2024年全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第4大会(第10,11,12戦)富士TGR-DCドライバーの小林が第11戦でキャリア初優勝
第12戦では野中が7番手から追い上げ3位表彰台

2024.07.21(日)- 22:55配信

 スーパーフォーミュラ・ライツの第4大会(第10、11、12戦)が富士スピードウェイで行われ、TGR-DC育成ドライバーの小林利徠斗(TOM'S)が第11戦でキャリア初優勝。中村仁(TOM'S)が2位で続き、TGR-DCドライバーの1-2フィニッシュ。第12戦では7番手と後方スタートの野中誠太(TOM'S)が見事な追い上げを見せて3位表彰台を獲得しました。

TGR-DCドライバーの小林が第11戦でキャリア初優勝 第12戦では野中が7番手から追い上げ3位表彰台

 7月19日(金)から21日(日)にかけて、全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権の第4大会(第10戦、第11戦、第12戦)が静岡県の富士スピードウェイで行われました。
 トップドライバーを目指す若手の登竜門である今季の同シリーズには、参戦4年目となる野中と、昨年のFIA-F4チャンピオンである小林、同ランキング2位の中村の3名がTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の育成ドライバーとしてフル参戦し、チャンピオンを目指します。
 実質開幕戦となった5月のオートポリス大会で第4戦と第6戦で優勝、続く6月のSUGO大会でも濃霧の第9戦を制し、今季3勝を挙げている野中が現時点でランキング首位に立っています。
 今季より同シリーズにステップアップした中村は第5戦で2位表彰台を獲得したのち、ウェットとなった第8戦でキャリア初優勝を飾りました。同じく今季同シリーズデビューの小林は第4戦でポールポジションを獲得。第4戦2位、第6戦3位と表彰台に上っており、TGR-DC育成ドライバー3人の更なる活躍に期待がかかりました。

予選

 19日(金)午後3時50分より10分ずつ、第10戦と第11戦のスターティンググリッドを決定する予選が行われました。やや雲が多く、気温、路面温度共に午前中の練習走行よりは若干低くなる中でセッションが開始されました。
 TGR-DCドライバーの3名はやや遅れてコースへ向かい、計測3周目からアタックを開始。前大会で初優勝を飾った中村が順調にタイムを更新していき、トップタイムをマーク。小林も僅差でライバルを抑えて2番手につけ、TGR-DC勢が最前列グリッドを獲得しました。
 一方で野中はアタック1周目にダンロップコーナーでスピードバンプに乗りジャンプしてしまい、タイヤを汚してしまったためにタイムが出せない状態に。その後タイムを更新するも僅差の争いの中で7番手に。その後1台降格があったため、第10戦のスターティンググリッドは3列目6番手となりました。
 10分間のインターバルの後に行われた第11戦予選では、小林がポールポジションを獲得。セッティングを変えて臨んだ野中も小林に0.04秒まで迫るタイムで2番手グリッド。中村も僅差の3番手で続き、第11戦はTGR-DCドライバーがトップ3を占めてスタートすることとなりました。

第10戦決勝

 20日(土)午前8時20分より第10戦決勝(15周)が行われました。曇り空でまだ気温もそこまで上がらず、比較的涼しい気候でのレースとなりました。
 中村がポールポジション、小林が2番手とTGR-DC勢が最前列グリッドを占めてのスタートとなりましたが、2台共にフォーメーションラップ中に入念にタイヤを暖めたことで水温が高くなり、スタートでセーフ機能が働いて回転が上がらず、共に順位を落とすこととなってしまいました。
 6番手スタートの野中も同様にセーフ機能が働き、9位へと後退。すぐに7位へと順位を取り戻すも、ダンロップコーナーでコースオフ。1周目は中村が5位、小林が6位、野中が8位で終えることとなりました。
 3周目のTGRコーナー(1コーナー)で野中は1台パスし7位へ。
 TGR-DCの3台は4位の車両の後に連なる形で離されることなく周回を重ねて行きましたが、順位の変動は無く、そのままの順位でチェッカー。中村が5位、小林が6位。野中は7位でノーポイントに終わることとなりました。

第11戦決勝

 第10戦の後、併催レースを挟んで午後3時10分より、今大会最長の21周で争われる第11戦決勝が行われました。日差しが戻り、気温も30度を超える暑さの中で、ドライバーにとっても長く厳しいレースとなりました。
 ポールポジションの小林は順調なスタートを切り首位の座をキープ。一方で最前列2番手に並んでいた野中は、スタートダッシュでホイールスピンさせてしまい出遅れ、6位へと大きく後退。ダンロップコーナーでも1台にかわされ、1周目を7位で終えることとなってしまいました。
 3番手グリッドスタートの中村は、野中をかわして2位へ。
 その後はこのレースに新品タイヤを温存していた小林がじりじりと後続との差を広げていき、中村も小林には着いていけなかったものの3位以下を引き離して行きました。
 7位に後退した野中は中団グループでのバトルを繰り広げ、9周目に6位へポジションを上げると、前車との差を詰めて行き、14周目のダンロップコーナーで5位へ。さらに追い上げる野中は、17周目に4位へとポジションを上げました。
 首位を行く小林は、全く危なげなく最後まで首位の座を守り、5秒差でトップチェッカー。前大会の中村に続き、スーパーフォーミュラ・ライツ参戦初年度で初優勝を飾りました。中村も3位に5秒以上の差をつけて2位チェッカー。野中は4位でフィニッシュしました。

第12戦決勝

 21日(日)は好天の下、気温28度/路面温度34度と朝から暑さを感じる中で午前8時20分から第12戦の決勝レース(15周)が行われました。
 第12戦のスターティンググリッドは第10戦の決勝結果によって決定され、中村が5番手、小林が6番手、野中が7番手からのスタートとなりました。
 スタートでは5番手グリッドの中村が4位の車両にTGRコーナーでアウトから並びかけるも接触。中村はスピンを喫し最後尾へと後退を余儀なくされてしまいました。
 小林と野中はグリッド通りの6,7番手でスタートを切りましたが、1周目のダンロップコーナーで野中が小林をパス。さらにストレートでも前車に追いついた野中は2周目に5位へ。小林も4周目に1台パスし6位へと順位を上げました。
 勢いに乗る野中は9周目のTGRコーナーでさらに1台かわして4位。小林も激しいバトルを繰り広げ、9周目に一旦は5位まで順位を上げますが、13コーナーで痛恨のコースアウト。7位へと順位を落とすも、諦めずバトルを続け、10周目に6位を奪い返しました。
 野中は13周目のストレートでさらに1台かわし、表彰台圏内へ浮上。残り3周で更なる追い上げを見せましたが、惜しくも逆転には至らず。2位に0.3秒差の3位でチェッカー。それでも7番手グリッドからの見事な追い上げで表彰台を獲得してみせました。
 小林は6位でチェッカーを受けた後、他車の降格により5位。1周目でスピンを喫し、最後尾からの追い上げとなった中村は7位フィニッシュとなりました。

第11戦でキャリア初勝利を挙げた小林利徠斗(TOM'S #38)
第11戦でキャリア初勝利を挙げた小林利徠斗(TOM'S #38)
第11戦で2位表彰台を獲得した中村仁(TOM'S #35)
第11戦で2位表彰台を獲得した中村仁(TOM'S #35)
第12戦で7番手から追い上げ3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S)
第12戦で7番手から追い上げ3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S)
第12戦で7番手から追い上げ3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S #36)
第12戦で7番手から追い上げ3位表彰台を獲得した野中誠太(TOM'S #36)

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第10戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 15 23'42.638 3 1'33.244
2 51 荒川 麟 B-MAX RACING TEAM 15 4.871 4 1'33.364
3 37 古谷 悠河 TOM'S 15 5.573 5 1'33.406
4 2 荒尾 創大 TODA RACING 15 6.601 7 1'33.488
5 35 中村 仁 TOM'S 15 7.896 1 1'33.030
6 38 小林 利徠斗 TOM'S 15 8.15 2 1'33.203
7 36 野中 誠太 TOM'S 15 9.074 6 1'33.416
8 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 15 18.016 12 1'42.317
9 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 15 37.95 9 1'35.536
10 30 DRAGON TEAM DRAGON 15 44.631 11 1'36.101
11 8 清水 康弘 GNSY RACING 15 45.223 8 1'35.151
12 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 15 52.15 10 1'35.912

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第11戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差予選予選タイム
1 38 小林 利徠斗 TOM'S 21 33'27.352 1 1'33.055
2 35 中村 仁 TOM'S 21 5.127 3 1'33.172
3 2 荒尾 創大 TODA RACING 21 11.062 4 1'33.316
4 36 野中 誠太 TOM'S 21 17.355 2 1'33.092
5 51 荒川 麟 B-MAX RACING TEAM 21 19.6 6 1'33.392
6 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 21 19.929 5 1'33.349
7 37 古谷 悠河 TOM'S 21 22.016 7 1'33.496
8 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 21 26.366 8 1'33.693
9 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 21 50.944 10 1'35.628
10 30 DRAGON TEAM DRAGON 21 58.758 12 1'35.736
11 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 21 1'07.115 9 1'35.538
12 8 清水 康弘 GNSY RACING 21 1'22.875 11 1'35.726

全日本スーパーフォーミュラ・ライツ選手権 第12戦 結果表

順位No.ドライバーチーム周回タイム/差グリッド
1 50 小出 峻 B-MAX RACING TEAM 15 23'44.142 1
2 51 荒川 麟 B-MAX RACING TEAM 15 7.372 2
3 36 野中 誠太 TOM'S 15 7.733 7
4 37 古谷 悠河 TOM'S 15 9.544 3
5 38 小林 利徠斗 TOM'S 15 12.61 6
6 2 荒尾 創大 TODA RACING 15 16.089 4
7 35 中村 仁 TOM'S 15 17.217 5
8 30 DRAGON TEAM DRAGON 15 37.556 10
9 4 今田 信宏 JMS RACING TEAM 15 37.557 12
10 8 清水 康弘 GNSY RACING 15 44.14 11
11 13 藤原 誠 TEAM DRAGON 15 1'01.948 9
12 1 ケイレン・フレデリック B-MAX RACING TEAM 14 1Lap 8

ドライバーズポイント
(全18戦中9戦終了時)

順位ドライバー名ポイント
1 小出 峻 52
2 野中 誠太 46
3 中村 仁 40
5 ⼩林 利徠⽃ 34