鈴鹿サーキットでFIA-F4 Japanese Championship(以下FIA-F4)の第2大会(第3戦、第4戦)が行われ、TOYOTA GAZOO Racing ドライバーズ・チャレンジプログラム レーシングスクール(TGR-DC RS)のスカラシップドライバーとしてシリーズに参戦している荒川燐(TGR-DC RSトムススピリットF4)が、クラッシュなどで大荒れとなったこの週末の第3戦で3位表彰台を獲得しました。
5月28日(土)、29日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットFIA-F4選手権の2022年第2大会(第3戦、第4戦)が行われました。
世界標準の規格に沿ったワンメイク車両で、カートからのステップアップなど、未来のトップドライバーを目指す若手ドライバーがしのぎを削る同シリーズには、今季TGR-DC RSの支援を受け、シリーズ3年目を迎える荒川と、昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップする16歳の小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)、中村仁(TGR-DC RSフィールドF4)と17歳の平安山良馬(TGR-DC RSフィールドF4)の3名を加えた4名がフル参戦しています。
今大会も過去最多となる41台がエントリーし、5月とは思えない暑さとなった鈴鹿で、激戦が繰り広げられました。
予選
全41台ものエントリーを集めた今大会、予選は2グループに分け、20分ずつで行われました。28日(土)午前8時10分、朝早いにもかかわらず既に気温は26度、路面温度は28度という好天のコンディションでA組の予選が開始。このA組には小林が出走しました。
大きなアクシデントなどはなく推移したA組のセッションでしたが、各車が徐々にタイムを上げ、タイヤが最良の状態となる3,4周目あたりでベストタイムをマークする中、小林は他車に引っかかったか、タイムをなかなか伸ばせず、7周目に出したタイムで6番手。セカンドベストタイムは4番手となりました。
続いて行われたB組では、各車がアタックを開始した3周目あたりでスピンした車両がグラベルに捕まり赤旗中断。残り13分で再開されましたが、すぐにまた別の車両がクラッシュを喫して再度の赤旗中断。ほとんどの車両がまともにアタック出来ていない状況下で、残り10分でセッションが再開されました。
各車再びタイヤを暖めてアタックに入りましたが、残り3分ほどのところでコース上に停まった車両があり3度目の赤旗。セッションはそのまま終了となりました。
荒川は最初のアタックの前半セクターで好タイムを出していたものの、アタックが中断され、2番手タイム。また、その後は燃料が足りなくなりアタックできず、セカンドベストタイムはまさかの13番手となってしまいました。
中村は荒川から0.1秒遅れで4番手。平安山は7番手につけましたが、ピットロードでの速度違反を取られ、グリッドは2つ降格に。セカンドベストタイムでは逆に平安山が3番手、中村が4番手につけました。
荒れた展開となったB組は全体にタイムが伸び悩んだため、A組の方がイン側の奇数列、B組が偶数列に並ぶこととなり、それぞれのタイム順にグリッドが決定されました。
第3戦決勝
予選の後、予定よりも10分遅れの午後2時、気温は29度、路面温度40度と暑さが増す中、11周で争われる第3戦の決勝レースがスタートしました。
2列目4番手スタートの荒川は好ダッシュでインをつき、3位へと浮上。8番手スタートの中村はポジションをキープ。一方で11番手スタートの小林はスタート時にギアがニュートラルに入ったままというミスで出遅れ、19位へと後退。
1周目の130Rで後方グループのクラッシュがあり、2周目からセーフティカーが導入。5周目に再開されると、3位の荒川はぴたりと首位に貼り付きましたが、抜くまでには到らず。後方グループも大きな順位変動のないまま周回が重ねられていきました。
残り3周目前となった8周目、平安山がシケイン入り口でオーバーランからスピンを喫し、グラベルでストップ。これで再びセーフティカーが出されると、そのままチェッカー。荒川が3位表彰台を獲得。中村は8位、小林は15位でレースを終えました。
第4戦決勝
29日(日)も好天に恵まれ、全国的に暑くなる予報の中、午前8時半のスタート時には、気温は28度まで上昇。路面温度33度のコンディションで、11周で争われる決勝レースがスタートしました。
平安山が6番手、小林が7番手、中村が8番手、荒川は後方26番手からのスタート。小林が好ダッシュを見せ、平安山をかわして6位へ。中村は平安山ともう1台とのバトルを繰り広げることとなり、1周目は小林が6位、中村が7位、平安山が8位。2周目には中村と平安山がそれぞれ8位、9位へと後退。荒川は1周目を21位で終わると、2周目に19位、3周目には18位へと浮上。18位に上がったところで前車とは2秒以上差があったものの、これを詰めて行き、5周を終えたところではテール・トゥ・ノーズにまで迫りましたが、6周目のシケイン手前でクラッシュ車両が発生。セーフティカーが導入されました。
このセーフティカーランはやや長引き、10周目を終えたところで退去。最後の1周でのバトルが再開されると、荒川は一気に15位へと浮上。
この最終ラップのバトルで、中村が小林をかわし、7位でフィニッシュ。小林が8位、平安山が9位、荒川は15位でレースを終えました。