2016年プレスリリース

NASCAR第18戦ケンタッキー
燃費戦でカール・エドワーズが惜しくも2位
エクスフィニティとトラックはトヨタが制す

2016.07.11(月)- 22:30配信

 新舗装となったケンタッキーで3カテゴリー全てが開催。スプリント・カップ・シリーズは燃費戦となり、カール・エドワーズが惜しくも2位フィニッシュ。エクスフィニティ・シリーズではカイル・ブッシュが圧勝で今季5勝目を挙げた。キャンピング・ワールド・トラック・シリーズでは18歳の期待のルーキー、ウィリアム・バイロンが4勝目を挙げ、トヨタはこのクラス8連勝を飾った。

NASCAR SPRINT CUP SERIES
第18戦 Quaker State 400

開催日:7月9日

"トヨタ カムリ"勢善戦も及ばず。
燃費戦でカール・エドワーズが2位

2位フィニッシュとなったカール・エドワーズ(#19)
2位フィニッシュとなったカール・エドワーズ(#19)

 7月9日(土)、米国中東部ケンタッキー州スパルタのケンタッキー・スピードウェイでNASCARスプリント・カップ・シリーズ第18戦「Quaker State 400」が開催された。
 ケンタッキーは2000年に開設された比較的新しいコースで、カップ・シリーズ戦は2011年から行われている。トヨタ勢は過去5戦中3勝。カイル・ブッシュが初レースとなった2011年と昨年の2勝を挙げ、2013年にはマット・ケンゼスが勝利している。
 今季よりケンタッキーはコース舗装が一新され、第1,第2ターンのバンク角や形状も若干変更された。また、今大会は先月の第15戦ミシガンに続き、空力などの新たな規則の下による新パッケージでの2戦目となる。
 "トヨタ カムリ"を生産している現地工場があり、生まれ故郷とも言えるケンタッキーでの勝利に期待がかかった。

 7日(木)の練習走行は予定通り行われたが、8日(金)は朝から激しい雨に見舞われ、夕方予定されていた予選はキャンセルに。スターティンググリッドはオーナーポイント順で決定された。
 9日(土)午後7時50分に1.5マイルオーバルを267周(400.5マイル:約640km)して競われる決勝レースがスタート。序盤から中盤にかけては、新しい舗装によるものか、スピンやクラッシュの多発する荒れた展開となった。
 そんな中、"トヨタ カムリ"勢は巻き込まれることなく、順調に上位争いを展開。カイル・ブッシュとケンゼスに加え、この日絶好調だったマーティン・トゥルーエクス・Jr.が中盤戦は首位を争った。
 レースが約4分の3を経過した194周目、コース記録タイとなる11回目のイエローコーション。全車ピットへ向かったが、燃費的に最後まで走り切るのは厳しいタイミングでのピットとなった。このコーション発生時、2位につけていたトゥルーエクス・Jr.は、ピットロードでインからの追い越しをとられ痛恨のペナルティ。22位へと後退を余儀なくされてしまった。
 ケンゼスとカイル・ブッシュが2、3位、エドワーズが5位で再スタート。ポジションを落としたトゥルーエクス・Jr.も猛烈な追い上げを開始した。
 この日速さを見せたトゥルーエクス・Jr.は、239周目には3位へと浮上。2位のケンゼスに迫った。
 開始からイエローコーションが多発したレースだったが、終盤は全くコーションの出ない展開に。残り20周あたりからグリーンフラッグ走行下での給油ピット作業が始まった。5位走行中のカイル・ブッシュ、続いて3位につけていたトゥルーエクス・Jr.もピットへ。ケンゼスはやや引っ張ったものの残り5周でピットイン。トヨタ勢ではエドワーズだけが最後まで走り切る作戦に出た。
 燃費走行を続けたエドワーズは、ケンゼスがピットインしたことで残り5周の時点で首位を行くブラッド・ケゼロウスキー(フォード)に10秒差の2位に浮上。しかし、ケゼロウスキーも最後まで走り切る作戦を採り、最後は燃費戦となった。
 エドワーズは燃料の厳しいケゼロウスキーとの差をみるみる詰め、ファイナルラップにはテール・トゥ・ノーズに。逆転勝利なるかと思われたが、僅か0.175秒及ばず、2位でチェッカーとなった。
 ケンゼスは8位、トゥルーエクス・Jr.が10位、カイル・ブッシュは12位に終わった。

 次戦第19戦は7月17日(日)、米国北東部ニューハンプシャー州ロードンのニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カール・エドワーズ:

「ブラッド・ケゼロウスキー(フォード)が良くやったと言うことだ。彼はガス欠に見舞われると思ったのだが走り切り、勝った。我々の"トヨタ カムリ"は燃費も良く、パワーも充分だったが、僅かに及ばなかった。応援してくれた観客の皆さんに感謝したい。ここケンタッキーは私が13年前に初めてNASCARでの(トラック・シリーズ)勝利を挙げたコースだ。その特別な場所で今夜勝ちたかったが叶わなかった」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
122ブラッド・ケゼロウスキーフォード267
2519カール・エドワーズトヨタ カムリ267
31431ライアン・ニューマンシボレー267
81120マット・ケンゼストヨタ カムリ267
10778マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ カムリ267
12618カイル・ブッシュトヨタ カムリ267
151011デニー・ハムリントヨタ カムリ267
223123デイビッド・レーガントヨタ カムリ265
383583マット・ディベネデットトヨタ カムリ79

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1ケヴィン・ハーヴィックシボレー599
2ブラッド・ケゼロウスキーフォード595
3カート・ブッシュシボレー583
4カール・エドワーズトヨタ566
6カイル・ブッシュトヨタ521
7マーティン・トゥルーエクス・Jr.トヨタ514
10マット・ケンゼストヨタ477
11デニー・ハムリントヨタ472
29デイビッド・レーガントヨタ263
36マット・ディベネデットトヨタ179
44マイケル・ウォルトリップトヨタ42
46ロバート・リチャードソントヨタ3

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1トヨタ743
2シボレー723
3フォード686

NASCAR XFINITY SERIES
第16戦 Alsco 300

開催日:7月8日

カイル・ブッシュが圧勝で今季5勝目

圧勝で今季5勝目を挙げたカイル・ブッシュ
圧勝で今季5勝目を挙げたカイル・ブッシュ

 7月8日(金)にNASCARエクスフィニティ・シリーズの第16戦「Alsco 300」がケンタッキー・スピードウェイで開催された。
 8日(金)決勝を前に行われた予選では、今季9戦目の出場となるカイル・ブッシュが、今季4度目となるポールポジションを獲得。シリーズフル参戦2年目で、目下ランキング首位につける24歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが僅か0.003秒差の2番手、昨年ルーキーながらキャンピング・ワールド・トラック・シリーズのチャンピオンを獲得し、今季エクスフィニティ・シリーズにフル参戦している20歳のエリック・ジョーンズが3番手で続き、"トヨタ カムリ"がトップ3を占めて決勝に臨んだ。

 予選に続き、午後8時48分に1.5マイルオーバルを200周(300マイル:約480km)して競われる決勝レースがスタート。カイル・ブッシュが首位を逃げ、エリック・ジョーンズとサレスがこれを追う展開が続いた。
 中盤には100周以上に渡ってイエローコーションが出ないままの走行となったが、エリック・ジョーンズはカイル・ブッシュに食らいつき首位争いを展開。169周目にようやく出されたこの日3度目のイエローコーションからの再スタートではカイル・ブッシュから首位を奪って見せた。
 その直後に出されたイエローコーションでのペースラップ中に、エリック・ジョーンズは速度を維持出来なかったとしてペナルティ。3位へ後退。残り22周での再スタート後は、カイル・ブッシュとサレスの首位争いとなったが、195周目にスピン車両によりコーションが出され、レースは最後の2周"オーバータイム"に。
 このオーバータイムでの再スタートもカイル・ブッシュは首位を維持し、追いすがる後続を振り切ってトップチェッカー。201周中185周で首位を走る圧倒的な速さで、今季5勝目を挙げた。
 カイル・ブッシュはこの勝利で、自身の持つシリーズ最多勝利記録を81へと伸ばした。トヨタにとっても、この勝利はエクスフィニティ・シリーズ(ブッシュ、ネイションワイド時代含む)通算での記念すべき70勝目となった。カイル・ブッシュは今季のエクスフィニティ・シリーズで、出場した9戦中5勝、2位3回、4位1回と圧倒的な強さを見せている。
 サレスがシリーズレギュラー勢最上位の3位、エリック・ジョーンズが4位。この結果、ドライバーズランキングで首位を守るサレスは僅かに2位との差を広げ、エリック・ジョーンズも4位へと2つポジションを上げた。

 次戦第17戦は7月16日(土)、ニューハンプシャー・モーター・スピードウェイで行われる。

ドライバー カイル・ブッシュ:

「素晴らしい働きをしてくれたチームのおかげだ。車両を持ち込んだ時から我々の"トヨタ カムリ"は最高だった。我々のエクスフィニティ・シリーズ・プログラムはトヨタ、TRD-USA、そしてチームの努力で常に最高のレースが出来ている。ここケンタッキーで我々はずいぶん勝てずにいた(最後の勝利は2010年)が、今日は本当に速かった。最高の気分だ」

ドライバー ダニエル・サレス:

「最後はタイヤの状況が悪かった。4本交換した時は好調だが、あの時はルーチン的に2本しか換えておらず、イン側が古いままだった。しかし、これもレースだ。この経験を次に活かしたい。特に、ここケンタッキーは私にとって初めて迎える"チェイス"の第1戦の舞台でもある。まだ自分自身への課題は多く、少しずつ改善していきたい。レース中にポジションを幾つか落としたり、第3,第4ターンでスライドした周もあったが、TVで見直したい。来週のレースが楽しみだ」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
1118カイル・ブッシュトヨタ カムリ201
242オースティン・ディロンシボレー201
3219ダニエル・サレストヨタ カムリ201
4320エリック・ジョーンズトヨタ カムリ201
171544J.J.イェリートヨタ カムリ198
182028ダコダ・アームストロングトヨタ カムリ198
332714ジェフ・グリーントヨタ カムリ70
394040ジョン・ジャクソントヨタ カムリ9
402510マット・ディベネデットトヨタ カムリ3

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1ダニエル・サレストヨタ537
2エリオット・サドラーシボレー528
3タイ・ディロンシボレー518
4エリック・ジョーンズトヨタ480
15ダコダ・アームストロングトヨタ324
16J.J.イェリートヨタ298
29ジェフ・グリーントヨタ109
32コリー・ラジョイトヨタ74
33ドリュー・ヘリングトヨタ62
35ベニー・ゴードントヨタ51
41サム・ホーニッシュ・Jr.トヨタ45
48ブランドン・マクレイノルズトヨタ18
50ジョン・ジャクソントヨタ15
54マーク・トンプソントヨタ11

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1トヨタ667
2シボレー647
3フォード578
4ダッジ144

NASCAR CAMPING WORLD TRUCK SERIES
第10戦 Buckle Up in Your Truck 225

開催日:7月7日

18歳ウィリアム・バイロンが今季4勝目
"トヨタ タンドラ"8連勝!

今季4勝目を挙げ、チームの新記録達成を祝うフラッグと共に
今季4勝目を挙げ、チームの新記録達成を祝うフラッグと共に"バーンナウト"を披露するウィリアム・バイロン(#9)

 7月7日(木)、NASCARキャンピング・ワールド・トラック・シリーズ第10戦「Buckle Up in Your Truck 225」がケンタッキー・スピードウェイで開催された。
 ケンタッキーでのトラック・シリーズ戦はコース開設当初の2000年より行われており、トヨタは過去に6勝。カイル・ブッシュがそのうちの2勝を挙げている。

 6日(水)に練習走行、7日(木)の決勝前に予選を行い、午後8時50分に1.5マイルオーバルを150周(225マイル:約360km)して競われる決勝レースがスタート。
 エクスフィニティ・シリーズにフル参戦し、目下ランキング首位に付ける24歳のメキシコ人ドライバー、ダニエル・サレスが今季初ポールポジションから前半戦をリードした。
 カイル・ブッシュは7番手スタートから序盤5位まで順位を挙げたが、最初のピット時に車両に不具合が発見され,作業のためにペナルティ。追い上げを開始したが、57周目に他車との接触で壁にクラッシュし、レースを終えた。
 一方、首位を行くサレスは、中盤のコーション時のピットで速度違反のペナルティ。大きく順位を落とすこととなった。
 変わって首位に立ったのは、3番手スタートからひとつポジションを上げ、サレスを追っていたウィリアム・バイロン。18歳のルーキーながら、今季既に3勝を挙げる期待の若手が、81周目に首位立つと、後半戦は独走となった。
 終盤に入るとバイロンの車両は異常振動に苦しみ、ライバルメーカーの若手2台の激しい追い上げを受けることとなったが、一度も首位の座を譲ることなく逃げ切り、今季4勝目を挙げた。
 トヨタはトラック・シリーズ8連勝。また、このバイロンの勝利により、カイル・ブッシュ・モータースポーツは、チームの通算勝利数でシリーズ最多記録を更新する51勝目を挙げることとなった。

 次戦第11戦は7月20日(水)に米国北部オハイオ州ロスバーグのダートオーバル、エルドラ・スピードウェイで開催される。

ドライバー ウィリアム・バイロン:

「厳しいレースだった。新しい路面で、最後の長いスティントはタイヤに厳しかった。最後の3、4周は本当に振動が酷く、右リアタイヤがパンクしたような感じだった。とはいえ、今夜の我々の"トヨタ タンドラ"は素晴らしかった。最後はトップの座を守り切れたことがキーだった。コーションが出ないことを祈っていた。このように勝利を重ねられて夢のようだ。素晴らしいチームのおかげだ。この調子を維持して行きたい」

ドライバー 兼 チームオーナー カイル・ブッシュ:

「私自身のレースは早く終わってしまったが、チームにとっては特別な瞬間だ。2010年にチームを立ち上げて7年、その間に我々は51勝を挙げることが出来た。短期間にこれだけの勝利を成し遂げられて最高の気分だ。我々よりも長い歴史を持つチームと戦い、この偉業を成し遂げられたことは本当に素晴らしい」

リザルト

決勝結果

順位予選No.ドライバー名車種周回
139ウィリアム・バイロントヨタ タンドラ150
2168ジョン・ハンター・ネメチェクシボレー150
3419ダニエル・ヘムリックフォード150
4104クリストファー・ベルトヨタ タンドラ150
61113キャメロン・ヘイリートヨタ タンドラ150
8888マット・クラフトントヨタ タンドラ150
91417ティモシー・ピーターズトヨタ タンドラ150
11151ダニエル・サレストヨタ タンドラ150
13941ベン・ローズトヨタ タンドラ150
152198リコ・アブリュートヨタ タンドラ150
272322オースティン・セルフトヨタ タンドラ98
30718カイル・ブッシュトヨタ タンドラ56
31211ブレット・モフィットトヨタ タンドラ26

ドライバーズポイント

順位ドライバー名メーカーポイント
1ウィリアム・バイロントヨタ263
2マット・クラフトントヨタ250
3ダニエル・ヘムリックフォード246
4ティモシー・ピーターズトヨタ246
8クリストファー・ベルトヨタ214
10ベン・ローズトヨタ201
11キャメロン・ヘイリートヨタ194
14リコ・アブリュートヨタ161
16ライアン・トゥルーエクストヨタ136
18オースティン・セルフトヨタ118
23ジャーマン・キロガトヨタ70
25マット・ティフトトヨタ68
32シェイン・リートヨタ33
33コディ・コーリントヨタ29
41ジェシー・リトルトヨタ14
43クリス・フォンテイントヨタ11
55ブレット・モフィットトヨタ2

マニュファクチャラーズポイント

順位メーカーポイント
1トヨタ356
2シボレー315
3フォード287
4RAM8