山中智瑛選手 / 川上奏選手

GR Supra GTCUP Driver Interview

山中智瑛選手 / 川上奏選手

FIA公式の世界戦決勝で1位2位を飾った二人

GR Supraの登場とともにスタートした、PlayStation®4用ソフト「グランツーリスモSPORT」上で開催されているオンラインワンメイクレース「GR Supra GT Cup」。
ラウンドを重ねるごとに多くの参加者を集め続けている。
もちろん、世界トップレベルのe-Motorsportsドライバーも参戦、熱いバトルを展開している。
なかでも注目は、昨年末に開催された「FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2018マニュファクチャラーシリーズ ワールドファイナル」にてチームレクサスとして見事1位を勝ち取った川上 奏選手、チームトヨタとして同2位の山中智瑛選手だ。
「GR Supra GT Cup」のポイント争いも本格化する中、世界トップレベルの彼ら二人のインタビューをお届けする。

自分のレベルが上がるにつれてハマっていきました

Q1

グランツーリスモとの出会い、e-Motorsportsへの挑戦のキッカケについて教えてください

4歳ぐらいからグランツーリスモをプレイしていました。その頃は親や友達と対戦(1つの画面で)でした。中学時代にオンライン対戦ができるようになって自分のレベルが上がるにつれてハマっていきました。
自分の友達がゲーム好きというよりもクルマ好きが多かったということもハマっていくキッカケになりました。e-Motorsports については、もともと自分たちが家でやっていたことに、自動車メーカーオフィシャル大会、世界大会といったものが後から付いてきただけという印象ですね。

一番最初に始めたのが「グランツーリスモ3」。その頃はオフラインでやっていました。「グランツーリスモ6」あたりからオンラインでのタイムアタック大会があることを知り、「自分の速さはどれぐらいなんだろう」という気楽な感じでやっていましたね。
「グランツーリスモSPORT」は楽しんで遊びたいという感じで買ってみて、調べたらオンライン対戦が幅広く開かれていて、FIAと組んで大会を開くと聞き、面白そうだから出てみようという興味から参戦しました。

余裕があってもなくても常に100%でレースをしなきゃいけない

Q2

日頃の練習について教えてください

週2〜3回で大体3時間/回ぐらいですね。仕事との両立が大変で、なかなか練習できていないっていうが正直なところです。FIA公式戦に向けてのタイムアタックから始まって、同設定での模擬レースをやっていく感じですね。
時間がないので自信のないままレースに臨むこともありますが、少ない時間の中で工夫しながら、しっかりやっているつもりです。

自分は、今年4月から社会人になりました。帰宅が遅くならなければ大体2〜3時間/日ぐらいですね。週2回のFIA公式戦に向けて、一人で練習することもありますが、仲間と公式戦と同じ設定でオンラインレースを開いて練習しています。
練習と言っていますが、楽しみながらですね。

山中 智瑛
山中智瑛 YAMANAKA TOMOAKI
Team TOYOTA
栃木県在住、25 歳。FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2018マニュファクチャラーシリーズワールドファイナルにてチームトヨタで2位を獲得。
積極的なレース運びとアグレッシブなドライビングでe-Motorsports ファンを魅了。
川上 奏
川上 奏 KAWAKAMI KANATA
Team LEXUS
愛知県在住、23 歳。FIA グランツーリスモ チャンピオンシップ 2018マニュファクチャラーシリーズワールドファイナルにてチームレクサスで優勝(初代王者) を獲得。ミスのない冷静沈着なレーシングスタイルで勝利を重ねる。

Q3

これまでのレースで最も嬉しかった、逆に悔しかったレースを教えてください

一番となるとなかなか難しいですが、今までを振り返ってみると2012年に開催された「Redbull 5G」のRACING部門で優勝したことが嬉しかったです。
悔しかったのは言うまでもなく、昨年のネイションズカップワールドファイナルの最終戦ですね。最終戦までに、良くも悪くも(ポイント)のリードを築くことができて、そのまま守りに入った方が良いのかなという考えが頭の中にありました。
レース中の運が悪かった部分もありますが、リズムに乗れずに負けてしまった感じですね。
余裕があってもなくても常に100%でレースをしなきゃいけないということを痛感したレースで、そこでレースに対する考え方をもう一度見つめなおすきっかけとなったレースでした。

やっぱり一番嬉しかったのは昨年のマニュファクチャラーシリーズ ワールドファイナルで勝てたことですね。一番の思い出です。チームメイトのおかげっていうのもありますけど、一番記憶に残るレースです。
逆に悔しかったレースは、そのワールドファイナル出場を決める最後のレースで、ポールポジションスタートでクルマとの相性も良かったのですが、最終的に2位で終えたことが悔しかったですね。
ワールドファイナル最終戦をチャンピオンで飾った瞬間は、上位争いはできてもそこまで行けるとは思っていなくて、ゴールの瞬間はもちろん嬉しさはありましたが、その瞬間は実感がなかった。表彰式が終わって、部屋に戻ってじっくりトロフィーを眺めていたら実感が湧いてきましたね。

世界で活躍するドリフトトップドライバーの斎藤太吾選手と対決する山中選手、川上選手。

普段テレビで活躍する姿を見ているレーサーたちと同じ場所に立てている

Q4

川上選手に質問ですが、ワールドファイナル後に出席したFIA年間表彰式はいかがでしたか?

まずは表彰式の会場の作りこみに圧倒されました。
数か月前まで普通の学生だった人間が、すごいところに来てしまったなという感動でいっぱいになりました。普段テレビで活躍する姿を見ているレーサーたちと同じ場所に立てているというのが不思議な感覚でしたし、誇りに思いました。

Q5

「GR Supra GT Cup」はGR Supraのワンメイクレースですが、「グランツーリスモSPORT」上でのGR Supraのドライビングの印象はいかがでしょうか?

まず最初にクイックに動くクルマだなと感じました。挙動を乱すような場面があってもカウンターをあてれば元に戻るような素直な動きをしてくれます。
車の特性上、時に俊敏すぎる部分は持ってると思いますが、そこからの修正もまたしやすいですね。
乗りやすいかどうかは人それぞれですが、車の動かし方を知っている人ならば早く走らせることができる車だなっていう印象があります。

最初に乗ったときは、すごい動きをするクルマだなっていうのが第一印象です。すごくクイックに動くクルマ。リアがスーっと出ちゃって、あまり乗りやすいクルマじゃないという印象だったんです。ただ、何日も乗って慣れてくると、このクルマの面白さをすごく実感しました。
滑り出す瞬間をうまくコントロールできるとすごく気持ちいいコーナリングができる、とても楽しいクルマだなと。最初はクルマに踊らされている感覚があったんですが、手なずけてからの気持ち良さが格別ですね。

レース後、「次の対決の機会には…」と語る斎藤太吾選手に再戦を誓う山中選手、川上選手。

「日本人もすごいドライバーがいるという」ということを世界に証明

Q6

今後の目標などお聞かせください

目標としては、まず世界で1番を取りに行きたい。昨年のワールドファイナルでの結果は残念ですが、ポジティブに捉えれば世界と戦える実力はもっていたのかなと。
運も含め、実力を途切れさせないようにしていきたいですね。
既存のモータースポーツ全体で言うと、環境など様々な要因があるとはいえ、日本人はなかなか世界チャンピオンを獲るチャンスが少ないのではないかと思います。
一方で、e-Motorsportsはものすごく平等な世界。その中で「日本人もすごいドライバーがいるという」ということを世界に証明していきたいです。
e-Motorsportsの歴史を作っていくために、選手としてはもちろん、その経験を生かした仕事でe-Motorsportsの発展を手助けしていきたいと思っています。

目標として今社会人1年生なのでまずは仕事との両立ですね。上手く両立させて、今後もワールドファイナルに出場できるトップ選手であり続けたいなと思っています。e-Motorsportsはまだ始まったばかりのコンテンツでまだまだニッチですが、他のe-Sportsの様に積極的にイベント開催などを通して知名度を上げて欲しいですね。

GR Supraの実車を前にトークショーに出演する山中選手、川上選手。

まずは楽しんで好きになってもらい一緒に戦っていければ

Q7

これからe-Motorsportsのトップレベルを目指していくグランツーリスモドライバーに対して一言

ゲームとして入ってくる方もいれば、これからの時代「e-Motorsportsドライバー」として食べていきたいなど様々な思いで参加される方もいると思います。
まずはe-Motorsportsを好きになって欲しいですね。常にトップを狙うのも、もちろん良いと思います。でも、それだけではモチベーションが続かないのでは。
まずは楽しんで好きになってもらい一緒に戦っていければなと思っています。

どんなレベルであれ、常に楽しむことは忘れないで欲しいですね。
自分は負けず嫌いなところもあってガツガツとレースに挑むこともあったりします。それだけだと気持ちが重くなるというか、仮に負けた時にネガティブな部分が残ってしまうので、純粋にレース、e-Motorsportsというコンテンツを常に楽しんでほしいと思っています。好きになれば、「目標」も見つかり、活躍のステージをあげるきっかけも得ることができると思います。

山中 智瑛・川上 奏

「GR Supra GT Cup」はシンプルに一発勝負

Q8

「GR Supra GT CUP」について

定期開催されているFIA公式戦は1ラウンドあたり3レースが行われていますが、「GR Supra GT Cup」はシンプルに一発勝負というのが特徴ですね。
各プレーヤーのラウンド中の戦略が分かりにくいので、ある意味、フェアな勝負ができるのではないでしょうか。
作戦を考えるとすれば、現状のレース形式だと「燃費作戦」になりますね。
理由としてはレース設定の「スリップストリーム」の強さの度合いで先頭を走り続けていると損してしまいます。予選でもアタック中に後ろについてしまえばいいタイムが出ます。そこがポイントですかね。
レギュレーション自体はよくできていて、燃費をコントロールしたりタイヤマネジメントをしないと消耗倍率が高く設定されているので後半が辛くなる。
その部分で言うと非常に高いドライビング技術を要求されるというのは間違いないです。しかも皆同じクルマ。ドライバーのスキルがそのまま結果に反映するので、腕を磨いた分だけシンプルに結果がついてくる、「GR Supra GT Cup」はそんなレースだと思います。

FIA公式と違って、一発勝負でやり直しが効かないというところは良いと思います。ただ開催時間(毎週土曜日19時)については、土曜日や日曜日が仕事の人にとってはエントリーすることが難しいかもしれません。レース運営としての課題ではあると思いますが、シリーズ戦におけるランキングのルール※をうまく活用して欲しいですね。

※シリーズ戦におけるランキングのルール
シリーズ終了時には、参加した全てのラウンドで得た成績の上位5 ラウンド分のポイントによって最終ランキングが決定します。
→5月25日(土)のRd.5ニュルブルクリンク 24h終了時点でも、残り8ラウンド中5ラウンドのポイントが有効。
6月29日(土)Rd.6レッドブルリンク以降の参加でも最少5ラウンドの参加の結果次第で、10月下旬の東京モーターショーで行われる決勝への参加権を得ることが可能です。

「GR Supra GT Cup」はトヨタ自動車がGR Supraを収録したPS4®用ソフトウェア「グランツーリスモSPORT」のオンラインレース内で開催。すべての参加者がGR Supraを使用する、同車種によるワンメイクレース。参戦はもちろん世界中から可能、文字通り世界一のGR Supraの使い手を決めるグローバルワンメイクレースです。
皆様のご参加お待ちしております!!