Formula Regional Japanese Championshipの第2大会(第4戦、第5戦、第6戦)が岡山国際サーキットで行われ、TGR-DC育成ドライバーとして同シリーズに参戦する小山美姫(SUPER LICENSE)が第4戦で2位、続く第5戦で初優勝を挙げ、第6戦も連続勝利を飾りました。この結果、小山は同シリーズのドライバーズランキングでも首位に浮上しました。
6月25日(土)、26日(日)の両日、岡山県の岡山国際サーキットでFormula Regional Japanese Championship(FRJ)の第2大会(第4戦、第5戦、第6戦)が行われました。
FRJはFIA-F4の上位に位置するカテゴリーとして、国際自動車連盟(FIA)で制定された規定に則り、2020年より日本国内でJAF地方選としてスタートしたフォーミュラレースシリーズで、今季で3年目を迎えます。
未来のトップドライバーを目指す若手のためのステップアップカテゴリでもある同シリーズに、今季はTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の支援ドライバーとして、小山がフル参戦します。
今季の同シリーズは、全6大会、そのうち5大会は1大会3レース制で行われ(最終戦のみ2レース制)、全17戦でチャンピオンシップが争われます。
4月に富士スピードウェイで行われた開幕大会では、小山は第1戦、第2戦で2位、第3戦で3位と3戦連続表彰台を獲得しており、残る表彰台の中央、自身にとっての初優勝を目指し、第2大会に臨みました。
予選
25日(土)午前9時55分より、15分ずつ2回のセッションに分けて予選が行われました。予選1回目のベストタイムで第4戦のスターティンググリッド、セカンドベストタイムで第6戦のグリッド、予選2回目のベストタイムで第5戦のグリッドが決定されます。
この日は時折雲の間から日差しが覗くような空模様。路面はドライ。気温は27度、路面温度32度のコンディションで予選が開始されました。
小山はセッション開始と同時に先陣を切ってコースイン。4周目に1分27秒台に入れて一旦トップに立ちますが、ライバルに塗り替えられました。その後も少しずつタイムを更新しましたが、0.109秒差で逆転には至らず。ベスト、セカンドベスト共に2番手となりました。
10分間のインターバルを挟んで行われた予選2回目も小山は真っ先にコースへ。序盤はライバルの先行を許すも、7周目に1分27秒082の好タイムでトップに立ちました。しかし、ライバルが残り1分というところで26秒台に入れ、ここでもコンマ1秒及ばず2番手となりました。
小山は第4戦、第5戦、第6戦の3レース全て、最前列2番手からスタートを切ることとなりました。
第4戦決勝
予選の後、午後2時45分より、第4戦の決勝レース(18周)が行われました。やや空には雲が多いものの、気温29度、路面温度は42度まで上昇する中での戦いとなりました。
スタートでは小山は若干出遅れ、3番手グリッドの車両と並んで2台が1コーナーへと進入していきました。しかし、アウトにいたライバル車両がコースアウトを喫し、小山は2位をキープ。
その後小山は2周ほどの間、ペースが上がらず、首位からは1周で2秒以上離されてしまいました。
前半はじりじりと首位との差が広がっていきましたが、折り返しとなる9周目を終えたところで、小山は1分28秒台に入れ、首位とほぼ同タイムで追走。しかし、5秒以上の差は縮まることはなく、2位でチェッカー。今季4連続での表彰台獲得となりました。
第5戦決勝
26日(日)晴天の下、午前10時35分より第5戦の決勝レース(18周)が行われました。気温は28度、路面温度は39度のコンディション。
この第5戦では、小山が抜群のスタートダッシュを決め、1コーナー進入で首位に浮上。1周目を終えた時点で、2位に約1秒の差をつけました。
今大会は3レース制で、規則により3セットの新品タイヤを使用できます。ほとんどの車両が2回の予選で2セットを使用、3レースのうち1レースで残りの新品1セットを使用できるため、どのレースにこれを用いるかも戦略のひとつとなります。この第5戦では、小山は使用済みタイヤでしたが、2位で追うライバルは新品タイヤで猛追。しかし、小山は4周目にこの時点でのファステストラップとなる1分28秒639をマークし、後続を突き放しました。
6周目にもファステストラップを更新した小山でしたが、後方の車両がスピンしコース上に停まってしまったため、7周目にセーフティカーが導入。1.3秒ほどあったマージンは帳消しとなり、10周目を終えたところでセーフティカーが退去しました。
11周目、再スタートを着実に決めた小山はその後もただ一人1分28秒台の好ラップを刻んで後続との差を広げていき、最後は3秒近い差をつけてトップチェッカーを受けました。
FRJフル参戦初年度、デビュー5戦目にして念願の初優勝を飾りました。また、この勝利により、ドライバーズランキングでも首位に浮上しました。
第6戦決勝
第5戦の後、3時間ほどのインターバルを経て、午後2時30分より今大会最後のレースとなる第6戦の決勝レース(18周)が行われました。全国的に猛烈な暑さとなったこの日、山間部の岡山国際サーキットでも気温は30度、路面温度は43度まで上昇し、暑さの中でドライバーはこの週末3レース目を迎え、体力的にも厳しいレースとなりました。
最前列2番手グリッドから好スタートを切った小山は、ポールポジションの車両が出遅れた隙をつき、1コーナーで首位を奪取。このレースに唯一新品タイヤを温存していた小山は、1周目で2位に1.3秒の差をつけると、2周目に早くもラップタイムが1分28秒台に突入。2位以下の車両が1分29秒台で周回を続ける中、毎周約1秒近い差を広げていく独走態勢となりました。
6周目には1分28秒277のファステストラップをマーク。その後はペースをコントロールしながらも、1分28秒台での周回を重ねていき、2位に13秒以上の大差をつけての独走で、今季2勝目となるトップチェッカーを受けました。
小山はこの連勝で、第5戦でトップに立ったドライバーズランキングにおいて、2位との差を19ポイント差へと広げました。