スーパーフォーミュラ・ライツが開幕し、オートポリスで第1,2,3戦が行われました。第1戦ではTGR-DC育成ドライバーの平良響(TOM'S)が3番手スタートから2位表彰台。平良は第3戦でも2番手スタートから首位を追い、逆転はなりませんでしたが2位フィニッシュを果たしました。

5月20日(土)と21日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第1大会(第1戦、第2戦、第3戦)が大分県のオートポリスで行われました。今季のスーパーフォーミュラ・ライツは全イベントが1大会3レース制で、全6大会、18戦で争われます。今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成 ドライバーとして、 参戦3年目を迎える平良と野中誠太(TOM'S)が参戦し、チャンピオンを目指します。
予選
今季の初戦を迎える今大会では、公式走行に先立って18日(木)、19日(金)に専有走行が行われました。しかし、この2日間は天候に恵まれず、各ドライバーはドライタイヤで走るのはほぼ初めてという厳しい状況で予選に臨むこととなりました。今季の予選は10分間に分けて2回行い、それぞれの結果で第1レースと第2レースのグリッドが決定します。
20日(土)の午前11時半から行われた第1戦の予選では、平良が一旦アタックした後ピットへと戻り、今大会使用が許されている2セットの新品タイヤの2セット目を投入するという奇策に出ました。これで更なるタイムアップを図った平良でしたが、遅い車両に僅かに引っかかったこともあり3番手。野中はセッティングがあわず8番手となりました。
第1戦の予選が終わった後、10分間のインターバルを経て行われた第2戦の予選では、平良は先に2セットの新品タイヤを使ってしまったことが影響して、6番手。野中はセッティング変更をして臨みましたが7番手となりました。
第1戦決勝
午後4時より第1戦のスーパーフォーミュラ・ライツの決勝レースが、今大会行われる3レースのうち、最も長い21周で争われました。
スタートでは2番手グリッドのイゴール・オオムラ・フラガ(B-MAX RACING TEAM)がエンジンストールを喫し、3番手グリッドの平良が2位へとポジションアップ。8番手グリッドの野中も1コーナーで1台かわし、6位へと順位を上げました。
2位に上がった平良でしたが、一方で後続からの追撃を受ける形となりました。一時は後続との差を1.5秒ほどまで広げましたが、後半はテール・トゥ・ノーズでの2位争いとなり、10周以上に渡ってポジションを守り切り、2位でフィニッシュ。開幕戦で表彰台を獲得すると共に、この第1戦の結果がスターティンググリッドとなる第3戦での最前列グリッドを確保しました。
6位の野中は、序盤は前の車両についていきましたが、じりじりと離されていき、後半は単独走となり、そのまま6位でチェッカーを受けました。
第2戦決勝
21日(日)朝9時から第2戦の決勝(14周)が行われました。やや涼しいものの、この日も好天に恵まれ、まぶしい日差しの下でのレースとなりました。
スタートでは7番手グリッドの野中がスタートを決め5位へとポジションアップ。6番手グリッドの平良が6位で続きました。
野中は前を行くフラガに迫り、テール・トゥ・ノーズで再三にわたって追撃を続けましたが、10周目にブレーキをロックさせ、その後はじりじりと離される展開に。そのまま5位でチェッカーを受けました。
1大会で2セットしか使えないタイヤのうち、多くの車両がこの2レース目には予選で使ったのみの程度のいいタイヤを使用しましたが、平良は第1戦で使用したタイヤを装着して出場。後続からの追い上げを受けることとなりましたが、守り切って6位でフィニッシュし、1ポイントを獲得しました。
第3戦決勝
第2戦の後、3時間ほどのインターバルで第3戦の決勝レース(14周)が行われました。このレースは第1戦の決勝結果でグリッドが決定され、平良は最前列2番手スタート。野中は6番手グリッドでしたが、フォーメーションラップへ走りだすときにエンジンがかからず、最後尾スタートとなってしまいました。
スタートでは最前列2番手の平良がスタートで出遅れ3番手の古谷悠河(TOM'S)に先行を許すことに。3位へと後退した平良でしたが、2周目の最終コーナーからストレートにかけてスリップストリームに入ると、3周目の1コーナーで古谷をかわし、2位へ復帰しました。
その後、平良は逆転のチャンスを狙って、首位に対し1秒ほどの差を保って追走しましたが、終盤にはじりじりと話されることとなり2位でフィニッシュ。第1戦に続き2度目の表彰台獲得となりました。
最後尾11番手からスタートした野中は、1周目に2台をかわし9位へ浮上。さらにポジションアップを狙いましたが叶わず、9位でチェッカー。レース後にスタート時の手順違反として30秒加算のペナルティを受け、最終結果は10位となりました。


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第1戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 21 | 35'49.740 | 1 | 1'38.748 | SPIESS A41 |
2 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 21 | 4.183 | 3 | 1'39.350 | TOM'S TAZ31 |
3 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 21 | 5.029 | 4 | 1'39.427 | TOM'S TAZ31 |
4 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 21 | 7.639 | 6 | 1'39.518 | SPIESS A41 |
5 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 21 | 9.243 | 5 | 1'39.452 | SPIESS A41 |
6 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 21 | 13.642 | 8 | 1'39.908 | TOM'S TAZ31 |
7 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 21 | 20.2 | 7 | 1'39.737 | TOM'S TAZ31 |
8 | 10 | 堤 優威 | Rn-sports | 21 | 23.754 | 12 | 1'47.242 | SPIESS A41 |
9 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 21 | 1'00.068 | 9 | 1'42.101 | SPIESS A41 |
10 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 21 | 1'07.580 | 10 | 1'43.549 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
11 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 21 | 1'25.193 | 11 | 1'44.030 | SPIESS A41 |
52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 4 | 17Laps | 2 | 1'39.220 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第2戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 23'44.511 | 1 | 1'38.742 | SPIESS A41 |
2 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 14 | 1.69 | 2 | 1'39.077 | SPIESS A41 |
3 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 14 | 3.514 | 3 | 1'39.113 | TOM'S TAZ31 |
4 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 14 | 5.299 | 4 | 1'39.266 | SPIESS A41 |
5 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 14 | 6.581 | 7 | 1'39.656 | TOM'S TAZ31 |
6 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 14 | 21.566 | 6 | 1'39.621 | TOM'S TAZ31 |
7 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 14 | 23.006 | 8 | 1'39.971 | TOM'S TAZ31 |
8 | 10 | 堤 優威 | Rn-sports | 14 | 26.147 | 9 | 1'40.034 | SPIESS A41 |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 14 | 39.802 | 10 | 1'43.049 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
10 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 40.226 | SPIESS A41 | ||
51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 4 | 10Laps | 5 | 1'39.605 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第3戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 24'00.311 | 1 | SPIESS A41 |
2 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 14 | 2.614 | 2 | TOM'S TAZ31 |
3 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 14 | 5.453 | 3 | TOM'S TAZ31 |
4 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 14 | 6.044 | 4 | SPIESS A41 |
5 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 14 | 15.23 | 5 | SPIESS A41 |
6 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 14 | 15.87 | 7 | TOM'S TAZ31 |
7 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 14 | 17.058 | 11 | SPIESS A41 |
8 | 10 | 堤 優威 | Rn-sports | 14 | 17.679 | 8 | SPIESS A41 |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 14 | 48.718 | 10 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
10 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 14 | 49.846 | 6 | TOM'S TAZ31 |
11 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 14 | 51.649 | 9 | SPIESS A41 |
ドライバーズポイント
(第3戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 木村 偉織 | SPIESS A41 | 35 |
2 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 15 |
3 | 古谷 悠河 | TOM'S TAZ31 | 15 |
7 | 野中誠太 | TOM'S TAZ31 | 3 |