WEC2025年シーズン第3戦スパ6時間 プレビュー TOYOTA GAZOO Racing、
ル・マンに向けた最後のレース、スパの舞台で戦いに臨む!

2025.05.02(金)- 17:00配信

 TOYOTA GAZOO Racing(TGR)は、美しい景観で知られるベルギーのスパ・フランコルシャン・サーキットで5月10日(土)に決勝が行われる、2025年シーズンのFIA世界耐久選手権(WEC)第3戦、スパ・フランコルシャン6時間に臨みます。

スパ・フランコルシャン・サーキットを走行するGR010 HYBRID 7号車(2024年)
2024年シーズン第3戦スパより

 スパ・フランコルシャン6時間は耐久レースカレンダーにおける伝統的な一戦というだけでなく、6月14日(土)から15日(日)にかけて行われるシリーズ第4戦、ル・マン24時間へ向けた最後の戦いでもあります。さらにこのレースは、ル・マンでの6度目の勝利を目指すTGRにとって、重要なステップになります。

 激戦となった先月の第2戦イモラで、2台揃ってポイントを獲得したTGRは、これまで好成績を重ねてきたスパ・フランコルシャン・サーキットで、タイトル争いに向けた好機を掴むべく戦いに挑みます。現行WECでは、これまでに全12戦が行われてきたスパで、TGRは8勝を挙げており、特に2017年から2023年までの7年間は連続で勝利を収めています。

 2025年シーズンのこれまで、TGRはまだ表彰台に立っていませんが、スマートな戦略と粘り強いドライビング、強力なチームワークによって、カタールとイモラで着実にポイントを積み重ねてきました。マニュファクチャラーズ選手権では、首位のフェラーリに対して39ポイント差の3位につけています。

 スパ・フランコルシャンは、ドイツのケルンに本拠地を置くチームにとって、富士スピードウェイと並ぶホームレースの一つです。多くの現地従業員がケルンからわずか120kmの距離にあるこのサーキットで、アルピーヌ、アストンマーティン、BMW、キャデラック、フェラーリ、プジョー、そしてポルシェといった18台の強力なハイパーカーのライバルに挑むGR010 HYBRIDを応援すべく、サーキットを訪れます。

 スパ・フランコルシャン・サーキットは、昨年のWEC開催の後、全長7.004kmのうち半分以上が再舗装されましたが、TGRは、この流れるようなハイスピードなサーキットで4月に2日間にわたるテストを実施し、スパ6時間とル・マン24時間へ向けたさらなる準備を整えました。

 毎回とても多くの観客が集まるスパでのWEC第3戦は、5月8日(木)に2度の90分間のセッションから始まります。翌9日(金)には現地午後3時25分(日本時間午後10時25分)からハイパーカークラスの予選が行われ、6時間で争われる決勝は5月10日(土)の現地午後2時に(日本時間午後9時)スタートします。

小林可夢偉(チーム代表 兼 7号車 ドライバー):

 スパは、ル・マン前の最後のイベントとして常に重要なレースです。全体のプロセスを微調整しながらクルマの特性をより深く理解し、レースでのチームの一体感を高める最後のチャンスであり、準備のための重要な局面です。スパは名高い歴史を持ち、毎回多くの観客を集める、すべてのドライバーが勝利を目指す素晴らしいサーキットです。天候は不安要素ですが、スパでドライブするのは本当に楽しいですし、ここでのレースをいつも楽しみにしています。考えうるあらゆる可能性に備える必要があるため、レースウィークは過酷です。これまでと同様、タフな戦いになると思いますが、チームとして激戦に備える準備はできています。

マイク・コンウェイ(7号車 ドライバー):

 スパは間違いなくお気に入りのコースのひとつで、天候などで予期しないサプライズが起こることも多いです。何が起こるかわからないというのもスパの魅力のひとつです。またスパはドイツ・ケルンのチーム本拠地から約1時間という距離にあるため、ホームレースのひとつであり、我々にとって特別なイベントです。チームの本拠地で働く同僚たちとシーズン中に会う機会はあまりないので、彼らが応援に来てくれるのも素晴らしいことです。みんながワクワクするレースを楽しんでくれることを願っています。

ニック・デ・フリース(7号車 ドライバー):

 イモラでの結果は、表彰台に上れる可能性があると思っていただけに、それを逃してしまい残念です。それだけに、すぐにスパでの戦いに戻れるのが楽しみです。スパはいつも最高の場所で、地元ファンのみなさんや同僚たちが大勢応援に集まります。ル・マンも迫ってきており、スパは準備のために重要な一戦なので、スタートを切るのが待ち遠しいです。

セバスチャン・ブエミ(8号車 ドライバー):

 ル・マン前の最後のレースということもあり、良い結果を出してビッグレースに挑めるよう全力を尽くします。昨年スパで戦った後、コースが再舗装されましたが、その後のテストでレース分析用のデータも得ており、良い準備ができると思います。イモラとカタールを終えて、今年はさらに厳しい戦いになることがわかりました。我々は優勝を争うにはペースが足りませんでしたが、それほど差があったわけではありません。我々は強いチームですし、勝てるクルマを持っているので、小さな改良を積み重ねていけば、勝利を争えると思います。

ブレンドン・ハートレー(8号車 ドライバー):

 スパはいつでも特別な場所です。流れるような、高速で予測の難しいコースです。変わりやすい天候は挑戦でもあり、それこそがエキサイティングなレースを生む要素でもあります。チームとして、レースウィークをクリーンに戦い、ル・マンに向けて勢いをつけることに集中します。上位を争い、できる限り多くのポイントを持ち帰ることが目標です。

平川亮(8号車 ドライバー):

 カタールとイモラの2戦は厳しかったですが、チームとして力強く戦い、最大限の力を発揮できた結果だと感じています。トップ争いに加わるだけのパフォーマンスがないときでも、着実にポイントを稼いでいくことが重要です。シーズンは長いですし、我々の目標はチャンピオンタイトル獲得です。前戦イモラからあまり間がないですが、チームは全力で取り組んでくれていることを知っていますし、スパでは強くなって戻ってこられると思います。

スパ・フランコルシャン・サーキットを走行するGR010 HYBRID(2024年)
オールージュを駆け上がるGR010 HYBRID(2024年)

2024年シーズン第3戦スパより