FIA-F4の今季最終大会となる第6大会(第13,14戦)が富士スピードウェイで行われ、TGR-DC RSのスカラシップを受ける野中誠太(TGR-DC RSトムススピリットF4)が両レースを制覇。逆転で2021シーズンのFIA-F4シリーズチャンピオンを獲得しました。
11月27日(土)、28日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイでFIA-F4選手権の2021年最終大会となる第6大会(第13戦、第14戦)が行われました。
今季の同シリーズには、TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ参戦3年目となる野中、昨年から引き続いての参戦となる清水英志郎(TGR-DC RSフィールドF4)、奥住慈英(TGR-DC RSフィールドF4)の3名に、今季より荒川麟(TGR-DC RSトムススピリットF4)を加えた4名が参戦しています。
今季の同シリーズでは、野中が第2戦でシリーズ初勝利を挙げたあと4連勝を挙げ、中盤戦は苦戦したもののランキング首位をキープ。しかし、荒川が8月に延期されて行われた第4戦で念願の初勝利を挙げると、前戦第12戦をポール・トゥ・ウィンで制し今季2勝目を挙げ、ポイントランキングで野中をかわし首位に立ちました。
首位荒川と2位の野中は13点差、そして野中と3点差にライバルが続き、1戦で最大25ポイントが獲得できる同シリーズのタイトル争いは、全く予断を許さない状況で最終大会を迎えることとなりました。
27日(土)は朝から好天に恵まれましたが、朝8時15分からの予選は、気温8度、路面温度は4度という11月末の富士ならではの寒さの下で行われました。
30分間のセッション、一刻も早くタイヤを暖めてアタックすべく、開始と共にほとんどの車両がコースイン。計測4周目あたりから各車アタックに入り、ストレートの長い富士スピードウェイならではの、スリップストリームも活用したアタック合戦で、目まぐるしく順位が入れ替わっていきました。
セッションが折り返しを迎えるあたりから、各車1分45秒台に突入。残り10分で野中が首位に立つも、ライバルがすぐにこれを塗り替え、野中がまたそれを更新するという激しい戦いが繰り広げられました。
野中は最後までポールポジションを争うも、0.045秒及ばず、ベストタイム、セカンドベストタイム共に2番手。ベストタイムで決定される第13戦決勝、セカンドベストタイムで決される第14戦決勝共に、最前列2番手からスタートすることとなりました。
ランキング首位につけるも、両レース共に野中が優勝すると逆転される荒川は両レースともに3番手から追う形に。奥住は両レース6番手、清水は第13戦は13番手、第14戦は12番手グリッド。
FIA-F4では1周1分45秒以上かかる富士スピードウェイで、上位14台が1秒位内に入るという僅差の予選となりました。
予選の後、気温9度、路面温度は14度まで上がった午後1時15分より、第13戦の決勝レース(14周)が行われました。
最前列2番手グリッドの野中、3番手グリッドの荒川は順調なスタート。4番手の車両がエンジンストールしたため、その後方にいた6番手スタートの奥住が5位へ、13番手スタートの清水は9位へと順位を上げました。
2位の野中は2周目のコカコーラコーナーで首位の車両がミスをした隙を突き首位を奪取。その後は、2位以下の車両をじりじりと引き離して行くと、終盤にはファステストラップを更新しながらトップチェッカー。8戦ぶりとなる今季5勝目を挙げました。
荒川は序盤ライバルからの追撃を受けるも3位をキープし、3位でチェッカー。今季7度目の表彰台獲得となり、ランキング首位は守りましたが、野中の勝利により2台のポイント差は僅か3点へと縮まり、最終戦で勝った方がチャンピオン、という状況となりました。
奥住は5位、清水は7位でポイント獲得を果たしました。
28日(日)この日も雲ひとつない快晴。朝8時より今季最終戦となる第14戦の決勝レース(14周)が行われました。
タイトルを争う野中、荒川は、それぞれ2,3番手グリッドからのスタートながら、若干出遅れ、ライバルにかわされて3位、5位へとポジションダウン。しかし、その後方で接触によるコースアウトが発生し、1周目にしてセーフティカーが導入。3周を終えたところでセーフティカーが退去し、再スタートが切られると、3位、5位の野中と荒川はこのチャンスを逃さず、長いストレートエンドのTGRコーナー(1コーナー)にはライバルと4台が並んで進入する激しい2位争いを展開。一番イン側にいた荒川がこのバトルを制し、一気に2位へ浮上。野中が3位で続く形となりました。
この激しいバトルの後方では、再び後続グループ内で接触が発生し、すぐに2度目のセーフティカーが導入。このセーフティカーランは7周目まで続き、折り返しとなる8周目に再スタートが切られました。
この再スタートでも2位、3位の荒川、野中がTGRコーナー進入で首位の車両に並びかけ、一気に2台揃ってパス。荒川が首位、野中が2位へとポジションアップ。タイトルを争う2台での首位争いが繰り広げられました。
2位の野中は首位荒川にコンマ5秒以内の差で周回を重ね、残り2周となったストレートで荒川の直後に付くと、スリップストリームから抜け出したTGRコーナー進入で逆転。ファイナルラップも追いすがる荒川の追撃を凌ぎ切り、トップチェッカー。今季6勝目を挙げ、FIA-F4での7代目となるシリーズチャンピオンに輝きました。
荒川は2位でチェッカーを受け、最終戦はTGR-DC RS支援ドライバーが1-2フィニッシュで有終の美を飾りました。
奥住は5位、清水は終盤順位を落とし11位(※レース後にペナルティが科され26位)でチェッカーを受けました。