2024年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第3大会(第7,8,9戦)SUGO雨中の第8戦でTGR-DCドライバーの中村がキャリア初優勝!
濃霧の第9戦は野中が制しランキング首位を守る

2024.06.23(日)- 21:45配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの第2大会(第7、8、9戦)がスポーツランドSUGOで行われ、雨の中での戦いとなった第8戦で、TGR-DC育成ドライバーの中村仁(TOM'S)が初優勝。第9戦では予選で苦戦した野中誠太(TOM'S)が見事なスタートダッシュで首位に立ち、今季3勝目を挙げ、ランキングトップの座を守りました。

雨中の第8戦でTGR-DCドライバーの中村がキャリア初優勝!濃霧の第9戦は野中が制しランキング首位を守る

 6月22日(土)と23日(日)の両日、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第3大会(第7戦、第8戦、第9戦)が宮城県のスポーツランドSUGOで行われました。
 トップドライバーを目指す若手の登竜門である今季の同シリーズには、参戦4年目となる野中と、昨年のFIA-F4チャンピオンである小林利徠斗(TOM'S)、同ランキング2位の中村の3名がTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとしてフル参戦し、チャンピオンを目指します。
 開幕戦となった前大会では、野中が第4戦と第6戦で優勝、第5戦も3位表彰台を獲得し、現時点でのランキング首位に立っています。今季より同シリーズにステップアップした小林は第4戦でポールポジションを獲得。第4戦2位、第6戦3位と表彰台を獲得。同じく今季同シリーズデビューの中村も第5戦で2位表彰台を獲得しています。

予選

 22日(土)、好天で暑さを感じる中、午前11時より気温32度、路面温度も50度近くまで上昇する暑さの中で、第7戦と第8戦の予選が各10分間ずつで行われました。
 各車20日(木)、21日(金)に専有走行を行い予選に備えてきましたが、予想以上に暑いコンディションに結果を左右されることとなりました。
 野中はコンディションの変化にドライビングを合わせきれず、第7戦、第8戦共にまさかの8番手に沈むこととなりました。
 小林は他の車両とは異なるタイミングで早めにコースインしアタック。クリーンラップを狙いましたが、第7戦はアタックラップでミスがあり6番手。第8戦も作戦は奏功せず5番手グリッドとなりました。
 中村はTGR-DC勢で唯一タイムを伸ばし、第7戦では4番手。第8戦は好タイムで初ポール獲得かと思われましたが、最後に0.012秒上回られ最前列2番手グリッドとなりました。

第7戦決勝

 予選の後、午後3時半過ぎより第7戦の決勝レースが26周で行われました。この時間になってもまだ気温は30度を越える厳しいコンディションでレースがスタート。
 スタートでは4番手グリッドの中村が好ダッシュを決めて1コーナーで3位へとポジションアップ。後方では6番手グリッドの小林がやや出遅れ、8位へ後退。8番手グリッドの野中は小林ともう1台をかわして6位へ。野中はさらに2周目に5位と順位を上げました。
 そこからレース前半は、2位のケイレン・フレデリック(B-MAX RACING TEAM)のペースが落ちてきたことで、それ以降が連なりながらの展開が続きました。
 15周目、3位の中村がフレデリックをパスし、2位へと浮上。この時点で首位とは8.5秒の差がついていましたが、中村は周回毎に差を詰めていき、最後は4秒差の2位でフィニッシュ。また、この第7戦決勝結果で決定される第9戦のスターティンググリッドでも2番手を確保しました。
 フレデリックはタイヤのトラブルでリタイアとなったため、野中はひとつ順位を上げ、4位でフィニッシュ。小林は序盤ポジションアップを目指し果敢に攻めたものの痛恨のコースオフ。順位アップは果たせず、7位でチェッカーを受けました。

第8戦決勝

 23日(日)は朝から雨模様。今季初のウェットコンディションでのレースとなりました。
 午前9時、セーフティカー先導でレースがスタート。3周目を追えたところでセーフティカーが退去の予定でしたが、この周回でスピンを喫しコース上に止まった車両が出たことで再びセーフティカーが入り、6周目から本格戦が開始されました。
 2番手グリッドの中村は、本格戦が始まってすぐに、首位を行くフレデリックが3コーナーでスライドした隙を突き首位を奪取。首位に立った中村は後続との差を周回毎に開いていきました。
 後続勢は舞い上がる水煙の中での困難な走行を強いられ、順位変動が無いままレースは終盤へ。
 結局、レースは30分が経過したことで、タイムレースとして18周でチェッカー。中村は2位に12秒もの大差をつけてトップチェッカーを受け、スーパーフォーミュラ・ライツ参戦初年度、5戦目にして初優勝を飾りました。
 後方では、スタートのポジションのまま5位を走行していた小林は、最終ラップに他車が接触で後退したことにより4位でチェッカー。その後、3位フィニッシュのフレデリックがペナルティを科されたことで順位が繰り上がり、3位となりました。8番手スタートの野中はセーフティカースタートとなったことで得意のスタートでのジャンプアップが果たせず、7位でレースを終えました。

第9戦決勝

 第8戦の後、3時間ほどのインターバルを経て今大会3レース目となる第9戦の決勝が行われました。このレースも第8戦に引き続きウェット。気温もあまり変わらないコンディションで午後12時35分から、今度は通常通りグリッドに停止してからのスタンディングスタートでレースが開始されました。
 第9戦は第7戦の決勝結果によりスターティンググリッドが決定され、2番手グリッドとなった中村でしたが、スタートでやや出遅れ。そのすぐ後方4番手グリッドの野中は上手く中村をかわすと巧みなライン取りとスタートダッシュを見せて、アウトから前を行く2台をパス。1コーナーを首位で通過しました。
 中村は3位、7番手グリッドの小林はひとつ順位を上げて6位で周回を開始。小林は3周目にも前車をかわし5位へと上がりました。
 スタート時から出ていた霧が、周回を重ねるごとに徐々に濃くなっていき、視界不良により7周目にセーフティカーが導入。その後も状況が回復することなく、レースはセーフティカー先導走行のまま規定の30分を迎えたために16周でチェッカー。野中は今季3勝目を挙げることとなりました。中村は3位でチェッカーを受け、今大会3レース全てで表彰台を獲得しました。小林は5位フィニッシュ。
 今大会を終えて、野中はランキング首位の座を守りました。中村は1勝を含む3表彰台獲得でランキングは2位と1点差の3位へと浮上しました。

第9戦で今季3勝目を挙げた野中誠太(TOM'S #36)
第9戦で今季3勝目を挙げた野中誠太(TOM'S #36)
第8戦でキャリア初勝利を挙げた中村仁(TOM'S)
第8戦でキャリア初勝利を挙げた中村仁(TOM'S)
第8戦でキャリア初勝利を挙げた中村仁(TOM'S #35)
第8戦でキャリア初勝利を挙げた中村仁(TOM'S #35)
第8戦で3位表彰台を獲得した小林利徠斗(TOM'S #38)
第8戦で3位表彰台を獲得した小林利徠斗(TOM'S #38)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第7戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 26 33'13.506 1 1'13.260
2 35 中村 仁 TOM'S 26 4.094 4 1'13.440
3 51 荒川 麟 B-MAX RACING TEAM 26 5.931 3 1'13.336
4 36 野中 誠太 TOM'S 26 6.801 8 1'13.750
5 37 古谷 悠河 TOM'S 26 7.236 5 1'13.515
6 2 荒尾 創大 TODA RACING 26 7.932 7 1'13.590
7 38 小林 利徠斗 TOM'S 26 8.272 6 1'13.574
8 4 今田信宏 JMS RACING TEAM 26 44.275 9 1'15.336
9 30 DRAGON TEAM DRAGON 26 57.149 10 1'15.585
10 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 26 1'13.846 11 1'17.067
11 8 清水 康弘 GNSY RACING 25 1 Lap 12 1'17.201
1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 20 6 Laps 2 1'13.332

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第8戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 35 中村 仁 TOM'S 18 31'16.226 2 1'13.037
2 2 荒尾 創大 TODA RACING 18 12.107 3 1'13.151
3 38 小林 利徠斗 TOM'S 18 13.328 5 1'13.290
4 51 荒川 麟 B-MAX RACING TEAM 18 14.735 6 1'13.328
5 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 18 17.893 1 1'13.025
6 37 古谷 悠河 TOM'S 18 18.377 7 1'13.437
7 36 野中 誠太 TOM'S 18 20.254 8 1'13.599
8 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 18 33.195 4 1'13.236
9 30 DRAGON TEAM DRAGON 18 51.361 10 1'15.554
10 4 今田信宏 JMS RACING TEAM 18 1'00.359 9 1'15.023
11 8 清水 康弘 GNSY RACING 18 1'29.824 11 1'15.952
12 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 16 2 Laps 12 1'16.060

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第9戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 36 野中 誠太 TOM'S 16 30'27.157 4
2 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 16 2.619 1
3 35 中村 仁 TOM'S 16 3.939 2
4 51 荒川 麟 B-MAX RACING TEAM 16 5.474 3
5 38 小林 利徠斗 TOM'S 16 6.68 7
6 37 古谷 悠河 TOM'S 16 7.456 5
7 2 荒尾 創大 TODA RACING 16 8.024 6
8 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 16 8.368 13
9 30 DRAGON TEAM DRAGON 16 17.261 9
10 4 今田信宏 JMS RACING TEAM 16 17.936 8
11 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 16 18.731 10
12 8 清水 康弘 GNSY RACING 16 19.372 11

ドライバーズポイント
(第9戦終了時)

順位ドライバー名ポイント
1 野中 誠太 38
2 ⼩出 峻 31
3 中村 仁 30
4 ⼩林 利徠⽃ 20