1月3日(日)、全12ステージ13日間、総走行距離7700kmで争われるダカールラリー2021のスタートがサウジアラビアのジェッダで切られました。この世界一過酷と言われるラリーレイドイベントに、TOYOTA GAZOO Racingから4台のハイラックスが出場。ステージ3を終えた時点で、TGRに2019年ダカールラリー初勝利をもたらしたナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル組ハイラックスがステージ2,ステージ3と連続でのステージウィンを飾り、総合2位につけています。
【ステージ1】
スタート前日の1月2日(土)、初日のスタート順を決定するプロローグランが行われ、TGRのアル-アティヤ/ボーメル組がトップタイムをマーク。長いラリーのスタートを先頭で切りました。
1月3日(日)、ステージ1はジェッダからビシャへと向かうルートで競技区間は277km。標高1000mの岩場も多い山岳地帯が舞台の、難易度の高いコースです。
このステージ1では、ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ組が3度のタイヤパンクでタイムを失いながらも、TGR勢最上位の8位でフィニッシュ。先頭スタートとなったアル-アティヤ/ボーメル組は、コースを切り拓く役割の中でナビゲーションに苦しみ、タイヤパンクにも見舞われましたが、トップから12分34秒遅れの10位。シャミア・ヴァリアワ/デニス・マーフィ組は26番手スタートから着実な走りを見せ、トップから14分59秒遅れの12位。ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス組もパンクやナビゲーションに苦戦しながらトップから18分31秒遅れの14位で初日を終えました。
【ステージ2】
1月4日(月)のステージ2は、競技区間が457kmと長く、最初の砂丘越えも登場するビシャからワジ・アド・ダワシールへ向かうルート。この難しいステージで、アル-アティヤ/ボーメル組が今大会初となるステージウィンを飾り、トップと9分14秒差の総合3位へと浮上しました。
ステージ1で好走を見せたド・ヴィリエール/ハロ組はナビゲーションに苦しみ、45分以上のタイムロス。このステージ38位に終わり、総合でも23位へと後退しました。
ラテガン/カミングス組は、ステージ序盤の砂丘でスタックしながらもステージ14位でフィニッシュ。総合では16位につけています。ヴァリアワ/マーフィ組も序盤の柔らかい砂丘に苦しみ、2時間以上を失って総合45位へと順位を落とすこととなりました。
【ステージ3】
1月5日(火)のステージ3は、スタートしたワジ・アド・ダワシールへ再び戻るループコース。競技区間400kmを超える砂丘のステージで、アル-アティヤ/ボーメル組が前日に続きトップタイムをマーク。2日連続でのステージウィンを飾りました。また、ルーキーのラテガン/カミングス組が首位と2分27秒差のステージ2位と好走を見せ、TGRはこのステージ1-2フィニッシュを達成しました。この結果、アル-アティヤ/ボーメル組は総合2位、ラテガン/カミングス組は総合7位へと大きくジャンプアップを果たしました。
一方でベテランのド・ヴィリエール/ハロ組は、ステージ序盤にドライブシャフト破損のトラブルに見舞われタイムロス。この間に抜かれた後続車両の巻き上げる埃に苦しめられるとともに、2度のタイヤパンクにも見舞われ、首位から37分47秒遅れの27位でフィニッシュ。ヴァリアワ/マーフィ組も同じくドライブシャフトの破損と5度にわたるタイヤパンクで2時間以上を失うこととなりましたが、後半追い上げ、ステージ49位、総合44位につけています。
ダカールラリー2021 ステージ3終了時点の総合結果:
総合順位 | ドライバー/コ・ドライバー(車両/チーム) | 首位との差 |
---|---|---|
2位 |
#301 ナッサー・アル-アティヤ/マシュー・ボーメル (TOYOTA GAZOO Racing) |
5分9秒 |
7位 |
#332 ヘンク・ラテガン/ブレット・カミングス (TOYOTA GAZOO Racing) |
47分25秒 |
24位 |
#304 ジニエル・ド・ヴィリエール/アレックス・ハロ (TOYOTA GAZOO Racing) |
1時間46分5秒 |
44位 |
#330 シャミア・ヴァリアワ/デニス・マーフィ (TOYOTA GAZOO Racing) |
4時間34分17秒 |
ステージ3終了時のコメント:
チーム代表 グリン・ホール:
今日は予想外に大変なステージでした。400kmを越えるロングステージだということは分かっていましたが、ブリーフィングではこんなに岩が多いステージだとは伝えられていませんでした。それでも、ナッサーとマシューは先頭スタートにもかかわらず連続ステージウィンを飾り、首位との差を縮めてくれました。そして今日最大のニュースは、ヘンクとブレットが首位と2分半差の総合2位でフィニッシュしたことです。チームにとって久しぶりのステージ1-2フィニッシュであり、素晴らしい一日となりました。
ナッサー・アル-アティヤ(No.301):
出走者全員にとってとてもタフなステージでしたが、我々にとっては本当に良い一日でした。競技区間は407kmととても長く、高速で大きな砂丘が続くコースでした。危険な場所も多かったですが、とても良い走りができ、ステージウィンを飾れて満足しています。この好調を維持できればと思っていますが、ラリーは始まったばかりですし、首位にいるステファン・ペテランセルとの差を詰めるべくやらなくてはならないこともあります。まだ9つものステージが残っており、さらなる困難が待ち受けているはずで、油断はできません。
ジニエル・ド・ヴィリエール(No.304):
今日も難しい一日で、今年はなかなか思い通りには進んでいません。左リアのドライブシャフトトラブルに見舞われ、そのために砂丘でスタックしてしまいました。スタックした場所が悪く、脱出するのに長い時間を要しました。ドライブシャフトを交換している間に、何台もの車両やトラックに抜かれ、再スタート後は彼らの巻き上げた埃にも苦しむことになってしまいました。その後も2度のパンクに見舞われるなど、大変な一日でした。しかしまだ我々は走っていますし、明日も挑戦を続けます。
ヘンク・ラテガン(No.332):
ステージ1,2で学んだことが少しずつ実を結び始めたように感じます。これからもまだまだ困難なステージが続くのは間違いないですし、明日がその1日になるかも知れませんが、今日は本当に好調でした。ハイラックスも好感触で、ブレットと共に、ダカールにおいてポイントとなるステージ3を落ち着いて走ることができたと思います。
シャミア・ヴァリアワ(No.330):
また厳しい一日になってしまいました。ステージ序盤でドライブシャフトを破損し、交換のために時間をロスしただけでなく、その後も4度もタイヤのパンクに見舞われました。これにより3本のスペアタイヤを使い切ってしまいました。そのため、45分間にわたって他のトヨタ車がスペアを持ってきてくれるまで待つことになりました。転倒したベルンハルト・テン・ブリンクの残りの2本を譲ってもらい、最後のパンクでも使うことができましたが、全体的に大変な一日でした。
TOYOTA GAZOO Racingのダカールラリー2021活動は、パートナー企業の皆さまによって支えられています。