2021 Rd.4 SUGO

スーパーフォーミュラ 2021年 第4戦 SUGO

    スーパーフォーミュラ 第4戦 SUGOで3位表彰台を獲得した関口 雄飛

    予選/決勝

    関口雄飛が3位表彰台フィニッシュ

     スーパーフォーミュラの第4戦がスポーツランドSUGOで行われ、雨の予選でポールポジションを獲得した関口雄飛(carenex TEAM IMPUL)が3位表彰台フィニッシュ。宮田莉朋(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が7位、阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)が8位、ジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TEAM TOM'S)が9位と21歳の若手勢が入賞を果たしました。

     スーパーフォーミュラの第4戦が6月19日(土)、20日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOで開催されました。
     前戦オートポリスから約1か月、スーパーフォーミュラの舞台は九州から東北、杜の都仙台近郊のSUGOへ。全7戦で戦われる2021年シーズンのスーパーフォーミュラは第4戦、折り返しを迎えました。今大会のあとは約2か月にわたるインターバルを控えており、タイトル争いという点でも、後半戦へ向けた大事な一戦となります。
     舞台となるスポーツランドSUGOは、このオフシーズン中に改修され、ピットロードの拡幅や一部コーナーアウト側のグラベルが舗装されるなどの変更が行われました。
     今大会も新型コロナウイルス感染拡大防止対策を十分に講じた上で、有観客での開催となりました。イベント広場にはTOYOTA GAZOO Racingブースがオープンし、GR 86、GR YARISやGR SUPRAを展示。東北のモータースポーツファンの皆様の注目を集めていました。
     今大会、先週末に行われたWECポルティマオ戦に参戦した中嶋一貴と小林可夢偉は欠場。Kuo VANTELIN TEAM TOM'Sの36号車は前戦初優勝を挙げたアレジ、KCMGの7号車は小高一斗が代役としてドライブ。また、WEC戦の直後に行われたポルティマオでのテストに参加した平川亮も帰国後の隔離期間が取れないため欠場となり、carenex TEAM IMPULの20号車は高星明誠が、そしてサッシャ・フェネストラズもまだ入国が叶わず、KONDO RACINGの4号車は中山雄一がドライブします。

    イベント広場にはTOYOTA GAZOO Racingブースが開設され、GR 86、GR YARISやGR SUPRAを展示
    イベント広場にはTOYOTA GAZOO Racingブースが開設され、GR 86、GR YARISやGR SUPRAを展示

    予選

     予選が行われた19日(土)には東北地方も梅雨入りが発表され、SUGOも朝から雨模様。午後2時10分からの予選はウェットコンディションで行われました。当初はQ1のみ2グループに分けて実施される予定でしたが、悪天候のため、Q2も引き続き2グループで行われることとなりました。
     気温19度、路面温度20度のウェットコンディションで開始されたQ1(10分間)、A組では水煙を上げながらの走行で、阪口が序盤から好タイムを刻んでいき、このセッションは2番手で通過。宮田が3番手、代役参戦の小高が最後に6番手に飛びこみ、これにかわされる形となった山下健太(KONDO RACING)も7番手で辛くもQ1突破。久しぶりのスーパーフォーミュラ参戦となった高星は惜しくも8番手、大嶋和也(NTT Communications ROOKIE)が9番手でQ1敗退となりました。
     Q1のB組も10分間のセッションを十分に活かしてタイヤを暖めるべく序盤から各車コースイン。ここでは坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)が一時トップに立つなど好走を見せ、3番手。終盤各車タイムを挙げていき目まぐるしく順位が入れ替わる中、チェッカーラップでタイムを更新した関口が4番手、アレジが6番手でQ2へ。国本雄資(KCMG)と中山はタイムが伸びず、9,10番手でQ2進出はなりませんでした。
     Q2は7分間とやや短いセッションで上位4台のみがQ3へと進出します。A組ではQ1同様に阪口と宮田がセッションをリードし、阪口がトップタイム、宮田が0.097秒差の2番手でQ3へと進出。苦しむ山下は惜しくも5番手、小高も最後にひとつポジションを上げたものの6番手でQ3進出には届きませんでした。
     Q2のB組がスタートする頃には、かなり雨脚が強まりました。アウトラップでアレジがスピンを喫したものの、コース内に留まり、そのままアタックを続行。難コンディションの中で気を吐いた坪井がトップタイムをマークしましたが、更なるアタックを続けた坪井が2コーナーでスピンしコースオフ。ほぼ同タイミングでもう一台の車両がコースオフし、セッションは赤旗中断に。トップタイムをマークしていた坪井でしたが、赤旗原因車両との判定となり、痛恨のタイム抹消となってしまいました。
     セッションは残り3分から再開。この一発アタックで、ここまで4番手につけていた関口がさらにタイムを伸ばし2番手へ。アレジも3番手につけ、Q3進出を決めました。 トップ8を決定するQ3(7分間)もさらに雨量が増す中でのアタックとなりました。このセッションでは、好調な阪口、宮田がまず1-2につける中、関口が圧倒的なタイムをマークしトップへ。最終ラップのアタック合戦で阪口らは追い上げましたが届かず、関口が2018年の第6戦岡山大会以来3年ぶりとなるポールポジションを獲得。阪口が3番手、宮田が4番手と2列目に並び、アレジは6番手グリッド獲得となりました。

    3年ぶりとなるポールポジションを獲得した関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)
    3年ぶりとなるポールポジションを獲得した関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)

    予選で3番手グリッドを獲得した阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING 39号車)
    予選で3番手グリッドを獲得した阪口 晴南(P.MU/CERUMO・INGING 39号車)

    ポールポジションを獲得し喜ぶ関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)
    ポールポジションを獲得し喜ぶ関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)

    決勝

     20日(日)は、スーパーフォーミュラの決勝が行われる頃には太陽が顔を出して強い日差しが路面を照らし、気温24度、路面温度34度という完全ドライのコンディションで午後1時30分に53周で争われる決勝レースのスタートが切られました。
     ポールポジションの関口は好スタートを切り、順当に首位をキープ。2番手グリッドの車両がやや出遅れたことで、3番手グリッドの阪口が2位へ。一方で4番手グリッドの宮田は前の車両に塞がれる形で6位へと順位を落としました。
     3周目の1コーナー進入で、2位の阪口は後続に並ばれ、2台はコーナリング中に接触。2台共にコースオフすることなくレースを続行しましたが、阪口は後続にかわされ、6位へと大きく後退してしまいました。
     首位を行く関口は一時2位との差を2.5秒ほどまで広げましたが、10周を終えピットイン可能となったところでピットに向かった後続車両がハイペースで追い上げてきているのを見て、17周目にピットイン。なんとかライバルの前でコースに復帰しましたが、猛追してきたライバルにタイヤが暖まる前にかわされ順位を落とすこととなってしまいました。
     最短の10周でピットインした車両がいた一方で、40周過ぎまでピットを遅らせる車両もあり、様々なピット作戦と、追い抜きには非常に有効ですが、一旦使用すると100秒間使用できなくなるオーバーテイクシステムの戦略により、各所で激しいバトルが展開されました。
     トヨタ勢最上位を走る関口は、全車がピットを終えた時点で3位を走行。終盤まで2位の車両に離されることなくプレッシャーをかけ続けましたが、逆転までには至らず、3位でチェッカー。今季初の表彰台を獲得しました。
     宮田が7位、阪口が8位、アレジが9位でフィニッシュし、21歳の若手3人がポイント獲得を果たしました。

    決勝スタートシーン
    決勝スタートシーン

    今季初の表彰台を獲得した関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)
    今季初の表彰台を獲得した関口 雄飛(carenex TEAM IMPUL 19号車)

    7位フィニッシュを果たした宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S 37号車)
    7位フィニッシュを果たした宮田 莉朋(Kuo VANTELIN TOM'S 37号車)

    2戦連続でポイントを獲得したジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S 36号車)
    2戦連続でポイントを獲得したジュリアーノ・アレジ(Kuo VANTELIN TOM'S 36号車)

    carenex TEAM IMPUL 19号車 ドライバー 関口雄飛

    スタートから1,2周目あたりのタイヤが冷えていたときは自分の思い通り、冷静に走ることができ、勝てるんじゃないかと思っていましたが、ピットで逆転され、大湯選手にもコース上で抜かれてしまい、ちょっと残念な結果になりました。最後はダウンフォースの関係で抜けませんでしたが、2位の大湯選手には追いつくことができ、最低でも2番手のペースはあったんじゃないかと思います。ただ、大湯選手に抜かれたときは、かなり距離があったので正直油断していて、もう少し後を気にしていれば良かったのですが、完全に自分のミスです。あそこで抑えられれば多分その後は行けたと思うので、そこは反省点です。今日は朝から徐々に車を改善でき、フィーリングもタイムも良かったので、次戦以降も予選Q3に残ってポールポジションを争い、決勝でも優勝争いができるよう引き続き頑張ります。

    スーパーフォーミュラ 2021年 第4戦 SUGO 決勝結果
    順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイムエンジン
    15福住 仁嶺DOCOMO TEAM DANDELION RACING531h01'37.32851'19.828HONDA/M-TEC HR-417E
    264大湯 都史樹TCS NAKAJIMA RACING533.74671'20.485HONDA/M-TEC HR-417E
    319関口 雄飛carenex TEAM IMPUL535.21411'19.231TOYOTA/TRD TRD01F
    451松下 信治B-MAX RACING TEAM536.394131'19.623HONDA/M-TEC HR-417E
    56牧野 任祐DOCOMO TEAM DANDELION RACING539.71621'19.274HONDA/M-TEC HR-417E
    616野尻 智紀TEAM MUGEN5310.159101'21.408HONDA/M-TEC HR-417E
    737宮田 莉朋Kuo VANTELIN TEAM TOM'S5311.92641'19.799TOYOTA/TRD TRD01F
    839阪口 晴南P.MU/CERUMO・INGING5321.46331'19.445TOYOTA/TRD TRD01F
    936ジュリアーノ・アレジKuo VANTELIN TEAM TOM'S5321.91461'20.371TOYOTA/TRD TRD01F
    1015大津 弘樹Red Bull MUGEN Team Goh5324.55881'21.232HONDA/M-TEC HR-417E
    1120高星 明誠carenex TEAM IMPUL5328.554151'21.365TOYOTA/TRD TRD01F
    121山本 尚貴TCS NAKAJIMA RACING5329.055121'21.236HONDA/M-TEC HR-417E
    1318国本 雄資KCMG5331.112181'21.587TOYOTA/TRD TRD01F
    143山下 健太KONDO RACING5331.80291'21.109TOYOTA/TRD TRD01F
    1538坪井 翔P.MU/CERUMO・INGING5349.912141'19.758TOYOTA/TRD TRD01F
    1612塚越 広大ThreeBond DragoCORSE531'03.396161'21.472HONDA/M-TEC HR-417E
    177小高 一斗KCMG531'09.094111'21.128TOYOTA/TRD TRD01F
    1814大嶋 和也NTT Communications ROOKIE521 Lap171'21.682TOYOTA/TRD TRD01F
    4中山 雄一KONDO RACING3617 Laps191'22.205TOYOTA/TRD TRD01F