FIA-F4選手権の第4大会(第7,8戦)が鈴鹿サーキットで行われ、TGR-DC RSの支援を受ける中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)が第7戦で2位、第8戦は3位に入り、第5戦から4戦連続での表彰台を獲得しました。ここまで3勝を挙げランキング首位につける小林利徠斗(TGR-DC RSトムススピリットF4)は第7戦で無念のノーポイント。第8戦は5位に終わりましたが、ランキング首位の座を守りました。

8月26日(土)、27日(日)の両日、三重県の鈴鹿サーキットでFIA-F4選手権の2023年第4大会(第7戦、第8戦)が行われました。
世界標準の規格に沿ったワンメイク車両で、カートからステップアップしてトップドライバーを目指す若手ドライバーがしのぎを削る同シリーズには、今季TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える18歳の小林と17歳の中村、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップした16歳の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)、シリーズ2年目の奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフルシーズン参戦しています。
全7大会、14レースで競われている今季のFIA-F4は、今大会で折り返しとなります。前大会富士では小林が2戦連続勝利を挙げ、今季これまでの6戦中3勝を含む5戦で表彰台を獲得する活躍でランキング首位につけ、今大会に臨みました。
予選
26日(土)朝から30度を超える暑さの中、午前8時5分より予選が行われました。今大会も44台のエントリーがあり、予選は2グループに分けてそれぞれ20分ずつで実施。A組には小林と佐野が出走。小林は第7戦のグリッドを決定するベストタイム、第8戦のグリッドを決定するセカンドベストタイム共に2番手。佐野はベストで4番手、セカンドベストで3番手となりました。
B組では中村と奥本が出走。走りだして早々にコースアウト車両により赤旗が出されましたが、大きな影響はなく、セッション再開後に各車アタックに入りました。中村はベスト、セカンドベスト共に2番手。奥本はベスト、セカンドベスト共に6番手となりました。
この2グループでは、B組がベストタイムで上回ったため、決勝のスターティングリッドは、B組が奇数列、A組が偶数列に並ぶこととなりました。
第7戦の決勝グリッドは、中村が3番手、小林が4番手、佐野が8番手、奥本は11番手でしたが、走路外走行に対する3グリッド降格ペナルティが科されて14番手。
第8戦は、中村が3番手、小林が4番手、佐野が6番手、奥本が11番手となりました。
第7戦決勝
予選の後、午後2時10分より強い日差しに照らされ気温34度、路面温度50度と猛烈な暑さの中で、第7戦の決勝レース(11周)のスタートが切られました。
3番手、4番手と2列目に中村と小林は並んでスタート。中村が好スタートから1コーナーでアウトから被せ、2位へとポジションアップ。その直後、S字で後続グループによる多重クラッシュが発生し、早くもセーフティカーが導入されることとなりました。
4周目にレースが再開されると、2位の中村は再スタート直後にトップの三井優介(HFDP RACING TEAM)に迫りましたが、追い抜くまでには到らず。
5周目には130Rでコースアウト車両が発生し、再びセーフティカーが導入。7周目に、残り5周で再スタートが切られると、中村は2位を堅守。一方で、4位を走行していた小林は他車と接触し、9位へと順位を落としてしまいました。そこから追い上げを図った小林でしたが、シケインでも他車とのバトルで行き場を失い、コースオフを喫して14位に後退。
9周目に12位での争いを繰り広げていた奥本が他車と接触。その車両が停まってしまったことで、10周目にこの日3度目のセーフティカーが導入され、セーフティカー先導のままチェッカーとなりました。
中村は2位でフィニッシュ。佐野は8番手スタートから6位でフィニッシュ。奥本は15位。小林はレース後に他車との接触に対する40秒のタイム加算ペナルティを科され、33位で痛恨のノーポイントに終わりました。
第8戦決勝
27日(日)朝9時半より、30度近い暑さの中で第8戦の決勝(11周)が行われました。
前日に続き、3,4番手で2列目に並んでスタートを切った中村と小林は、序盤から2位を行く野村勇斗(HFDP RACING TEAM)を攻め2位争いを展開。中村は再三にわたって野村を攻めますが、追い抜くまでには到らず。
その後方では、6番手スタートの佐野が後続との6位争いを繰り広げるも、3周目のシケインで9位へとポジションダウン。佐野は5周目にも後続に攻められ、バトルを繰り広げる中で接触。コース脇に車両を停め、レースを終えることとなってしまいました。この車両を排除するためにセーフティカーが導入。8周目、残り4周で再スタートが切られると、3位の中村と4位の小林が表彰台を賭けて激しいバトルを繰り広げました。これに、5位の洞地遼大(TCS AKILAND F110)が加わり、3台のバトルはファイナルラップのストレートで3ワイドとなり、1コーナー進入で小林は5位へ後退。中村は3位を死守し、そのままチェッカーを受け、第5戦から4戦連続で表彰台を獲得しました。小林は5位でフィニッシュ。ランキングを争う三井がこの2戦連勝したことで差を詰められましたが、6ポイント差でランキング首位を守りました。
奥本は10位でポイント獲得を果たしました。



