// 2020 season

2020 Rd.8FUJI

SUPER GT 2020年 第8戦(最終戦)富士

首位独走もチェッカー目前で痛恨の燃料切れ 平川/山下組GRスープラが2位フィニッシュ

GT500 予選/決勝

首位独走もチェッカー目前で痛恨の燃料切れ
平川/山下組GRスープラが2位フィニッシュ

 SUPER GT第8戦「たかのこのホテル FUJI GT300km RACE」が11月28日(土)、29日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイで開催されました。
 開幕が遅れ、過密スケジュールで進められてきた2020年のSUPER GTも最終戦を迎えました。全8戦中の7戦を戦い終えた時点で、GT500クラスドライバーズチャンピオンの可能性を残すのは10台、そのうち8台が9点差、上位6台が僅か4点差という、史上まれに見る僅差で迎える最終戦となりました。
 今季よりSUPER GTのGT500クラスに新型車両として参戦を開始したGRスープラは、開幕戦でトップ5独占という圧倒的な速さでデビュー戦を飾りました。その後ライバルの巻き返しやウェイトハンデに苦しめられましたが、着実に戦い続けてポイントを積み重ね、5台のGRスープラがチャンピオン獲得の可能性を残して、ノーウェイトで戦うこの最終戦に臨みました。

予選

 28日(土)やや雲は出てきたものの好天の下、午後1時15分、気温13度、路面温度17度というコンディションでノックアウト方式の予選が開始されました。

 GT500クラスでは、やはりタイヤの暖めに時間がかかるのか、通常よりも早めに各車コースイン。じっくりと周回を重ねて残り3分を切ったあたりから本格的なアタックが開始されました。

 まずは石浦宏明のZENT GR Supra 38号車が1分27秒046の好タイムでトップに立つと、中山雄一のDENSO KOBELCO SARD GR Supra 39号車も100分の3秒差で2番手。するとau TOM'S GR Supra 36号車を駆るサッシャ・フェネストラズが1分26秒台に入れてこの2台を上回りました。

 セッションの最後までタイムシート下位にいた平川の37号車は、最後の最後に36号車をコンマ068秒上回りトップタイム。これで37号車、36号車、38号車、39号車の4台はトップ4でQ2への進出を決めました。

 国本雄資がアタックしたWedsSport ADVAN GR Supra 19号車はQ2進出ラインとなる8番手に僅か0.038秒及ばず10番手で敗退。ランキングでトップと4点差につけるWAKO'S 4CR GR Supra 14号車の大嶋和也はタイムが伸びず、13番手でQ2進出を逃しました。

 Q2では、39号車のヘイキ・コバライネンが1分26秒753と、Q1でのトップに近い好タイムを叩き出しましたが、こちらも最後の最後に一発アタックを決めた37号車の山下が、そのタイムを大きく上回り、コースレコードを更新する1分26秒386をマーク。圧倒的なタイムでのポールポジションを獲得し、タイトルを争う平川に値千金のポールポジションポイント1点を追加。平川はこれでランキング単独首位に躍り出ました。

 39号車が2番手。関口雄飛がアタックした36号車が3番手、立川祐路の38号車が4番手で続き、最終戦の決勝レースは、GRスープラがトップ4,2列目グリッドまでを占めてスタートすることとなりました。

Q1を前にタイヤをセットするKeePer TOM'S GR Supra 37号車(平川 亮/山下 健太)
Q1を前にタイヤをセットするKeePer TOM'S GR Supra 37号車(平川 亮/山下 健太)

コースレーコードを更新するタイムでのポールポジション獲得を喜ぶ、TGR TEAM KeePer TOM'Sの平川 亮、山下 健太、山田 淳監督
コースレーコードを更新するタイムでのポールポジション獲得を喜ぶ、TGR TEAM KeePer TOM'Sの平川 亮、山下 健太、山田 淳監督

決勝

 29日(日)午後1時、曇り空の下、気温は8度、路面温度13度というコンディションで決勝レースが開始。タイヤウォームアップのために通常より1周多い、2周のフォーメーションラップが予定されていましたが、隊列が整わなかったために1周追加され、決勝レースは予定よりも1周少ない65周としてスタートが切られました。

 1周目、予選トップ4を占めたGRスープラ勢はライバルにかわされ、2位以下に後退。2周目のTGRコーナー(1コーナー)では、3位の39号車コバライネンと、4位の36号車フェネストラズがサイド・バイ・サイドで激しいバトルを展開。ここでは39号車が3位を守りましたが、39号車はこのバトルで接触して車両にダメージを負い、5周を終えたところで修復のためにピットイン。最後尾まで順位を落とすこととなり、39号車の中山は事実上タイトル争いから脱落することとなってしまいました。

 最初に首位を奪われ、1秒以上の差をつけられた2位の37号車山下は、タイヤが暖まると徐々に首位との差を詰めていき、7周目のストレートで並ぶと、周回遅れ車両も上手く使い、首位を奪還しました。

 続いて36号車も2位へとポジションを上げ、GRスープラ勢が1-2体制に。後方では、逆転タイトルの可能性を残すものの、13番手と後方からのスタートを強いられた14号車の大嶋が、上位勢と遜色ないペースで追い上げ、17周目には5位まで浮上しました。ドライバー交代が可能となる22周目、14号車は早速ピットへ向かい、タイヤ無交換作戦でピット作業時間を稼ぎ、坪井へ交代してコースへ復帰。

 首位を逃げる37号車の山下は、2位に17秒もの大差をつけて23周終了でピットイン。タイヤ交換と給油、平川へとドライバー交代を行いました。

 37号車はタイヤ無交換で一気に差を詰めた14号車のすぐ前でコースへ復帰しましたが、冷えたタイヤでペースが上がらず、14号車が37号車をパス。実質の首位に立ちました。

 14号車と37号車、どちらも優勝すればチャンピオンとなる2台のトップ争いとなりましたが、27周目、タイヤの暖まった37号車平川は14号車をパス。タイヤをセーブする必要がある14号車は、36号車にも迫られ、31周目のTGRコーナー進入で2台は接触。14号車はこの接触によるダメージの修復のためにピットインを余儀なくされました。

 フロントカウルの修復に加え、タイヤも交換してコースに戻った14号車でしたが、ダメージは思いのほか大きく、33周目に再度ピットイン。そのままガレージへと車両を入れ、レースを終えることとなってしまいました。

 全車がピットを終え、首位につける37号車平川は、2位の車両に対し15秒以上の大差をつけて独走状態となりました。しかし、最後まで走り切るためにペースを抑える37号車に対し、2位の車両が猛追を見せ、周回毎に差を詰めていく終盤戦に。同じくタイトルを争う2台は、勝った方がチャンピオンという、最後の最後まで目の離せない状況となりました。

 終盤、この2台の差は1周あたり1秒ほど詰まっていき、手に汗握る展開となりました。

 残り3周で2台の差は2.1秒。ここで37号車平川はペースを上げ、ファイナルラップに入るとき、2台の差は2.7秒まで開きました。これで勝負あったかと思われましたが、37号車が最終コーナーを立ち上がった瞬間、まさかのスローダウン。ここまで懸命にセーブしてきた平川の健闘むなしく燃料切れに見舞われ、惰性でスロー走行する37号車の横を、無情にもライバルがかわしていきました。37号車は惰性でフィニッシュラインは越えたものの2位フィニッシュ。ほぼ手にしかけていたタイトルを、チェッカー目前で逃すこととなりました。

 レースは37号車が2位、36号車が3位で表彰台獲得。38号車が8位、19号車が10位でポイント獲得を果たしました。

第8戦 決勝スタートシーン
第8戦 決勝スタートシーン

KeePer TOM'S GR Supra 37号車(平川 亮/山下 健太)が2位でフィニッシュ
KeePer TOM'S GR Supra 37号車(平川 亮/山下 健太)が2位でフィニッシュ

予選の順位を守り抜きau TOM'S GR Supra 36号車(関口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ)が3位表彰台を獲得
予選の順位を守り抜きau TOM'S GR Supra 36号車(関口 雄飛/サッシャ・フェネストラズ)が3位表彰台を獲得

ZENT GR Supra 38号車 (立川 祐路/石浦 宏明)
ZENT GR Supra 38号車 (立川 祐路/石浦 宏明)

KeePer TOM'S GR Supra 37号車 ドライバー 平川亮

 前半は山健(山下健太)が最初こそタイヤのウォームアップで抜かれたりはしましたが、その後すぐに抜き返して、そこからは充分すぎるくらいのギャップを作ってくれて、昨日もポールを取ってくれましたし、完璧、100点以上の仕事をしてくれました。僕が担当した後半は、ちょっとタイヤのピックアップが辛く、差を詰められたところもあったのですが、それも最後燃料が足りてればという話ですね。終盤、チームは燃料に余裕がある、大丈夫という認識で、燃料のランプがちょっとついてすぐ消えたので、センサーの不具合かな、と気にしないでいたので、まさか本当にガス欠だとは思っていませんでした。ただ、止まらず惰性でフィニッシュできて良かったです。止まってたらシリーズ2位もなくなっていたので、そこは不幸中の幸いです。シーズンを振り返ると、コロナでレースができないかも、という状況でしたが、最初のレースはポール・トゥ・ウィンで、幸先の良いスタートが切れたし、その後もまずまず順調でした。第5戦富士でのトラブルや鈴鹿のアクシデントなどでの取りこぼしも響いたのかなとは思いますが、今日のガス欠はそれでも出ていたような気がするので、そういう運命だったんだろうなと思います。でもやっぱりスープラが戻って来て、最初の年で勝ちたかったですし、このGRスープラは僕も開発に携わらせて貰って、テストとかもやらせていただいていたので、尚更取るという気持ちは強かったので、すごく悔しいです。

KeePer TOM'S GR Supra 37号車 ドライバー 山下健太

 今日は最後の1周まで予定通りというか順調にいったけど、勝てなかったというレースでした。自分のパートは周りよりも硬めのタイヤを選んでいたので、ウォームアップが心配で、スタート直後は厳しかったです。ただ抜かれたのが23号車だけでしたし、そこからのペースがすごく良くて、平川君に渡す前に16秒くらい差を開けることができたので、そこは良かったかなと思います。結果として勝てませんでしたが、これもレースではありますし、なかなか簡単にはいかないですね。途中までは勝てると思っていたんですが、我々にとっては厳しい結果になってしまいました。

SUPER GT 2020年 第8戦(最終戦)富士 決勝結果:GT500
順位No.車名ドライバー周回ベストラップ所要時間/差タイヤウエイト
1100RAYBRIG NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-420E
山本 尚貴
牧野 任祐
651'29.5921:40'38.010BS
237KeePer TOM'S GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG
平川 亮
山下 健太
651'29.0095.940BS
336au TOM'S GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG
関口 雄飛
サッシャ・フェネストラズ
651'29.38016.060BS
417KEIHIN NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-420E
塚越 広大
ベルトラン・バゲット
651'29.35145.619BS
58ARTA NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-420E
野尻 智紀
福住 仁嶺
651'30.20650.414BS
63CRAFTSPORTS MOTUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B
平手 晃平
千代 勝正
651'29.87452.705MI
712カルソニック IMPUL GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B
佐々木 大樹
平峰 一貴
651'29.71959.682BS
838ZENT GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG
立川 祐路
石浦 宏明
651'29.4711'02.593BS
923MOTUL AUTECH GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
641'29.2681 LapMI
1019WedsSport ADVAN GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG
国本 雄資
宮田 莉朋
631'30.5902 LapsYH
1164Modulo NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-420E
伊沢 拓也
大津 弘樹
631'30.4912 LapsDL
1216Red Bull MOTUL MUGEN NSX-GT
Honda NSX-GT / HR-420E
武藤 英紀
笹原 右京
631'30.6192 LapsYH
1324リアライズコーポレーション ADVAN GT-R
NISSAN GT-R NISMO GT500 / NR20B
高星 明誠
ヤン・マーデンボロー
631'29.9832 LapsYH
1439DENSO KOBELCO SARD GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG
ヘイキ・コバライネン
中山 雄一
601'29.5295 LapsBS
14WAKO'S 4CR GR Supra
TOYOTA GR Supra GT500 / RI4AG
大嶋 和也
坪井 翔
341'30.13731 LapsBS

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