FIA-F4の第6大会(第9戦、第10戦)がスポーツランドSUGOで行われ、TGR-DC RS支援ドライバーの佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)が第9戦で3位表彰台を獲得、第10戦でも5位フィニッシュ。中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)が第9戦、第10戦で4位入賞を果たしました。

9月16日(土)、17日(日)の両日、宮城県のスポーツランドSUGOでFIA-F4選手権の2023年第5大会(第9戦、第10戦)が行われました。
このシリーズには、今季TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える18歳の小林と17歳の中村、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップした16歳の佐野、シリーズ2年目の奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフルシーズン参戦しています。
全7大会、14レースで競われている今季のFIA-F4もいよいよ後半戦。前半戦で3勝を挙げてランキング首位の小林は、前大会鈴鹿で初のノーポイントを喫するなど、ライバルの追い上げを受けています。一方、前半1勝を挙げるも浮き沈みの激しいレースが続いた中村は、前大会で連続表彰台を獲得しており、タイトル争いへ向け更なる好成績を目指して今大会に臨みました。
予選
16日(土)午前8時より2グループに分けて予選が行われました。朝方の雨は止んでいたものの、路面はフルウェットコンディション。まず小林、中村、佐野の3名が出走するA組が開始されました。
コースインしてまもなくスピン車両による赤旗が出され、セッションは中断。小林、中村は不運にもピットロードを通り過ぎた直後に赤旗が出されたため、赤旗解除後の再アタックはクリアラップの取りにくい最後尾からとなってしまいました。
再開後、路面が乾きつつある難しいコンディションの中で、小林と中村は前をかき分けながらアタックしますが、残り3分ほどで2度目の赤旗が出されて、セッションは終了。
中村と小林は充分なタイムアタックが出来ないままに終わり、第9戦のグリッドを決定するベストタイムではこのグループ4番手、5番手。第10戦グリッドを決めるセカンドベストタイムでは、小林が5番手、中村は7番手となりました。
一方、佐野は幸運なタイミングでピットへ戻ることとなり、クリアなラップでアタック。第9戦、第10戦共にこのグループ2番手タイムをマークしました。
B組では奥本が出走。こちらもセッション開始直後に赤旗が出されましたが、A組よりもコンディションが回復した路面でタイムが上がる中、奥本はベストタイムで11番手、セカンドベストは7番手となりました。
第9戦決勝
予選の後、曇りで気温28度、路面温度36度のドライコンディションの中、午後1時半から第9戦の決勝レースが17周で行われました。予選でトップタイムの良かったB組が奇数列、A組は偶数列に並ぶこととなり、佐野が4番手、中村が8番手、小林10番手、奥本21番手からスタートしました。
スタート直後は4番手の佐野を含む上位勢の順位は変動がありませんでしたが、8番手スタートの中村は6位、10番手スタートの小林は8位へとそれぞれ順位を上げました。2周目に後方集団の1台がグラベルで止まったため、セーフティカーが導入。6周目にレースが再開されると、佐野は1コーナーで前車に並びかけ、そのまま4コーナーまでサイド・バイ・サイドのバトルを繰り広げた末にパス。3位へとポジションを上げました。
その後方では、6位の中村が6周目に5位、8周目に4位へとポジションアップ。
佐野と中村は後半3位争いを続けましたが、中村の追撃を凌ぎ切った佐野が3位でチェッカー。開幕戦に続く2度目の3位ですが、開幕戦は表彰式後に繰り上がった3位だったこともあり、自身初めての表彰台となりました。中村は4位でフィニッシュ。
小林は8周目に7位へ上がると、その後も果敢にせめて6位でチェッカーを受けました。しかし、ライバルが上位フィニッシュを果たしたことで、小林は開幕から守ってきたランキング首位の座を譲ることとなりました。
奥本は自己ワーストの21番手からスタート。混戦の中団グループの中で着実に追い上げを見せ、12位でチェッカーを受けました。
第10戦決勝
17日(日)も朝方は小雨が残り、ウェット宣言が出されたものの、午前8時45分からのフォーメーションラップが始まる頃には雨は止み、全車スリックタイヤで17周の決勝レースに臨みました。
佐野が4番手、小林は10番手、奥本が13番手、中村は14番手からスタート。小林はスタートダッシュで8位へ上がるも、3コーナー進入で接触を喫しコースオフ、13位へと後退してしまいました。
佐野は3位争いを展開。2周目の最終コーナーで3位の車両に並びかけると、後続もこのバトルに加わり、ストレートでは3ワイドでの激戦となりました。佐野は3コーナー付近までサイド・バイ・サイドで粘りましたが惜しくもライバルにかわされ、5位へと後退。
その後方では、1周目を10位で終えた中村が周回毎に順位を上げていき、6周目には佐野を含む2台を一気にパス。中村は5位へ浮上し、佐野が6位となりました。
中村と佐野は8周目には4位、5位へとポジションアップ。
一方、小林は、1周目の接触でフロントウィングにダメージを負い、アンダーステア症状に苦しみながらの走行となりました。中団グループで順位争いを繰り広げましたが、12周目にはコースオフで23位まで大きく順位を落とすこととなってしまいました。
15周目に1コーナーでコースアウトした車両が出てセーフティカーが導入され、レースはそのままセーフティカー先導でチェッカー。中村はこの大会2戦連続の4位、佐野が5位、奥本は11位、小林は22位でレースを終えました。
今大会の結果、今シーズンの2大会4レースを残して、ドライバーズランキングで小林は首位と22ポイント差の3位へと後退。中村は首位と37ポイント差の4位、佐野は6位へと浮上しました。



