2020 Rd.2OKAYAMA

スーパーフォーミュラ 2020年 第2戦 岡山

    スーパーフォーミュラ 2020年 第2戦 岡山 坪井翔がスーパーフォーミュラ初優勝! 石浦宏明が2位、ニック・キャシディが3位表彰台

    予選/決勝

    坪井翔がスーパーフォーミュラ初優勝!
    石浦宏明が2位、ニック・キャシディが3位表彰台

     スーパーフォーミュラの第2戦が岡山国際サーキットで行われ、8番手からスタートを切った坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が力強い走りを見せ、初優勝を飾りました。2位にはチームメイトの石浦 宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING)が続き、チームでは初の1-2フィニッシュ。3位には10番手スタートから追い上げたニック・キャシディ(VANTELIN TEAM TOM'S)が入りました。

     2020年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第2戦が9月26日(土)、27日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
     今大会も開幕と同様、予選と決勝を日曜日1日で行うフォーマットでの開催。しかし、第2戦となる今大会は給油義務こそないものの、レース中1回のタイヤ交換が義務づけられることとなりました。
     前週にWEC(FIA世界耐久選手権)ル・マン24時間レースに出場した中嶋 一貴(VANTELIN TEAM TOM'S)、小林 可夢偉(carrozzeria Team KCMG)、山下 健太(KONDO RACING)については、今大会は残念ながら出場が許可されませんでした。このため、中嶋の代わりに36号車は宮田莉朋、小林の7号車は中山雄一、山下の3号車は阪口晴南がドライブします。宮田と阪口は、併催のスーパーフォーミュラ・ライツのレギュラードライバーであり、今大会は両レースを掛け持ちの出場となります。

    予選

    26日(日)は朝から好天に恵まれ、気温26度、路面温度32度という過ごしやすいコンディションの下、午前10時40分よりノックアウト方式の予選が開始されました。

     10分間で行われた予選Q1のA組では、残り6分半ほどになって各車コースイン。9台出走中の上位7台がQ2へと進出します。

     まずはキャシディがトップタイム、サッシャ・フェネストラズ(KONDO RACING)が2番手に。セッション終盤に各車がさらにタイムを上げてくる中、坪井がフェネストラズのタイムをかわし2番手へ浮上。キャシディ、坪井、フェネストラズのトップ3,そして代役参戦の中山が5番手でQ2へと進出を決めました。

     一方で、フリー走行で好調だった関口 雄飛(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)は最後に8番手へと押し出される形となり、まさかのQ1敗退。大嶋 和也(ROOKIE Racing)も9番手でQ2進出はなりませんでした。

     Q1のB組では、今大会代役参戦でスーパーフォーミュラデビュー戦の宮田が、ライツの決勝から僅か1時間ほどでの出走にもかかわらず,並み居るレギュラードライバーを上回り、このセッションでのトップタイムをマーク。同じくライツを終えたばかりの阪口が3番手。石浦が4番手。昨年ここ岡山でポールポジションを獲得している平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)はアタックラップでハーフスピン。翌周の再アタックで辛うじてぎりぎりの7番手でQ1を通過。国本 雄資(carrozzeria Team KCMG)は9番手でQ1敗退となりました。

     14台と多くの台数が出走するQ2は7分間のセッションで行われ、各車チェッカー目前でのアタックとなりました。

     まずは坪井が1分12秒台に入れてトップに付けると、フェネストラズ、宮田がこれを塗り替え、宮田はQ1に続きトップタイムをマーク。ほかの車両よりも1周分遅れてコースインした平川は7番手、石浦が8番手でQ3へと進出を決めました。

     Q3進出ラインとなる8番手争いは、ほぼコンマ1秒の中に5台が入る激戦となり、キャシディ、阪口、中山はそれぞれ僅差の10番手、11番手、12番手でQ3への進出を逃すこととなりました。

     8台が出走したQ3も7分間、ファイナルラップでの争いとなりました。ここでも宮田が印象的な走りを見せ、デビュー戦ポールポジションかと思わせましたが、平川が貫禄を見せて全セクターベスト塗り替えという圧倒的な走りでトップタイムをマーク。平川が開幕戦に続き2戦連続のポールポジションを獲得しました。宮田はデビュー戦ながら最前列2番手グリッドを獲得。フェネストラズが3番手、石浦が6番手。坪井はアタック中にクラッシュを喫し、8番手グリッドとなりました。

    前戦に続きITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車がポールポジションを獲得
    前戦に続き平川 亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL 20号車)がポールポジションを獲得

    デビュー戦ながらQ1、Q2をトップタイムで通過した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S 36号車)は、Q3でも速さを見せてフロントローを獲得した
    デビュー戦ながらQ1、Q2をトップタイムで通過した宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S 36号車)は、Q3でも速さを見せてフロントローを獲得した

    決勝

     予選に続き、午後3時15分に気温24度、路面温度33度のコンディションでフォーメーションラップが開始されました。しかし、このフォーメーションラップ中に、阪口がクラッシュ。レースは仕切り直しとなり、午後3時30分に、当初より1周減算の50周で争われる決勝レースのスタートが改めて切られました。

     スタートでは、ポールポジションの平川がポジションを守る一方、最前列2番手の宮田がやや出遅れ、後続勢と並んで1コーナーへ。ここで、3番手のフェネストラズが他車と接触しコースオフ。フェネストラズは早くもレースを終えることとなり、レースはセーフティカーが導入されることとなりました。

     この混乱の中、宮田が7位まで順位を落とす一方で、坪井が2位、石浦が3位、キャシディが4位と大きくジャンプアップを果たしました。

     7周を終えたところでセーフティカーが退出しレース再開。各車がオーバーテイクシステムを使い合いながらサイド・バイ・サイドでの激しいバトルを展開しました。

     規定でタイヤ交換のピットインが許される10周目を終えたところで宮田らがピットイン。そして、翌11周目終了時点で、2位につける坪井がピットイン。これを見て、12周目には平川もピットへ向かいました。タイヤ交換でややタイムをロスしながらも平川は坪井の前でコースへと復帰しましたが、アウトラップでタイヤが冷えている平川を、既にタイヤが暖まった坪井が攻め、バックストレートエンドでパス。ピットを終えた車両ではトップに立ちました。

     その後もピットに入る車両があり、レース中盤の時点で、石浦、キャシディ、国本の3台がピットに入らないまま引っ張る作戦をとり、ピットインして30数秒後方を走る坪井、平川、関口らとの、タイム差を考慮しながらの見えないバトルが繰り広げられました。

     石浦は30周を終えたところでピットインしタイヤを交換。坪井の前でコースに戻りましたが、やはりアウトラップで冷えているタイヤでは坪井を抑えきれず、坪井が石浦をパス。石浦は新しいタイヤで翌周逆転を狙いますが、坪井がしのぎきり、実質的な首位の座を守りました。

     これでピットを残すのはキャシディと国本のみ。キャシディは終盤に向けて、自己ベストラップタイムを更新するペースでさらにプッシュを続け、残り2周、48周終了でピットイン。坪井、石浦に続く3位でコースへと復帰しました。

     キャシディはファイナルラップにもファステストラップを更新する速さを見せましたが、前を行く坪井、石浦は逃げ切り、坪井はスーパーフォーミュラ参戦2年目にして念願の初優勝。石浦が2位で続き、セルモ・インギングにとっては初となる1-2フィニッシュを果たしました。

     キャシディが3位。平川は4位でフィニッシュし、ランキング首位の座をキープ。関口は15番手スタートから10ポジションアップの5位。国本が7位、宮田は9位でデビュー戦ポイント獲得を果たしました。

    スタートシーン
    スタートシーン

    スーパーフォーミュラで初優勝を飾った坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING 39号車)と、予選6番手から表彰台を獲得した石浦 宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING 38号車)
    スーパーフォーミュラで初優勝を飾った坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING 39号車)と、予選6番手から2位表彰台を獲得した石浦 宏明(JMS P.MU/CERUMO・INGING 38号車)

    予選10番手から追い上げ3位表彰台を獲得したニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM'S 1号車)
    予選10番手から追い上げ3位表彰台を獲得したニック・キャシディ(VANTELIN KOWA TOM'S 1号車)

    坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING 39号車)

    本当に最高の気分です。今年は大分速さが出てきたのに開幕戦のもてぎでは決勝を一周も走れず、今日も予選のクラッシュから始まって、自分自身もチームに迷惑をかけたし、結構悔しいレースが続いていたので、本当にこの優勝は嬉しいです。1コーナーではイン側にいたんですが、自分のいた位置がすごく運が良くて、あのアクシデントに巻き込まれず2番手になれたのが今日のハイライトかなとは思うんですが。その後も、ピットも早くて上手く行って、平川選手を抜いて、その後石浦選手を抜いた後は、彼のタイヤがフレッシュだったので、相当厳しかったんですが、なんとかトップを守り抜くことができて、最終的には優勝できました。今日は沢山の方にレースを見てもらえて、その前で優勝することができて、本当に良かったと思いますし、次戦以降もこの流れをキープして、チャンピオンシップに絡んでいけるように頑張りたいです。

    初優勝を喜ぶ坪井 翔(JMS P.MU/CERUMO・INGING 39号車)
    スーパーフォーミュラ 2020年 第2戦 岡山 決勝結果
    順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
    139坪井 翔JMS P.MU/CERUMO・INGING501h13'11.97581'23.545TOYOTA/TRD TRD01F
    238石浦 宏明JMS P.MU/CERUMO・INGING500.782 61'13.705TOYOTA/TRD TRD01F
    31ニック・キャシディVANTELIN TEAM TOM'S503.103 101'13.148TOYOTA/TRD TRD01F
    420平川 亮ITOCHU ENEX TEAM IMPUL505.579 11'12.773TOYOTA/TRD TRD01F
    519関口 雄飛ITOCHU ENEX TEAM IMPUL508.352 151'13.777TOYOTA/TRD TRD01F
    65山本 尚貴DOCOMO TEAM DANDELION RACING508.640 71'14.498HONDA/M-TEC HR-417E
    718国本 雄資carrozzeria Team KCMG5019.186 181'13.997TOYOTA/TRD TRD01F
    86福住 仁嶺DOCOMO TEAM DANDELION RACING5020.459 161'13.795HONDA/M-TEC HR-417E
    936宮田 莉朋VANTELIN TEAM TOM'S5021.233 21'13.109TOYOTA/TRD TRD01F
    1016野尻 智紀TEAM MUGEN5021.880 91'13.115HONDA/M-TEC HR-417E
    117中山 雄一carrozzeria Team KCMG5026.369 121'13.211TOYOTA/TRD TRD01F
    1212塚越 広大ThreeBond Drago CORSE5028.278 141'13.644HONDA/M-TEC HR-417E
    1315笹原 右京TEAM MUGEN5032.950 131'13.553HONDA/M-TEC HR-417E
    1450高星 明誠Buzz Racing with B-Max5057.559 191'14.127HONDA/M-TEC HR-417E
    1565大湯 都史樹TCS NAKAJIMA RACING5057.961 51'13.431HONDA/M-TEC HR-417E
    1614大嶋 和也ROOKIE Racing501'02.163171'13.972TOYOTA/TRD TRD01F
    4サッシャ・フェネストラズKONDO RACING050 Laps31'13.173TOYOTA/TRD TRD01F
    64牧野 任祐TCS NAKAJIMA RACING050 Laps41'13.426HONDA/M-TEC HR-417E
    3阪口 晴南KONDO RACING111'13.175TOYOTA/TRD TRD01F