Formula Regional Japanese Championship(FRJ)の第4大会(第10戦、第11戦、第12戦)がスポーツランドSUGOで行われ、TGR-DC育成ドライバーとして同シリーズに今季より参戦、目下5連勝中の小山美姫(SUPER LICENSE)が第10戦、第11戦は2位に終わり、連続勝利記録は途絶えたものの、第12戦はポール・トゥ・ウィンで今季6勝目を飾りました。
7月23日(土)、24日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOでFormula Regional Japanese Championship(FRJ)の第4大会(第10戦、第11戦、第12戦)が行われました。
FRJはFIA-F4の上位に位置するカテゴリーとして、国際自動車連盟(FIA)で制定された規定に則り、2020年より日本国内でJAF地方選としてスタートしたフォーミュラレースシリーズです。未来のトップドライバーを目指す若手のためのステップアップカテゴリでもある同シリーズに、今季はTGR-DC(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジ・プログラム)の支援ドライバーとして、小山がフル参戦します。
今季は全6大会、そのうち5大会は1大会3レース制で行われ(最終戦のみ2レース制)、全17戦でチャンピオンシップが争われます。
全6大会で戦われる2022年シーズンも第4大会を迎え、後半戦に入りました。小山は4月の開幕富士大会を2位2回、3位1回の3連続表彰台で終えた後、第2大会の岡山第5戦で初優勝を飾りました。第6戦も連続勝利を挙げ、その翌週に行われた第3大会もてぎでは3レース全てをポール・トゥ・ウィンで完全勝利の5連勝。ドライバーズランキングでも大きく2位以下を引き離している小山は、シリーズチャンピオンを目指しシーズン後半の3大会に挑みます。
予選
23日(土)午前10時15分より15分ずつ、2回に分けての予選が行われました。予選1回目のベストタイムで第10戦、セカンドベストタイムで第12戦、予選2回目のベストタイムで第11戦の決勝スターティンググリッドが決定されます。
前日22日(金)は雨天のウェットコンディションの中で占有走行が行われましたが、23日(土)の予選では天候が回復し、まだ雲が残り湿度も高いものの、路面はドライとなりました。気温27度、路面温度29度、時折強い日差しが差し込む中で予選が争われました。
予選1回目のセッション開始と共に多くの車両がコースへと向かう中、小山はやや出走を遅らせ、他車から1周遅れでコースイン。小山が最初の計測ラップを終え、アタックに入るタイミングで、他車のクラッシュによりセッションは赤旗中断。
15分ほどの中断の後にセッションが再開されると、小山は先陣を切ってコースへと向かい、5周目に1分19秒834でこの時点でのトップに浮上。翌周も1分19秒814と自己ベストタイムをさらに更新しましたが、その直後にライバルが僅か1000分の3秒小山のタイムを上回り、その後も各車タイム更新とはならず、小山は第10戦を最前列2番手グリッドからのスタートとなりました。セカンドベストタイムではトップとなり、第12戦ではポールポジションを獲得しました。
10分間のインターバルをおいて行われた予選2回目も、小山は他車より1周ほど遅れてコースイン。予選1回目よりも各車タイムが上がり、上位勢は1分18秒台に突入。このターゲットタイムを目指しアタックを続けた小山は、3周目に1分19秒153をマークし3番手に浮上。セッション終盤にも更なるタイムアップを狙ってアタックを続けましたが、前方を走っていた車両との間隔が詰まってしまい、そのまま3番手で終わります。しかし予選後、トップの車両が再車検で失格となり、タイム抹消となったため、繰り上げにより小山は第11戦を最前列2番手グリッドからスタートすることとなりました。
第10戦決勝
予選の後、午後1時55分より、第10戦の決勝レース(22周)が行われました。予選とこの決勝レースの間にスコールのような降雨があり、天候は回復したものの、走行ライン以外の路面が一部濡れたままでのスタートとなりました。
予選2番手の小山は、まだ完全に乾いていないイン側のグリッドからの厳しいスタートに。好スタートを決めたものの、濡れた路面の上でタイヤが空転してしまい、1コーナー進入までに後続車両の先行を許し3位へと後退。
しかし、小山をかわした車両へ反則スタートによるドライブスルーペナルティが科されたため、7周目に小山は2位へと復帰しました。この時点で首位の車両と2位の小山との差は約4秒ありましたが、小山はこの7周目からファステストラップを連発する驚異の追い上げを見せ、首位との差をじりじりと詰めていきました。
12周目にトップとの差が3秒を切り、16周目には1.5秒差まで詰め寄りましたが、首位の車両もここからペースアップ。なおもじりじり差を詰めていった小山でしたが、逆転は叶わず、トップと1.2秒差の2位でチェッカーを受けました。
第11戦決勝
24日(日)は朝から好天に恵まれ、強い日差しの中、午前10時50分、気温27度、路面温度37度のコンディションで第11戦の決勝レース(22周)が行われました。
今大会より、タイヤ使用に関する規則が変更。前大会までは1大会3セット(ドライ)のタイヤを使用できましたが、今大会から1大会2セットで戦うこととなりました。この2セットのタイヤ、2回の予選でそれぞれ新品を使用し、決勝は予選で使用したタイヤを使うことになります。
前日の第10戦は予選で1度使用したタイヤを装着しましたが、24日(日)の2レースは、予選でのみ使用した使用時間の短いタイヤと、予選と決勝を走った使用時間の長いタイヤのどちらかを選択する必要があり、チームの戦略が問われることとなりました。
レース開始後、2番手の小山を含むトップ3台は順当にスタートダッシュを決めましたが、、ライバルたちが使用時間の短いタイヤを使用する中、小山は使用時間の長いタイヤを装着していたため、首位と3位の車両のペースに対して遅れをとります。首位との差が広がる中、2位の小山は3位の車両に追われる展開に。
小山は首位との差を約2秒で保ち、離されずに着いていきましたが、3位の車両は1秒以内の差で小山を追走。そこに4位の車両も追いつき、中盤には小山を先頭に3台がテール・トゥ・ノーズで周回を重ねる形となりました。
小山は13周目の馬の背コーナーでライバルの先行を許し、3位に後退しますが、なおも僅差で迫る後続からの追撃が続きました。
しかしその後18周目、2位走行中の車両が突然スローダウンし、コース脇にストップ。小山は2位へ浮上しました。最後まで後ろの車両との差は1秒以内と、プレッシャーのかかる状況をしのぎ切り、2位でチェッカーを受けました。
第12戦決勝
第11戦決勝の後、午後3時45分より第12戦決勝(22周)が行われました。気温は29度まで上昇し、路面温度44度とこの週末最も暑いコンディションでの戦いとなりました。
今大会初めてポールポジションからのスタートとなった小山は、若干スタートで遅れてしまい、好スタートを決めたライバル勢に挟まれる形に。3台は横並びで1コーナーへと進入しましたが、小山はしっかりと首位を守り抜きました。
小山は、1周目に2位と約1秒の差をつけると、その後も後続をじりじりと引き離し、9周目にはその差を2秒に広げます。後半は2位の車両が追い上げを見せたものの、マージンを守った小山はトップでチェッカーを受け、今季6勝目となりました。今大会は2位2回、優勝1回で終え、首位につけているドライバーズランキングでも、ライバルとの差を広げました。