憶が曖昧。

最初に入ったのはトヨタ陣営のチーム。SUPER GTとスーパーフォーミュラも経験。最初は、チームに加入したくてピット清掃のお手伝いからスタートして、当時縁のあったチーム代表の心を掴みました。夢を叶えるため、英語も一生懸命勉強しました。志を持って精進していれば、いつか夢は叶うというのは彼を見ていて思います。

  • モタスポコラム その81-脅威の速さで堂々の優勝!荒れたSUGOを制し今季2勝目を挙げる!〜SUPER GT第6戦スポーツランドSUGO〜
    (毎年再会がうれしくなるメンバーたち)

最近は、海外でやってみたいというメカニックも増えました。この前のWEC富士の現場にもいました、実は海外レースを目指しているという日本人メカニックが…。よく見かけるメカだったので驚きました。英語も話していて準備もしている様子。夢が叶った時のためにと写真を撮りました。その時のためにそっと応援していますね。叶うといいなあ。WEC富士では、そんな若人の夢を垣間見るということがあり、ほっこりしました。

この年(どの年)になり、何をするわけでもないけど、とても刺激を受けましたね。わたしも日々何かを勉強することだけは忘れないでいこうと思います。短く終えようと思っていたら、またもや長くなりましたのでおしまい!それでは、また!

(写真、トヨタ自動車 GTアソシエイション、大谷幸子)

OFFICIAL SNS

国内外の様々なモータースポーツへの挑戦やGRシリーズの情報、イベント情報など、TOYOTA GAZOO Racingの様々な活動を配信します。

GR GARAGE

GR Garageは、幅広いお客様にクルマの楽しさを広めるTOYOTA GAZOO Racingの地域拠点です。

OFFICIAL GOODS

ウエアやキャップなどチーム公式グッズも好評販売中。