フォーミュラレースの登竜門として例年激戦が繰り広げられるFIA-F4選手権が開幕。第1大会(第1戦、第2戦)が富士スピードウェイで行われ、第1戦ではTGR-DC RSの支援を受ける小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)がポール・トゥ・ウィン。2位に奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)、3位にはフォーミュラのデビュー戦となった16歳の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)が続き、第1戦はTGR-DC RS支援ドライバーがトップ3を独占しました。第2戦では、第1戦でリタイアに終わった中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)が雪辱の勝利。小林は3位に入り、連続表彰台を獲得しました。

5月3日(水)、4日(木)の両日、静岡県の富士スピードウェイでFIA-F4選手権の2023年第1大会(第1戦、第2戦)が行われました。
世界標準の規格に沿ったワンメイク車両で、カートからステップアップしてトップドライバーを目指す若手ドライバーがしのぎを削る同シリーズは、今季で9シーズン目を迎えます。過去には坪井翔、宮田莉朋、平良響、野中誠太らがチャンピオンを獲得し、トップドライバーへの道を歩んでいます。
今季の同シリーズには、TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える17歳の小林と中村、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップする16歳の佐野、シリーズ2年目の奥本の4名がフルシーズン参戦します。
現行の童夢・F110を用いて争われる最後のシーズンの開幕戦となった今大会には、過去最多となる46台がエントリー。熱戦が繰り広げられました。
予選
3日(水)は好天に恵まれ、朝7時50分より、2組に分けての予選が各20分ずつで行われました。気温15度、路面温度は20度とこの時期としては暖かいコンディション。この予選でのベストタイムで第1戦、セカンドベストタイムで第2戦のスターティンググリッドが決定されます。
A組では昨年の最終大会第13戦で参戦初年度ながら初勝利を挙げた小林が序盤からトップ争いを繰り広げ、後半も周回毎にベストタイムを更新する速さで、このセッションでのベスト、セカンドベスト共にトップタイムをマーク。奥本も上位につけるタイムを重ね、ベスト/セカンドベスト共4番手となりました。
B組では小林同様、昨年参戦初年度ながら第10戦で初勝利を飾っている中村が上位を争い、ベスト、セカンドベスト共に2番手タイム。今回がフォーミュラレースのデビュー戦となる佐野は、ベストタイムで8番手、セカンドベストは5番手となりました。
2組の予選を終え、トップタイムが高かったA組が奇数列、B組が偶数列で決勝のグリッドを決定。小林は第1戦、第2戦共にポールポジション。中村は両レース共2列目4番手。奥本は両レース共4列目7番手。佐野は他車の降格があったことで第1戦15番手、第2戦は10番手スタートとなりました。
第1戦決勝
予選の後、気温は24度、路面温度は42度まで上昇する中、午後2時10分より第1戦の決勝レース(14周)が行われました。
ポールポジションの小林はスタートを着実に決め、首位をキープ。2列目4番手グリッドの中村は好ダッシュで3位へとポジションを上げ、さらにポジションアップを狙いましたが、TGRコーナー(1コーナー)進入時に2位の三井優介(HFDP RACING TEAM)と接触し、スピン。ここでレースを終えることとなってしまいました。更にダンロップコーナー付近では複数の車両による接触やコースアウトがあり、これらのアクシデントにより1周目からセーフティカーが導入されました。
3周終了でセーフティカーが待避し、4周目からレースは再開。トップの小林はこの再スタートも上手く決め、後続を引き離していきました。
その後方ではまたも2位争いで接触があり、7番手スタートから2回の混乱をかわした奥本が3位へと浮上。しかし、奥本は7周目に1台、10周目にも1台にかわされ5位へ後退。その後、2位の車両がドライブスルーペナルティを受けたことで4位へ。一方、15番手スタートから順位を上げてきた佐野が5位で続きました。
首位を行く小林が後続との差を大きく広げる一方で、表彰台争いは奥本、佐野を含む数台で激しいバトルが展開されました。
小林は最終的に2位を大きく引き離してトップチェッカー。ポール・トゥ・ウィンで開幕戦を制すると共に、昨年の第13戦以来自身通算2勝目を挙げました。奥本は3位、佐野が5位でチェッカーを受けましたが、レース後、2位、4位のドライバーにタイムペナルティが科せられたことで順位が繰り上がり、奥本が2位、佐野が3位に。開幕戦はTGR-DC RS支援ドライバーがトップ3を占める結果となりました。
第2戦決勝
4日(木)も好天に恵まれ、午前8時20分より第2戦の決勝レース(14周)が行われました。
ポールポジションの小林はここでもスタートを決め首位をキープ。4番手スタートの中村がひとつ順位を上げ3位へと浮上しました。このレースでも、1周目のダンロップコーナーで接触からの多重クラッシュが発生。1周目からセーフティカーが導入されました。
6周目に再スタートが切られると、2位の三井がスリップストリームから追い抜きを試み、TGRコーナーでインに並んだ小林は、ブレーキングで痛恨のオーバーシュート。中村らにも先行を許し、4位へと後退してしまいました。
3位を行く中村は8周目に前車をパスし2位へ。ここで、首位を行く三井がセーフティカーランからの再スタート時に違反を犯したとしてペナルティの裁定が出され、三井に次ぐ2位でチェッカーを受けた中村が繰り上がっての優勝。中村は今季初勝利、そして昨年の第10戦以来自身通算2勝目を挙げました。同様に順位が繰り上がり、小林は3位で連続表彰台。奥本が7位、佐野が9位でフィニッシュしました。



