スーパーフォーミュラ・ライツの第5大会(第13,14,15戦)が岡山国際サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーの野中誠太(TOM'S)が第13戦で3位表彰台を獲得。ランキング首位の平良響(TOM'S)は予選が振るわず第13戦は最後尾からのスタートとなりましたが追い上げて5位。第14戦、第15戦も着実にポイントを獲得し、ランキング首位で次の最終大会に臨むこととなりました。

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第5大会(第13戦、第14戦、第15戦)が9月9日(土)と10日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットで開催されました。
今季のスーパーフォーミュラ・ライツは全イベントが1大会3レース制で、全6大会、18戦で争われており、残すところ2大会、6レースとなりました。
今季の同シリーズには、TGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとして、 参戦3年目を迎える平良と野中が参戦しており、ここまでの4大会では、平良が12戦中3勝を含む10表彰台と安定した速さを見せ、ドライバーズランキング首位につけています。
予選
9日(土)午前10時半より第13戦の予選、10分間のインターバルを挟んで第14戦の予選がそれぞれ10分間で行われました。
第13戦の予選では、アタックラップに入った平良がTGRコーナー(1コーナー)でオーバランを喫し、ノータイムに。再度アタックに向かいましたが、チェッカーに間に合わず、まさかの最後尾11番手となってしまいました。
一方、野中はアタックを決め、2列目3番手グリッドを獲得しました。
第14戦の予選では、各車タイムをアップし、1分23秒台の争いとなる中、平良は1分24秒046で5番手に留まりました。野中は1分23秒746で3番手と1000分の1秒まで同タイムをマークしましたが、あとからタイムを記録した野中は4番手グリッドとなりました。
第13戦決勝
予選から4時間弱のインターバルを経て、日差しを受けて30度近い暑さとなった午後2時50分から、第13戦の決勝が今大会最長となる25周で行われました。
2列目3番手グリッドの野中を含む上位勢は、順位変動のないまま順当なスタートを切りました。一方、最後尾11番手スタートとなった平良は、1周で4台をパスし、7位に浮上しました。
3位を走行する野中は、4位の木村偉織(B-MAX RACING TEAM)の猛追を受けたものの3位をキープ。
その木村は、11周目にトラブルに見舞われて失速、その間に平良は木村をかわして6位へ浮上。さらに平良は18周目にはエンツォ・トゥルーリ(TOM'S)をパスし、5位まで順位を上げました。
木村からの追撃がなくなり楽になった野中は、単独走行のまま3位でチェッカー。今季4度目の表彰台獲得となりました。
平良は5位でフィニッシュ。最後尾からの追い上げながら入賞圏内へ浮上し、ポイント獲得を果たしました。
第14戦決勝
10日(日)も好天の下、朝8時50分より第14戦決勝(18周)が行われました。今季のスーパーフォーミュラ・ライツでは、1大会3レースを2セットのタイヤで走る規則のため、2レース目、3レース目にどのタイヤを使用するかも重要な戦略となります。この第14戦では、野中は第13戦で使用したタイヤ、平良はもう1セットの比較的周回の少ないタイヤで臨みました。
スタートでは4番手グリッドの野中に、5番手グリッドの平良がアウトから仕掛けますが追い抜くには到らず。平良は危うくコースオフしかけながらもうまく車両をコントロールして5位のポジションを守りました。
一方、後方では2台が接触してクラッシュが発生し、1周目からセーフティカーが導入。5周目にレースが再開されました。
再スタートではタイヤの厳しい野中を平良が攻め、バックストレートエンドでパス。4位へとポジションを上げました。しかし、その前の3台を追うまでには到らず、レース後半はタイヤを温存して、終盤にファステストラップを狙う作戦に。平良はファイナルラップに見事ファステストラップを更新し、4位でチェッカーを受け、順位ポイントと共に狙い通りファステストラップのポイントを獲得しました。
野中は平良にかわされ5位に後退したあと、後続の追撃を受けましたが、タイヤが厳しい中でなんとか凌ぎ切り、5位でチェッカーを受けました。
第15戦決勝
第14戦のあと、予定よりも25分遅れの午後2時45分より、今大会最後のレースとなる第15戦の決勝レース(18周)が行われました。
野中が3番手、平良が5番手グリッドからスタート。平良は好スタートで4番手グリッドのデビッド・ビダーレス(B-MAX RACING TEAM)に並びかけましたが抜くまでには到らず。逆に3番手の野中が1周目のバックストレートエンドでビダーレスにインをつかれ、4位へとポジションを落としてしまいました。
その後は3位のビダーレスに野中、平良をはじめ数台が連なったまま、上位2台が逃げる展開となり、順位は変わらないまま周回が重ねられることとなりました。
残り3周となったところで、4位走行中の野中がリボルバーコーナーでコースアウト。野中はこれでレースを終えることとなってしまいました。このアクシデントによりセーフティカーが導入され、チェッカーを前にセーフティカーは退去しましたが、全車そのままの順位でチェッカー。平良は4位フィニッシュとなり、今大会は苦戦したものの3レース全てでポイントを獲得。チャンピオンを争う木村が3レースで3位表彰台1回に終わり、大量にポイントを獲得できなかったこともあり、平良はドライバーズランキングで首位を守ったまま、11月に行われる最終大会もてぎでの3レースに臨むこととなりました。


全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第13戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 25 | 35'49.596 | 1 | 1'23.952 | SPIESS A41 |
2 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 25 | 5.37 | 2 | 1'24.119 | SPIESS A41 |
3 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 25 | 14.643 | 3 | 1'24.165 | TOM'S TAZ31 |
4 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 25 | 24.257 | 5 | 1'24.575 | SPIESS A41 |
5 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 25 | 24.914 | 11 | 1'36.980 | TOM'S TAZ31 |
6 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 25 | 35.007 | 7 | 1'25.520 | TOM'S TAZ31 |
7 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 25 | 57.579 | 6 | 1'24.685 | TOM'S TAZ31 |
8 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 25 | 1'03.699 | 9 | 1'26.894 | SPIESS A41 |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 25 | 1'04.294 | 8 | 1'26.452 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
10 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 25 | 1'15.153 | 10 | 1'27.458 | SPIESS A41 |
11 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 22 | 3 Laps | 4 | 1'24.215 | SPIESS A41 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第14戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | 予選 | 予選タイム | エンジン |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 18 | 28'48.511 | 2 | 1'23.667 | SPIESS A41 |
2 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 18 | 1.249 | 1 | 1'23.649 | SPIESS A41 |
3 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 8.969 | 3 | 1'23.746 | SPIESS A41 |
4 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 18 | 9.239 | 5 | 1'24.046 | TOM'S TAZ31 |
5 | 35 | 野中 誠太 | TOM'S | 18 | 13.718 | 4 | 1'23.746 | TOM'S TAZ31 |
6 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 18 | 15.161 | 6 | 1'24.318 | TOM'S TAZ31 |
7 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 18 | 22.894 | 8 | 1'24.845 | SPIESS A41 |
8 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 18 | 30.234 | 9 | 1'26.031 | ThreeBond TOMEI TB14F3 |
9 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 32.406 | 10 | 1'26.167 | SPIESS A41 |
10 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 48.116 | 11 | 1'26.935 | SPIESS A41 |
37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 0 | 7 | 1'24.820 | TOM'S TAZ31 |
全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第15戦 結果表
順位 | No. | ドライバー | チーム | 周回 | タイム/差 | グリッド | エンジン | |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | 2 | 小出 峻 | TODA RACING | 18 | 27'59.077 | 1 | SPIESS A41 | |
2 | 52 | イゴール・オオムラ・フラガ | B-MAX RACING TEAM | 18 | 0.213 | 2 | SPIESS A41 | |
3 | 51 | デビッド・ビダーレス | B-MAX RACING TEAM | 18 | 0.837 | 4 | SPIESS A41 | |
4 | 1 | 平良 響 | TOM'S | 18 | 1.49 | 5 | TOM'S TAZ31 | |
5 | 37 | エンツォ・トゥルーリ | TOM'S | 18 | 1.968 | 7 | TOM'S TAZ31 | |
6 | 50 | 木村 偉織 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 4.903 | 11 | SPIESS A41 | |
7 | 36 | 古谷 悠河 | TOM'S | 18 | 5.548 | 6 | TOM'S TAZ31 | |
8 | 4 | 今田 信宏 | B-MAX RACING TEAM | 18 | 7.559 | 8 | SPIESS A41 | |
9 | 30 | DRAGON | B-MAX RACING TEAM | 18 | 9.542 | 9 | ThreeBond TOMEI TB14F3 | |
10 | 53 | 畑 享志 | B-MAX RACING TEAM | 17 | 1 Lap | 10 | SPIESS A41 | |
35 | 野中 誠太 | TOM'S | 14 | 4 Laps | 3 | TOM'S TAZ31 |
ドライバーズポイント
(第15戦終了時)
順位 | ドライバー名 | エンジン | ポイント |
---|---|---|---|
1 | 平良 響 | TOM'S TAZ31 | 92 |
2 | 木村 偉織 | SPIESS A41 | 82 |
3 | 小出 峻 | SPIESS A41 | 76 |
6 | 野中 誠太 | TOM'S TAZ31 | 31 |