FIA-F4選手権の第2大会(第3,4戦)が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DC RSの支援を受ける小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が、今大会第1レースとなる第3戦で2位表彰台。第4戦では表彰台は逃すも4位フィニッシュを果たし、ドライバーズランキング首位の座を守りました。

6月3日(土)、4日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでFIA-F4選手権の2023年第2大会(第3戦、第4戦)が行われました。
世界標準の規格に沿ったワンメイク車両で、カートからステップアップしてトップドライバーを目指す若手ドライバーがしのぎを削る同シリーズには、今季TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える17歳の小林と中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップする16歳の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)、シリーズ2年目の奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフルシーズン参戦しています。
1か月前に富士スピードウェイで行われた第1大会(第1戦、第2戦)では小林が第1戦でポール・トゥ・ウィン。2位に奥本、3位に佐野が続き、TGR-DC RS支援ドライバーがトップ3を独占しました。第2戦では第1戦でリタイアに終わった中村が雪辱の勝利。小林は3位に入り、連続表彰台を獲得しました。今大会も好結果に期待がかかりました。
予選
3日(土)午前8時より、2グループに分けて各20分ずつの予選が行われました。前日までの台風の影響で、雨は止んでいるものの、コース路面はまだ濡れている部分が残り、ウェット宣言が出されました。しかし、路面はどんどん乾いていく状況で、全車スリックタイヤでアタックに向かいました。
TGR-DC RS支援ドライバーの4名は全員がA組から出走。どんどん好転していく路面状況でタイムを縮めていきました。しかし、開始から10分ほど過ぎたところでコースアウトした車両があり、セッションは赤旗中断に。車両回収後、残り5分で再開され、各車アタックに向かいましたがベストタイムの更新には到らず。第3戦のグリッドを決定するベストタイム、第4戦のセカンドベストタイム共に小林が2番手、中村が3番手、奥本が5番手、佐野が6番手となりました。
その後に行われたB組ではさらに路面状況が良くなり、タイムアップ。ベストタイムが良かったB組がポールポジションから奇数列、A組のドライバーは偶数列に並ぶこととなりました第3戦、第4戦共に小林は2列目4番手、中村6番手、奥本10番手、佐野12番手のグリッドから決勝をスタートすることとなりました。
第3戦決勝
予選の後、午後2時5分から第3戦の決勝レース(11周)が予定されていましたが、スターティンググリッドへと各車が向かっている時に、1台の車両から全周にわたってオイルが撒かれてしまい、その処理でスタートは遅延。20分遅れの午後2時25分、通常のスタンディングスタートではなく、セーフティカー先導でスタートが切られました。
セーフティカー走行は3周で終わり、4周目から本格的にレースがスタートしました。このスタートで4番手につけていた小林は抜群のタイミングで加速し、2コーナーで前車をパス。3位へとポジションを上げました。その後方では6番手の中村も前車に並びかけ、サイド・バイ・サイドで1コーナーに侵入していきましたが、アウト側で行き場を失いコースオフ。グラベルトラップに捕まり、レースを終えることとなってしまいました。
この中村のストップにより、レースはまたもセーフティカー導入。中村の車両はすぐに改修できたため、1周でセーフティカーが待避することとなりましたが、再スタートのタイミングを待つ隊列の渋滞で、バックストレートで接触が発生。再スタートが切られる前にこのレース3度目のセーフティカー導入となってしまいました。
この接触による車両の排除には時間がかかり、9周目に再スタート。ここでも小林が抜群の再スタートを切り、2位へとポジションアップ。
しかし、セーフティカー走行が長かったことでレースはこの周で規定の30分を超えたため、予定の11周に届かない9周でチェッカーとなりました。このような状況のレースでも2つポジションアップを果たした小林が見事2位に入り、3戦連続での表彰台を獲得しました。
10番手、12番手からスタートした奥本と佐野は、最後に佐野が奥本をかわし8位。奥本は10位でフィニッシュしました。
第4戦決勝
4日(日)午前8時15分より第4戦の決勝レース(11周)が行われました。この日は前日までの強い風も収まり絶好のレース日和となりました。
スタートでは、2列目4番手グリッドの小林が前の車両に並びかけますが抜くまでには到らず。逆に、2周目のストレートで5番手スタートの荒川麟(ZAP SPEED)に並ばれ、S字コーナーでは6番手スタートの中村にもかわされて、中村が5位、小林は6位にポジションダウン。しかし続く3周目には、小林が中村との激しいバトルを制し、5位を奪い返しました。
その直後、後方集団でクラッシュが発生してセーフティカーが導入。8周目からレースが再開されました。
5位につける小林は、10周目に前を行く荒川をかわして4位へ浮上し、そのままチェッカー。4戦連続での表彰台獲得はならなかったものの、ドライバーズランキングで首位の座を守りました。
中村は4周目以降は順位をキープし6位。10番手スタートの奥本は1周目に8位へ順位を上げ、10周目のバトルでさらに1台をかわし、7位でフィニッシュ。12番手スタートの佐野は、1周目にヘアピンでオーバーテイクを見せ10位に上がるも、その後1台にかわされ、11位に終わりました。



