FIA-F4の今季最終戦となる第7大会(第13戦、第14戦)がモビリティリゾートもてぎで行われ、第13戦で2位、第14戦で優勝を果たしたTGR-DC RS支援ドライバーの小林利徠斗(TGR-DC RS トムススピリット F4)が今シーズンのドライバーズチャンピオンに輝きました。第13戦で勝利を挙げ、最終戦までタイトルを争った中村仁(TGR-DC RS トムススピリット F4)は追撃及ばず第14戦を2位で終え、ランキング2位となりました。

11月4日(土)、5日(日)の両日、栃木県のモビリティリゾートもてぎでFIA-F4選手権の2023年第7大会(第13戦、第14戦)が行われました。
このシリーズには、今季TGR-DC RS(TOYOTA GAZOO Racing ドライバー・チャレンジプログラム レーシングスクール)のスカラシップドライバーとして、シリーズ2年目を迎える18歳の小林と17歳の中村、そして昨年までカートで戦い、今季よりフォーミュラにステップアップした16歳の佐野雄城(TGR-DC RSフィールドF4)、シリーズ2年目の奥本隼士(TGR-DC RSフィールドF4)の4名がフルシーズン参戦しています。
全7大会、14レースで競われている今季のFIA-F4も最終大会を迎えました。シーズン前半戦で3勝を挙げた小林は後半戦に入って苦しい戦いが続いたものの、前大会オートポリスで4勝目を挙げランキング首位に復帰。前大会の第12戦で今季2勝目を挙げた中村も首位小林と12ポイント差のランキング3位に浮上。ランキング2位の三井優介(HFDP RACING TEAM)、4位の野村勇斗(HFDP RACING TEAM)を含めた4人によるタイトルをかけた最終決戦に臨みました。
予選
4日(土)は朝からもてぎ周辺を含む北関東の広い範囲が濃霧に覆われました。午前8時から2組に分けて各20分間で予定されていた予選は視界不良によりディレイ。30分遅れの8時半より、気温15度、路面温度17度の中、全車組み分け無しで行う30分間の予選に変更して実施されました。
霧はやや薄くなったものの、路面はうっすらと湿っており、ウェット宣言が出される状況でしたが、全車スリックタイヤでコースインし、慎重にタイヤを暖めていきました。
周回を重ねるごとに路面コンディションも改善していき、各車タイムアップ。
序盤から上位のタイムをマークしていた小林は、ライバル勢がタイムアップする中でもトップタイムを更新していき、ベストタイムで決定される第13戦、セカンドベストタイムで決定される第14戦共にポールポジションを獲得。これで小林は今季5度のポール獲得となりました。
一方セッション中盤まで10番手あたりにつけていた中村は、終盤コース路面が良くなると一気にタイムを上げ、ベストタイムでは2番手、セカンドベストタイムでは4番手につけ、逆転タイトルへ好位置につけました。
佐野、奥本も序盤はセクターベストを記録するなど好走を見せましたが、奥本は13番手/12番手。佐野は2戦共に自己ワーストの18番手からスタートすることとなりました。
第13戦決勝
予選の後、天候は回復し、太陽も顔を出し気温24度、路面温度28度と暑さを感じさせる中で午後1時10分より第13戦の決勝レースがスタートしました。
スタートではポールポジションの小林がリードし、これを2番手の中村が追う形となりましたが、3コーナーで中村が小林に並びかけると、2台はサイド・バイ・サイドのままS字コーナーまで一歩も引かない首位争いを展開。しかし、このバトルは中村が制し、首位を奪いました。
その後方の1コーナーでは、18番手スタートの佐野を含む多重クラッシュが発生。これによりセーフティカーが導入されました。
4周目に再スタートが切られると、中村はトップをキープ。小林も1秒ほどの差でついていき、レースが折り返すとファステストラップを更新するペースで中村との差を詰め始めましたが、9周目にコースアウト車両が発生したことによりこの日2度目のセーフティカー導入。
レースは残り3周で再開されましたが、この再スタートも上手く決めた中村が、小林の猛追を凌ぎ切りトップチェッカー。前戦第12戦に続く2連勝で今季3勝目を挙げました。小林は2位。この結果、最終戦を待たずしてTGR-DC Racing Schoolが2年ぶりにチームタイトルを獲得しました。
タイトル争いでは首位の小林とランキング2位に浮上した中村との差が5ポイントに狭まり、最終戦は勝った方がチャンピオンという実質的な一騎打ちとなりました。
奥本は13番手スタートから序盤順位を落とす展開ながら、他車の脱落もあり12位でチェッカー。佐野は1周目のクラッシュでリタイアに終わりました。
第14戦決勝
5日(日)はやや朝靄がかかっているものの好天に恵まれ、午前8時15分より今季の最終戦となる第14戦がスタートしました。
ポールポジションの小林はここでも好ダッシュを決めてトップをキープ。逆転タイトルを目指す中村は2列目4番手グリッドから1コーナーで1台かわすと、4コーナーまでにさらに1台をパスして2位へとポジションを上げました。
一方、その後方では、12番手スタートの奥本が1コーナー進入で前車をパスしようとして接触。この影響でクラッシュ車両が発生し、セーフティカーが導入されました。
レースが3周目に再開されると、トップの小林は好ダッシュを決め、2位の中村を引き離す展開に。その後も小林は中村との差をじりじりと開いていきました。
中村は、後続からの追撃も受けることになり、逆転は叶わず。
小林はそのまま首位を守ってトップでチェッカーを受け、第9代目のFIA-F4チャンピオンに輝きました。トヨタの育成ドライバーとしては6回目、5人目のチャンピオンとなります。
中村は悔しい2位。ランキングも小林に次ぐ2位で終えることとなりました。
1周目に接触した奥本は、その後も走行を続けて12位でチェッカーを受けましたが、接触が危険なドライブ行為としてペナルティの対象となり、レース結果に10秒が加算され、20位となりました。
佐野は18番手からのスタートでしたが、1周目に他車と接触して左後輪を破損。交換のためのピットインを強いられ、2周遅れの37位に終わりました。




