FIA-F4 2023年 第3大会(第5,6戦)富士TGR-DC RS支援ドライバーの小林利徠斗が第5戦、第6戦連勝
中村仁が2戦連続表彰台獲得

2023.08.07(月)- 13:00配信

 FIA-F4選手権の第3大会(第5,6戦)が富士スピードウェイで行われ、TGR-DC RSの支援を受ける小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)が両レースで勝利。ドライバーズランキング首位の座を守りました。同じくTGR-DC RSの支援ドライバーである中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)は第5戦で3位、第6戦で2位となり、連続表彰台を獲得しました。

TGR-DC RS支援ドライバーの小林利徠斗が第5戦、第6戦連勝 中村仁が2戦連続表彰台獲得

 8月5日(土)、6日(日)の両日、静岡県の富士スピードウェイでFIA-F4選手権の2023年第3大会(第5戦、第6戦)が行われました。
 世界標準の規格に沿ったワンメイク車両で、カートからステップアップしてトップドライバーを目指す若手ドライバーがしのぎを削る同シリーズには、今季TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える18歳の小林と17歳の中村、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップした16歳の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)、シリーズ2年目の奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフルシーズン参戦しています。
 全7大会、14レースで競われる今季のFIA-F4、第3大会となる今大会は、前大会鈴鹿から2か月あまりのインターバルを経ての開催となりました。これまでの4戦は、小林が第1戦でポール・トゥ・ウィン。2位に奥本、3位に佐野が続き、TGR-DC RS支援ドライバーがトップ3を独占。第2戦では中村が勝利と好スタートを切りました。第2大会では小林は2位/4位、中村はリタイア/6位と苦戦を強いられ、「ホーム」とも言える富士で巻き返すべく今大会に臨みました。

予選

 5日(土)朝7時50分より薄曇りの空の下で予選が行われました。今大会も45台フルグリッドのエントリーがあり、2グループに分けて予選を実施。トップタイムの良かったグループが奇数列、もう片方が偶数列に並びます。ベストタイムで第5戦、セカンドベストタイムで第6戦のグリッドが決定されます。
 A組には佐野と奥本が出走。20分間のセッション前半で各車タイムを上げていくも、ちょうど10分を過ぎたところでコース上に停まった車両があり赤旗中断となりました。6分ほどの中断の後、残り9分でセッションは再開。奥本と佐野はベストタイムで7,8番手、セカンドベストタイムでは奥本が6番手、佐野が7番手となりました。
 B組では2年目のシーズンの小林と中村が出走。共に走り始めてすぐに好タイムを記録し、上位のタイムを塗り替え合う展開となりました。
 このセッションは中盤の6周目あたりで出したタイムが各車のベストに。その後はタイムの更新はならず、ベスト、セカンドベストとも小林がトップタイム、中村が2番手で続く形となりました。
 この予選では、トップタイムはA組となり、小林、中村は第5戦、第6戦共に偶数列の1,2列目で2,4番手。奥本は第5戦15番手、第6戦11番手。佐野は第5戦、第6戦共に13番手からレースをスタートすることとなりました。

第5戦決勝

 予選の後、好天の下で気温は上昇し、午後2時15分より30度を超える暑さの中で第5戦の決勝レース(14周)が行われました。
 スタートから2番手の小林、4番手の中村を含むトップ4台による激しい接近戦が展開。中村はアドバンヘアピンで一気にインをつくと小林もかわして2位へと順位を上げました。
 その直後、中団グループでの接触でコース上に車両が停まったためセーフティカーが導入。4周目に再スタートが切られると、2,3番手の小林と中村は前を行くトップの野村勇斗(HFDP RACING TEAM)をコカコーラコーナーで逆転し、中村が首位を奪取。続いて小林もヘアピンで野村をパスし、中村に続く2位へと浮上しました。
 その後中村と小林が数周にわたってテール・トゥ・ノーズで首位を争う展開となりましたが、7周目に小林が前へ。さらに野村も中村をパスし、中村は3位へと後退。
 その後も小林と野村は首位争いを繰り広げましたが、このバトルは小林が制しました。小林は、8周目、9周目とファステストラップを更新するペースで後続を引き離し、トップでチェッカー。今季2勝目を挙げました。中村は3位でフィニッシュし表彰台を獲得。
 13番手からスタートした佐野は1周目に9位まで順位を上げるも、ヘアピンで他車と接触。この接触でペナルティを科され、車両にもトラブルを抱えたため、リタイアとなりました。
 奥本は15番手スタートから1周目に12位までジャンプアップし、佐野のリタイアで11位へと順位を上げると、僅差での10位争いを繰り広げましたが及ばず11位でチェッカーを受けました。

第6戦決勝

 6日(日)は朝から晴れ渡り、午前8時より第6戦の決勝(14周)が行われました。
 2番手グリッドの小林はポジションをキープ、4番手グリッドの中村は好スタートで前に並び、2コーナーで3位へと浮上しました。
 3周目のTGRコーナー進入で、小林が野村をかわして首位に立つと、翌周にはダンロップコーナーで中村が野村を抜いて、2位浮上。TGR-DC RSドライバーの1-2体制となりました。
 5周目、スピン車両が発生したため、セーフティカーが導入。首位の小林は後続との差を広げにかかっていましたが、そのマージンはリセットとなってしまいました。
 8周目に再スタートとなりましたが、この時、首位小林の加速タイミングが悪く、TGRコーナーへの進入で中村と野村が小林を挟む形でパスし、中村が首位浮上。小林は3位へと後退してしまいました。
 しかし、速さで勝る小林は、9周目のTGRコーナーで野村のインをついて2位へ。更に首位中村を追いますが、11周目にTGRコーナーでコースオフした車両があり、パッシングポイントであるTGRコーナーは黄旗が振られて追い越し禁止となってしまいました。
 その後、上位5台が一団となってのバトルが続き、ファイナルラップに入ったところでTGRコーナーの追い越し禁止が解除されると、小林はこのチャンスを見逃さず、中村をパスして首位を奪還。そのままトップでチェッカーを受け、2連勝を飾りました。これで今季3勝目となった小林は、ポイント争いでも首位を守り、2位との差をさらに広げました。
 中村は2位でフィニッシュ。2戦連続の表彰台を獲得しました。
 13番手スタートの佐野は周回毎に順位を上げ、4周目には8位に浮上。セーフティカーからの再スタートで6位へとさらにポジションアップし、5位争いを展開。9周目にこのバトルを制して5位に浮上し、そのポジションを守ってチェッカーを受けました。
 奥本は10位でフィニッシュしポイント獲得を果たしました。

中村 仁(TGR-DC RSトムススピリットF4 35号車)
小林 利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4 36号車)
佐野 雄城(TGR-DC RSフィールドF4 37号車)
奥本 隼士(TGR-DC RSフィールドF4 38号車)